第1話 嫌いな夜会で(うさぎside)
(はぁ、夜会は嫌なのに……)
私は今、夜会に参加している。
が、部屋の片隅にいる。
今日は、この国の王子様の結婚相手を見つけるための夜会で、貴族の令嬢は必ず参加である。
(はぁ、お父様の面子の為にいるだけだから、早く帰りたい……)
人混みが苦手な私。
王子様の結婚相手になんてなりたくない。
だって、お妃様になったら大勢の前に出なくてはいけないでしょ?
そんなのは、嫌。
私はひっそりと暮らしたいの。
そんな私だから、夜会になんて滅多に参加しない。
そのため、うさぎ令嬢なんて呼ばれることになってしまった。
人見知りをするうさぎのようだ。って…。
部屋の片隅で考えていたら、突然、この夜会に集まった令嬢たちが、ざわめきだした。
どうやら、王子様が来たようだ。
集まった令嬢が一人ずつ挨拶をしていく。
「初めまして。オワゾ・フルール伯爵の娘、プリーシュ・フルールにございます。」
「うさぎ令嬢と名高い君に会えて、嬉しい。うさぎのように、可愛らしい。」
「勿体なきお言葉、ありがとうございます。」
挨拶を終え、再び部屋の片隅に戻る。
やはり、人混みは嫌い。
集まっている令嬢たちは、妃の座を狙い、王子様に気に入ってもらえるように必死で、着飾っている。
しかし、着飾っている令嬢たちの香水がきつい。
匂いが混ざる。
空気が悪い。
(…気持ち悪い……)
人混みが嫌いで、極度の緊張があるのに加え、私に香水が追い討ちをかける。
慣れないお酒を飲んだせいもあるだろう。
お手洗いに行こうとした所で私の記憶は途切れた。
こんにちは♪
この作品を読んでくださり、ありがとうございますm(_ _)m
騎士(将軍)と令嬢の甘々ストーリーを書きたくなったので、書いてみました。
今回はうさぎ目線でしたが、次回は白虎目線のお話にしようと思っています。
甘々ストーリーになるまでは、時間がかかってしまいますが、お付き合い頂けると嬉しいです。
犬飼 蘭