第20話 国王陛下(白虎side)
うさぎを抱きかかえ、王宮へ向かう。
あの場にいた男たちは人攫いだったため、そのまま牢屋にぶち込んだ。
王宮に戻ると、騒ぎになっていたため、王子と国王陛下、令嬢たちなどの多くの人がいた。
その中には華の令嬢もいる。
この騒ぎの首謀者が…。
部下に伝え、華の令嬢も捕まえる。
「あぁ、俺の令嬢をどこへ連れて行くつもりだ!」
「こやつが今回の首謀者です。牢屋に連れて行きます。」
「俺の令嬢を捕らえるなど…無礼にもほどがある!」
王子が華の令嬢を捕らえことに反対する。
「いい加減にせんか!此度の責任はお主にもあるのたぞ!お主が気になるという令嬢を集めてはやったが……全員囲うつもりだったな?王子だからと甘やかしすぎた。お主の結婚相手は我が決める。」
「そんなっ!親父、俺が悪かったから、許してくれ!」
「駄目だ。そちらの令嬢にも、きちんとした対応をとってもらう。フルール令嬢には、悪かった。危険な目に合わせてしまった。」
俺が王子に反抗する前に、国王陛下が王子を叱りつけた。
「そんな気にならさないで下さい。アムール様が助けて下さいましたので……。」
いつの間にか、目を覚ましたうさぎが赤くなりながら答える。
意味がわらず首を傾げていると、
「この国一番の恐れられている白虎でもうさぎには適わんか。はっはっはっ。」
国王陛下はそう言って、豪快に笑いながら去っていった。
翌日、うさぎは兄の迎えで帰って行った。
そして、俺は国王陛下に呼ばれ、謁見の間にいる。
「のう、白虎?お主には助けられたわ。あのフルール令嬢を助けてなければ、国民からの国の信頼度が下がっていただろう。フルール家は特にな……。あの事もあるしな……。」
「?あのこととは…?」
「なんだ、覚えとらんのか?確か…10年くらい前だったかの?湖に遊びに来ていた母子が人攫いと遭遇し、母親は殺されたが、娘をお主が助けたじゃろ?」
「あの後に来た、父親と兄に、なんでもっと早く来て妻を助けなかった!?と言われ殴られましたけどね。」
「そうだったのか?いや、そうじゃなくてだな…その家族がフルール家なのじゃ。」
「はぁ……?」
「お主には、二回も助けられたわい。じゃから、我はお主を応援しとるぞ?」
「国王陛下……俺はフルール嬢
を愛しています。失礼ではありますが、認めて頂けないてしょうか。」
「言ったじゃろ?お主を応援しとると。早くフルール嬢のとこに行ってやれ。」
「ありがとうございます。」
国王陛下の許しを得れば、後はうさぎに想いを伝えるだけだ。
はやる気持ちを抑え、うさぎの元に急ぐ。
読んで下さりありがとうございます<(_ _)>
だんだんとラストが近づいてきました。
後少し頑張りたいと思います。
第21話は5月9日(月)10時頃投稿する予定です♪
犬飼 蘭




