第21話 告白(白虎side)
うさきに想いを伝えるべく、うさぎの元へ急ぐ。
馬を走らせ、フルール家に着くと、庭にうさぎがいた。
うさぎは花を見ながら、悲しそうな顔をしている。
そんな顔でなく、笑顔が見たい。
馬の足音で気が付いたのか、うさぎがこちらを向く。
俺を見て、花のような笑顔になったかと思えば、悲しそうな顔になる。
(俺を見て、笑顔になったのか?それとも、偶然笑顔になったのか?)
馬から降り、うさぎに近づく。
「こんにちは。フルール嬢。」
「ごきげんよう。アムール様。今日はどうされたのですか?」
(ここまで来たのだ。はっきり伝えよう。うさぎが好きだと。)
「今日は貴女に伝えたいことがあって来ました。俺は…貴女に惹かれています。貴女を傍で守りたい。俺は、プリーシュ・フルール、貴女を愛しています。」
「まぁ……。……私も…アムール様が好き…です…。」
俺の告白に瞳を大きくし、頬を赤く染めながら、答えてくれた。
うさぎも俺が好きだと言ってくれた。
ーーギュッ…
嬉しさのあまり、うさぎを抱きしめてしまった。
「あ……あの……アムール様…?」
うさぎが俺の腕の中で困惑した声をあげる。
「愛しいうさぎ。もう少しだけ、このままで……」
耳元で囁くと、うさぎは遠慮がちに俺の背中に腕をまわしてきた。
そのままでいたかったが、ずっと抱き合っているわけにもいかず離れる。
「…フルール伯爵はいるか?」
「お父様?いますけど……」
「会って話がしたいのだが……」
「わかりました。では、こちらへ…」
うさぎの後について歩き、応接室に行く。
応接室に着き、暫く待っていると、うさぎと伯爵が入ってきた。
「突然の訪問、失礼します。」
「構わんよ。それで、話とは?」
「率直に言わせて頂きます。俺とフルール嬢の結婚を認めて頂きたいのです。」
「結婚…?」
「はい。俺はフルール嬢を愛しています。結婚相手はフルール嬢しか考えられないのです。」
「そうか…アムール殿には二回もプリーシュを助けてもらっている。結婚してからも、プリーシュを守ってくれると思う。が、プリーシュの気持ちはどうだ?私はプリーシュの幸せを願っている。」
「あの……お父様?私が二回もアムール様に助けてられたというのは……?」
「あぁ、そうだよ。お前が幼い頃、湖でお前を助けてくれた青年がアムール殿だ。」
「そうなんですの?私は二回もアムール様に助けられていたのね…。」
「それで、お前の気持ちは?」
「私は……私も…結婚するのなら、アムール様がいい。」
「そうか…。お前が望むのなら、いいだろう。アムール殿、プリーシュを娘を頼みます。」
「はい。この俺の命に代えても守ります。」
フルール伯爵からの許可も得て、俺はうさぎと結婚する。
この、血に塗れた手で愛しいうさぎを守れるのなら、何だってしよう。
読んで下さりありがとうございます<(_ _)>
「白虎将軍とうさぎ令嬢」てすが、次話の第22話で完結となります。
あともう1話だけお付き合い下さい<(_ _)>
最終話の第22話は5月10日(火)10時頃投稿する予定です(・∀・)
犬飼 蘭




