第7話 月の妖精(白虎side)
今日は月が綺麗だ…。
いつもなら王宮にはいないが、今は王子の相手探しをしており、令嬢たちがたくさんいる。その令嬢たちを守るためにも、将軍の俺はここにいる。
月見酒を飲みながら、今日のことを思い出していた。
初めて出逢ったうさぎ令嬢は、本当にうさぎのように可愛らしく、心を奪われてしまった。
そういえば、うさぎは一人では寝れないと言っていたが…大丈夫なのだろうか…?
なれない王宮に一人きり…。
心細いだろう…。
俺が守ってやりたい。
が、うさぎは王子の相手の候補者。
下手に手を出せない。
どうやって、手に入れるか、慎重に考えなければ……。
そんなことを考えながら、酒を飲んでいると、中庭に人影が見えた。
こんな夜更けに、散歩をする奴などいないだろう。
怪しく感じた俺は剣を片手に中庭に向かう。
中庭に着き、当たりを見回す……。
そこには、俺の愛するうさぎがいた。
うさぎは月の光を受け、淡いピンクの髪や白い肌が輝いている。
そして、草花に笑顔を向けている。
その姿はまるで、月の妖精のよう。
あまりの美しさに言葉を失い、その場に立ち尽くしてしまった。
ーーーーガサッ。
草のこすれる音がうさぎの奥から聞こえた。
うさぎは身を固くし、音の聞こえた方を見る。
「…王子…。なぜここに?」
そこには、現在、相手募集中の王子が立っていた。
読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m
第8話は、4月25日(月)14時頃に投稿予定です。
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犬飼 蘭