表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔装の交響曲《マギアシンフォニア》  作者: 源あかり
第1章《始まる前から始まっていた》
5/6

一話 夢を見たんだ(その4)

昼休みが終わる前、花梨と別れ廊下を歩いていると、俺の携帯端末にメールが届いた。


『ん?差出人の名前がない?』


【今日の夜、第4公園には近づくな】


『第4公園に近づくな?どう言う事だこれは』


差出人もわからない、ただ近づくなと書かれた警告文がそこにはあった。


『まぁ、ただのイタズラだろ…』


ただ気になってしまった、内心ではイタズラだろうと思ってはいるが、気になってしまったのは仕方のない事、何故第4公園と場所が書かれているのか、そして夜と。


ーザザザー


また頭の中でノイズが走る。


【ねぇ……しを…さが…して?】


なんだよ、お前は。


【じか……な…の…いそ…で】


聞こえない、何を言ってるんだ。


【あな…だけ……よ…なの】


ノイズが止まった、辺りを見回しても、魔装の反応はない。

なんなんだいったい


「……」

「おい、アキト?」

「あぁ、すまん」


あのノイズ、女の子の声…疲れてるのか?

このメールにしろ、ノイズにしろ、最近見るあの夢にしろ。

最近は何かがおかしい、一体何が。


「…なぁ、時臣、魔獣事件ってよ、1回目から3回目の事件が起こった場所ってどこかわかるか?」

「んー?確か第1公園から始まって、今日のニュースでは第3公園だって言ってたはずだぞ?」


ん?第1から第3公園だと?

そうなるとこの文面の第4公園、これは予言か何かなのか?

いや、もしそうだとしたら何故俺に送った、ガーディアンに送れば事件は解決するはず。

俺にわざわざ送らないでもいいはずのメールなんだ、余計にそこの所が引っかかる。

本当にイタズラなのか?


「そうか、ありがとうな」

「お、おぅ?」


気になる、気になって仕方ない、特に【俺】に送られてきたと言う事が引っかかってしまう。

それにあのノイズの女の子の存在も気になって仕方ない。

ここまで来ると念属性の使い手の精神攻撃まで疑ってしまう。

でも何より今はこのメールだ、これは他の要素より確実に俺に送られてきたモノだ。

もし、俺の素性を知っているモノから送られて来たのであれば話はわかる。

でもその場合【近づくな】ではなく【来てくれ】が正解のはずなんだ。

そこの矛盾点が引っかかる、なぜ近づけたくないのか、その理由がわからない。

むしろ内容的には「来てください」っと罠を張られている気分になる。

そうなると、考えられるのは危険性が高いと言う事だ。

俺には来てほしくない理由…。

でも、もし本当に魔獣事件の犯行が第4公園でおこ…


バシッ


「いった⁉︎」


立華のチョップを食らった。

これが地味に痛い。


「ちょっとアキ、教室を通り過ぎて何をやってるのかな?」

「あ…ははは、すまんすまん」

「もー、何かまた考え事でもしてたの?」

「まぁ、その…少しだけな?」

「話せる事ならいつでも聞くからさ、あんまり一人で抱え込まないでよね?昔っから何かあると一人で頑張っちゃうんだからさ」

「そうだな、善処するよ」


昔っから…か。


「時臣はもう行っちゃったよ?私達も早く行かないと」

「あぁ悪い悪い、急がないとな」


技術堂へ急がないとな本格的に遅刻しそうだな、仕方ない、力を使うか。


「立華、力を使って技術堂まで飛ばすけどいいか?」

「え?あ、うん、いいけど…」

「よし、じゃあ魔装で防御壁だけはちゃんと張ってくれよ」

「うん」

「ー魔装展開ー」


その言葉を放つと俺は周りに光の粒子を纏い始める。

俺の魔装の1つ【風霊降臨シルフィード

辺りの風などを操作し、自身の移動速度や空気抵抗などを操り瞬間的に速さを上げる魔装だ。

あくまでも自分にしかできないので他人を巻き込む時は防御壁などで抵抗などを緩和してもらうしかないのだが。


「ー魔装展開ー」


立華も防御壁を出すために展開をしてくれた、よし、行けるな。


「準備できたな?一気に行くぞ?」

「私これ苦手なんだよな…」

「細かい事は気にするなって、ほら行くぞ〜!」

「え、ちょ、まっ」


「いやぁぁぁぁあ」と言う立華の悲鳴が校内でこだまする、なんと言うか…すまない。

俺達はなんとか遅刻しないで済んだが、立華の機嫌が少しの間悪かったのは言うまでもないだろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ