一話 夢を見るんだ(その1)
夢を見た、真っ赤な空を見続けるだけの夢を。
あれは夕焼け?
わからない、それでも只々赤かった。
何も聞こえず、温度も何もかも感じる事はできなかった、声すらも出せず孤独感に襲われてしまうんじゃないかと思えるくらい、広かった。
そんな夢を見た。
「…きて?」
声が聞こえた。
「お…て?」
身体が揺れる。
「起きて?」
あぁ、俺は寝てたのか。
「ふぁ〜…朝か…?」
「何を言ってるの?もう昼休みじゃないの」
大きな欠伸をしながら聞いた事に、少し溜め息混じりに答えてくれる可愛い女の子が一人。
きっと俺は幸せモノなんだな〜なんて想像していると。
「魔学の先生、凄く怒ってたわよ?アキにしては珍しいよね?授業中に寝るなんて」
「あ〜そうだな、昨日の夜少し野暮用があったからな、寝不足なんだ」
実際夜は忙しかった、うん、色々とね。
「そういう立華は魔学でわからない事ばっかりだったんじゃないか?」
この俺を起こしてくれた可愛い可愛い女の子、周防立華
まぁいわゆる俺の幼馴染である。
「ん〜…私どうも魔学に関しては不得意だから…」
その照れながら髪をいじる仕草、可愛いな本当に、強いて言うならその慎ましい胸がもう少しだけ発育が良かったのならばパーフェクトであっただろうに。
「ア〜キ〜?どこを眺めているのかな〜?」
「いいえ、別に無いモノを眺める事はできないから眺めていたわけではないぞ」
「ちょ、アキ⁉︎」
立華の腕が振り下ろされようとした時、昼休みの教室に一人の救世主が滑り込んで来た。
「おー!アキト起きたのか〜?」
おぉ、救世主よ、助かったぞ。
「おう、時臣、今日はパン買えたのか?」
こいつは仁王時臣
こいつも幼馴染で気さくでいい奴だ、まぁ少し問題点はあるが…今は良いだろう。
「買えたぜ買えたぜ、限定100個の焼きそばパンを2つもな!」
「おぉ…すげぇな2つは、そいつの売れる速度は尋常じゃなく早いって言われているのにそれを2つとは…」
「へっへっへ、これもテクニックってやつよ」
自慢気に話してる時臣と、それを聞いている俺を見つめて怒りが少し収まったのか。
「はぁ…とりあえず二人とも、そろそろ屋上に行こ?多分…待たせちゃってるよ?」
立華がそっと話を止めてくれた
「お、そうだな〜腹も減ったし、早く焼きそばパン食いたいからな〜」
「そうだな、行くか」
そっと椅子から腰を上げ屋上に向かうのだった
とりあえずの構想はあるのですが、このくらいのページ数で大丈夫なのかな…?
とか思いながら第1話の投稿を始めました、時間がある時に更新を進めようとは思いますが1話ごとの文字数はどれくらいがいいんでしょうかね…
とりあえずそこら辺の試行錯誤をしながら今後更新していこうと思います。