第17話 うさぎの恐怖2(うさぎside)
庭師に連れられ、歩いていると、王宮の片隅にあるだろう小屋に着いた。
ーーードンッ!
庭師に背中を押され、中に入る。
庭師も中に入り、私の手足を縛り、猿轡まで噛ませる。
ここまで終えると、庭師は外に出た。
そして……
ーーーバタンッ!……ガチャッ!
扉を閉め、外から鍵をかけた。
「そこで大人しくしていろ。暫くしたら迎えが来るからな。」
扉の向こうから、男は冷たく言い放つ。
男の声が聞こえなくなり、足音も遠退いていく。
辺りは静まり返り、私の泣き声だけが響く。
暫くして、人の足音が聞こえ、誰かが助けに来てくれたのかと期待する。
ーーーガチャッ…。
扉を開けた人は、逆光で誰かわからない。複数の男が太陽の光を背に立っている。
ーーバタンッ!
男たちが中に入り、扉を閉める。
逆光でなくなり、男たちの顔が見えたが、知っている顔はない。
服装も、騎士や執事などの王宮勤めの人が着るような服は身につけていない。
「なぁ、このうさぎを売り飛ばす前に、味見してもいいよな?」
「こんな可愛い奴はなかなか相手してくれねぇもんな♪」
男たちによって、私のドレスが破られる。
「綺麗な肌だぜ。」
「手に吸い尽く。」
恐怖で声が出ない。
涙を流しながら、イヤイヤと首を振ることしかできない。
(怖い…。お父様…お兄様……。いや……。助けて…!……アムール様…!)
男の手が素肌に触れ、嫌な記憶を思い出す。
男嫌いになった原因の記憶。
お母様を失った幼いころの記憶。
読んで下さりありがとうございます<(_ _)>
今回のお話は少し短めですので、本日5月6日(金)14時頃に第18話を投稿します♪
犬飼 蘭




