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05


 何やかんやありましたが、いよいよ本腰入れてのダンジョン攻略です。


 アレなトラブル防止のため、ルスイさんも一緒に潜ってくれております。



 これまでダンジョン内で俺たちを遠巻きしていた連中も、


 ルスイさんがひと睨みすればそそくさと退散。


 本当に頼りになるのですよ、このコワモテ紳士さん。



 俺が睨んだ時なんて、めっちゃ嫌そうな顔で睨み返されたのに……




 ---




 ルスイさん、基本的には俺たちの攻略の付き添いポジションですので、


 積極的に魔物と戦ったりはしません。



 手を出すのは今みたいな場合のみ。


 リルシェさんに直接ちょっかい出してきたやんちゃ野郎どもを、


 実力行使で処理してくれる時くらいですね。



 こういう状況で俺たちまで手を出すのはNG。


 バーリスク組の看板背負ってるルスイさんに、


 まるっと全てお任せするのが賢いやり方なのだとか。


 こてんぱんにされた連中の引き取り手配もお任せ出来ますし。



 それにしてもホント強いよね、ルスイさん。


 ほら、見てくださいよ、あれ。


 そりゃあもうご丁寧に、あんなことやそんなことまで。



 あいつら、冒険者は引退するだろうな……




「……」



 どうしました、リルシェさん。


 何やらご不満そうなお顔ですが。



「あのようにルスイさんのご尽力は大変にありがたいのですが」

「最近全く腱切りの機会が無くて、欲求不満な我が愛刀たちが毎晩夜泣きしているのです……」



 えーと、それってリルシェさんご本人の欲求不満では。



「断じて違いますっ、チームモノカは平和を愛する乙女たちの集いっ」

「決して荒事大好きっ娘たちの溜まり場などではないのです!」



 でしたら、アレな迷惑野郎どもの始末は今みたいにルスイさんにお任せして、


 俺たちはダンジョンの魔物たちに欲求不満をぶつけることに専念しましょ。



「むう、ウェイトさんが容赦無い正論口撃を」

「何だかやけに悔しいので、今日の私のノルマは魔物千匹切りですよっ」

「いざっ、尋常に勝負!」



 いや、この階の魔物を全滅させても無理でしょ、千匹切り。




「……俺、お邪魔でしょうか」

「何でしたら、組の方に相談して若い衆と代わってもらいますが」



 いえいえ、ルスイさんはうちのパーティーに必要な人ですからっ。


 リルシェさんも、わがまま言っちゃ駄目ですよ。


 今の俺たちは一蓮托生なダンジョン野郎Aチーム、


 このまま3人仲良く手を取り合って、目指せコレイカ最深部!




「最深部、ですか……」



 おや?


 ルスイさんの様子が……




 ---




 何だか気になりますので、ちょいと休憩タイムなど。


 このコレイカダンジョン、最深部は未だ踏破されておりませんが、


 この第二層程度の浅い階層なら、がっつり攻略済み。



 冒険者ギルド出張所で配布されているダンジョンマップには、


 休憩にオススメな安全地帯情報なんかもばっちり記載済み。



 ってことで、まずは小休憩を。



 ルスイさんを曇らせている要因、


 俺みたいな人間関係こじらせ野郎にどうこう出来るか分からんけど、


 臨時とはいえ大切なパーティーメンバーですもん、


 やれるだけのことはやりますとも。




 ---




 ……やられた。



 何ですか、ルスイさん。


 強くてイケメンで料理上手だなんて、


 そんな不平等な格差社会っぷり、


 世の男性冒険者が泡吹いてひっくり返っちゃいますって。



 ってかマジ美味いですね、この手作りお菓子。


 失礼してもう一個。



 ぴしりっ



 痛っ、


 ちょっと、リルシェさんっ、


 いきなり攻撃しないでっ。



「パーティーだからこその、守るべきルールがあるのですっ」

「ウェイトさんは自分の分をとっくに完食済みですよっ」

「ルスイさんの分にまで伸びちゃうような悪いお手々は、このリルシェが電光石火でお仕置きです!」



 ……すみません、ルスイさん。


 もしよろしければ、パーティーの平穏な食生活のためにも、


 食欲不振の理由を教えてもらえれば……



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