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06


 ルスイさん、訥々と語ってくれました。



 以前は冒険者だったルスイさん。


 竜人と狼系獣人のハーフであることを存分に活かして、


 冒険者デビュー当初からブイブイ言わせてたそうです。


 

 竜人族ならではの全てにおいて卓越した基盤能力。


 それをさらに底上げする狼系獣人特有の超絶身体能力。


 もちろん、その才能を磨く修練も欠かさずに。



 基本はソロで。


 何せ、同じ初心者同士では全く釣り合いが取れず、


 ギンギンに尖っている若手では、ベテラン勢との折り合いも悪かった。



 決して、能力を鼻にかけてのならず者ムーブでは無く、


 溢れんばかりの才能をただただ持て余していたって感じだったようですね。



 あっちで魔物狩り、そっちで野盗狩りってな感じの無頼旅、


 いつしか流れ着いたのが、このコレイカダンジョン。


 当時のコレイカは、今よりも遥かに混沌とした状況だったとか。




 魔族領成立以前から知られていた由緒正しい古代遺跡型ダンジョン"コレイカ"


 一攫千金狙いの冒険者たち、


 訓練の場に最適と部隊で乗り込んでくる騎士さまたち、


 賑わい目当ての商人たち、


 それらがカオスし過ぎるのを抑制している管理組織。



 そんな感じで賑わいと秩序のバランスがいい感じに保たれている、


 それが今のコレイカですが、


 以前はもっと騒然としていたそうです。



 ルスイさんが流れ着いたのは、今の秩序がもたらされる前、


 コレイカの混沌平定の端境期。




 ---




 大昔のコレイカは、


 ダンジョンの旨味に群がる連中が入り乱れる無法な溜まり場そのもの。


 実力者が好き勝手やらかし、


 それをさらなるツワモノがブッ潰すという修羅たちの楽園。



 そんなヒャッハーパラダイスなコレイカでしたが、


 いかに腕っぷし自慢な荒くれ者たちとはいえ、


 トップ目指してお互い潰し合うだけってわけにはいかなかった。



 気の合う者同士とか、利害が一致した者同士とか、


 出る杭は打たれたり引き抜きされたりとか、


 そんな感じでいつしか、個人戦からチーム戦が主流に。


 時代はソロ活野郎無双状態から、グループによる覇権争いへ。



 ただ、一時的に覇権を取れても、それを維持することこそ難しい。


 そんなコレイカ流群雄割拠な状況がデフォルトとなり、


 突出した統治者による永きに渡る平定とは無縁の時代が続く。




 そんなコレイカにひょっこり現れたルスイさん、


 言っちゃ何だが、まさに水を得た魚。



 右を見れば、腕自慢たちが真っ昼間からケンカ三昧。


 左を見れば、荒事グループ同士の小競り合いやら大競り合いやら。


 下に潜れば、噂の高難度ダンジョン。



 ルスイさん、コレイカの熱い熱気に当てられながら、思う存分大活躍、


 ってか大暴れ。



 チーム戦主流となっていたコレイカでもひときわ目立つ、


 無双猛者なソロ冒険者筆頭として、その名を轟かすように。



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