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FILE01/レインコートの男

彼はネロ・ウィリアムズ23歳。最近サウスゲイツアパートの501号室に引っ越してきた住人だ。家賃の安さに惹かれ越して来たとのことだ。昔、人が殺されたとか?!....。管理人に聞いてみたが、詳しくは教えてくれなかった。

彼が自室に戻るとポストに赤黒い血の付いた日記が入っていた。一体誰が?最初のPageには


15.May.07

三日前の事件だ。

深夜に近くの公園で30代の男性が撲殺されたらしい。体には無数の打撲傷があり、ショック死の可能性が高.........


日付が最近だ。確か今日は5月31日.....妙だな数週間前にそんな事件は起きてないはずなのに...

とりあえず続きを読むことにした。最後まで読んだが、日記は5月25日以降Pageが切り取られていて読めなかった。確かに5年前に、この日記に書いてあるウォルス事件はあったが、ウォルス・ベイ・ブラッドという人物が存在したかどうかは定かではない。このウォルス事件は、あまりに奇妙だったため警察内ではタブーに成る程怖れられている。この事件に興味を持ったネロは過去の事例を調べていく事にした。過去の事例について調べていくうちに、犯人が独房内で何物かに殺害され死亡している事がわかった。自殺ではなく殺害された?一体誰が???!謎は深まるばかりだ。真相を確かめにネロはその刑務所へと向かった。刑務所は廃れていて、今は廃墟と化していた。

中は昼間でも光が入らない程暗く懐中電灯にて、ウォルス事件の犯人の独房を探す。しばらく歩いていると、赤い血痕が天井からポタポタと落ちてきた。上を見るのが怖かった。誰もいないはずの刑務所の天井から血が落ちてくる事などありえない。そのままその場を去ったネロは刑務所から抜け出す事が出来なくなってしまうのだった.....。

大広間みたいな所に一人の男が立っていた。彼はネロに゛次はお前だ゛とつぶやくと、手に持っていた鉈を振り回しネロに襲い掛かる。ネロは刑務所の出口へと走った。間違いなく鉈を持った男はウォルス事件の犯人ウォルス・ベイ・ブラッドだ。奴は何故生きてる!?死んだはずじゃ.......

そしてネロはある事に気付く。出口がない...

死にたくない......


背後にはウォルスが迫っていた。

ウォルスは鉈を振り上げネロの右肩に勢いよく振り下ろした........




気がつくと刑務所の独房内にいた。血は出てない。さっきのは夢だったのか、それともウォルスの霊?とりあえずこんな気味の悪い所から早く脱出しなくては.....

気がつくと独房内に血の付いた紙の切れ端が落ちていた。紙の切れ端にはあの日記の続きが書いてあった。


29.May.02

ウォルス事件の犯人ウォルス・ベイ・ブラッドが捕まったらしい。残念だ......あと少し楽しみたかった...なんて様だ。刑務所とはこんな汚い場所なのか....

あっさりばれてしまうとは......

ルーナを刺した時にしくじったせいだ、顔を見られてしまった。ルーナの奴殺しておけばよかったと今思うよ。それにしても第三者のふりは意外に疲れる。初めは遊び半分で、自分が犯した罪をただ第三者のように日記に書いていた。そのうち毎日が楽しみになり、ウォルス・ベイ・ブラッドという二重人格さえ作り出した......

日記に出てくるレインコートの男は、昔雨が振る日ばかりを狙って18人も人を殺した猟奇殺人鬼だ。

この猟奇殺人鬼の復活を想像させるかのように、俺はレインコートを着て殺戮を行った。レインコートと聞くだけで周りの奴らは驚き、殺害をする上でこのうえない快感を得た。また、この刑務所にはある噂が絶えない。夜中、監視が警備をしているとレインコートの男が徘徊している姿を見かけたという。彼の執念だろうか?同じ殺人鬼として一度会ってみたい。


ウォルス・ベイ・ブラッドの正体は血の付いた日記の持ち主アレックスだった。彼は異常だ。自分で自分の犯行を日記に書き留め、ゲーム感覚で人を殺していた最悪な殺人鬼だ。しかし、最期は一体誰に殺されたのだろう?また日記の日付が何故つい最近なのか?まだ紙の切れ端に続きがある、読んでみよう。


X.May.02

日付を忘れたのでXと表記しよう。明日はこの俺に罪の裁きが下る日、つまり死刑だ。明日が楽しみで深夜だというのに眠れない。やばい、足音がする!監視に気付かれたか....



足音が止んだ。安心して回りを見渡すと、目の前にレインコートの男が立っていた。レインコートの男は゛次はお前だ゛と言い、鉈で独房の鍵を壊し入って..........


お前は........


結局日記はここで終わっていて誰に殺されたのかわからないままだ。



家に帰ると、ポストに血の付いた紙の切れ端が入っていた


X.May.02

ルーナは父親が何年か前に行方不明になっていて、母親もいない。あんな広い家に一人で住んでいるなんて、寂しくないのだろうか。だからこそ、彼女は普段明るいのかも知れないが......

ルーナは元々ここの住民ではなく、遠い所から引越して来たらしい。

そういえばルーナの家に行った時、ある部屋だけには入れてくれなかった。不思議に思ったが、ルーナがあまりにしつこいのでその部屋には入らなかった。

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