第6話 うさぎの行動力(うさぎside)
気が付くと寝てしまっていた。
(アムール様に呆られてしまったかしら…?)
本当は、ずっと部屋に引きこもっていたいが、そうはいかない。
家の名前を背負ってここに来ているのだから…。
そろそろ、夜会にもどらなくては……。
夜会に戻ったはいいものの……
王子を囲んで令嬢たちがキャッキャしている……。
あの雰囲気は苦手で、近くに行きたくない。
アムール様の隣は…なんだか落ち着く。
私は夜会に戻ってから、アムール様の隣にいる。
(迷惑になってなければいいのだけれど……。早く夜会が終わればいいのに……。)
そんな事を考えていると、
ーーーキャッ!
小さな悲鳴が聞こえた。
「っ……!?」
驚いて、叫びそうになるのをなんとか堪えることができた。
(夜会は心臓に悪い……。)
そのまま、アムール様の横で過ごし、なんとか今日の夜会を終えた。
(私はまだ結婚も考えてないし、王妃様にもなりたくない…。)
今日から王子の相手が決まるまでは、この王宮で過ごすことになっている。
しかも、泊まりで。
(家のベッドでゆっくり休みたいのに……。しかも、一人では寝れない……。お父様…お兄様……。)
だんだんと寂しくなってくる。
明かりをつけたままは寝れないし、侍女たちも連れて来れず一人……。
寝れない…。
部屋に戻り、ベッドに入ってみたが、寝れない。
疲れているから、寝れると思ったけど……ダメね………。
(折角の王宮だし……少しお散歩でもしようかしら…?中庭が素敵だったし……。そしたらきっと、寝れるわよね……?)
普段、うさぎ令嬢だなんて呼ばれているけど、行動力はある。
ただ、人が苦手なだけ。信用した、懐いた人には甘えてしまう。
素敵な中庭の夜の姿も見たい。
そう考え、支度をして、部屋を出た。
まずは、読んで下さりありがとうございますm(_ _)m
次話の第7話は、4月24日(日) 14時頃に投稿します。
犬飼 蘭