第16話 うさぎの恐怖(うさぎside)
あの不思議なお茶会から、不思議な事がよく起こるようになった。
お茶会の開始時間が他の令嬢と違うように伝わっていたり、紅茶がしょっぱかったり、お菓子が辛かったり、酸っぱかったり…何度も転んだり……
不思議な事ばかり起こる。
アムール様の傍にいるために頑張ると決めたばかりなのに、心が折れそうになる。
今日はお茶会の予定もなかったため、王宮の庭を散歩することにした。
元々、草花が好きなため、散歩は好き。
庭を散歩していると、辺りには騎士や庭師など男の人がいて落ち着かない。
もう少し花を見てから部屋に戻ろうとしていると、若い庭師に声をかけられた。
「あの…花がお好きなんですか?よかったら、俺…じゃない…えっと……私に案内させてくれないでしょうか?」
「…えっと……ありがとうございますわ。折角の申し出ですけれど、そろそろ部屋に戻りますの。」
「……特別な花を見てからでもいいじゃないですか。こちらにあるんです。」
そう言って、その庭師は私腕を掴んで、人影のあまりない方へと連れて行く。
苦手な男性に腕を掴まれ、鳥肌がたつ。
「こちらです。」
「いや!放して下さい!」
「うるさい。痛い思いをしたくなかったら、黙ってついて来い。」
急に男の様子が変わった。
冷たい雰囲気。
男は私を掴んでいる腕に力を込める。
恐怖で声が出ない…。
怖い……。
男は私が黙ると、込めていた力を緩める。
が、私が逃げれないようにしている。
(私はこれからどうなるの?)
怖くなり、涙が滲む。
今回は間違えずに投稿できているはず…!
前回は、予告していた時間に投稿できずすみませんでした!
こんな、私ですがもう少しお付き合い頂けると嬉しいです。
第17話は5月6日(金)10時に投稿予定です♪
犬飼 蘭




