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過去の苦しみ

「あたし…好きな人ができたの」


泣きながらの電話からの言葉。


その言葉を、何度…聞いたことだろう。


その癖…。


「あたしが…どれくらい好きか…わかってない」


その言葉も何度も…聞いた。


年上だった…初めての相手だった。



僕を嫉妬させる為に言ってるのかと、最初は思ったけど…。


違った。


今度の相手は、彼女の亡くなった彼氏に似ていた。


彼女の家に遊びに行った時…まるで、僕を拒むように…あった何枚もの写真。




「だから…別れて…」



彼女の言葉を、最初は拒んだけど…僕は、最後は…受け入れた。


もう…その男と、二人きりで会っていたし、写真を思い出し…僕は身を引いた。



だけど…その数日後、彼女からの電話。


「別れたから…冷たくするの?」



また僕らは会った。


そのまま二日間…彼女の家に泊まった。


その時も、彼女に男から電話はあった。


少し離れた所で、楽しそうに笑う彼女…いや、もう彼女じゃないか…。


嫉妬と遣る瀬なさで…ぼろぼろになった僕は、彼女と離れる決意をした。


完全に離れるまで、2ヶ月はかかったけど…。




別れた後…彼女の友人からきいた。


彼女は、男性依存性なのだと。


本当は、死んだ彼氏の前に、旦那がいたのだ。



旦那の暴力のせいで、別れたが…子供もいるらしい。


普段は、実家に預けながら、彼女は働いていたのだ。


その事実に愕然とした。


高校生になったばかりの僕と、年上の彼女…。


世界は、あまりにも違った。


彼女はよく言っていた。


「たっちゃんは…本当は、もっと若くて…綺麗な女の子と付き合った方がいい…」



「たっちゃんといると…しんどいよ…つらい…」



また数ヶ月後…。


あれから、彼女は…彼氏に似ていた男とも別れ、


それから、二人目の男と結婚すると…知らされた。



僕は悩んだ。


僕の何が…いけなかったのか。


彼女の望むことは、すべてやってあげた。


そりゃあ…学生だから、できることはしれているが…


彼女は僕のすべてだった。


初めての人だから…。



あれから、一年が過ぎた。


彼女と出会った時…15歳の終わり頃だった僕は、16歳もあと少しで終わる。


彼女が…もう結婚したのかは、知らない。


彼女の友人とも、会わなくなったから…。


だけど、まだ…心の傷だけが癒えてない。


そんな日々に…僕はあの人と出会った。




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