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「……何だかリアクションがおとなし過ぎて、お姉さん、ちょっと残念」

「もっと驚いてくれないと、せっかくここまで来た甲斐がないの……」



 あー、申し訳ないです。


 でも、俺だけじゃなくて、リルシェさんもきょとん顔ですし、


 ルスイさんはずっと固まったままですし、


 正直、事の重大性がピンと来なくて……




 ---




 コレイカダンジョン。


 大昔、リヴァイス大陸中で巻き起こった人族と他の種族との大戦、


 そのはるか以前から存在が確認されていた由緒正しい古代遺跡型ダンジョン。



 実は、この手の超古いダンジョンの極一部は、


"超位ダンジョン"という別格な存在なのだそうです。


 ダンジョン管理人さんたちでも、うかつに手が出せないほどの。




「えーとですね、平たく言いますと、第七層は永久に攻略不可能かもってことです」

「通常、私たち管理人が運営管理しているダンジョンは、どんなに高難易度でも必ず完全攻略への道筋が用意されているものなの」

「だって、クリア出来ないゲームなんてつまらないですし、そんなのに挑んで冒険者さんたちがレミングしちゃうのは見ていられないですし」



 つまり、コレイカ第七層は何が起こるか誰にも分からんびっくり箱状態なので、


 真面目なやり方、通常の手順通りにやっても攻略するのは不可能ってことです?



「正確には、クリアへの道筋が分からない、なのかな」

「明日にでも第七層の最下層に行けちゃうかもしれないし、もしかしたら永遠に到達不能かも」

「誰にも管理されていない"ノラダンジョン"なので、この先のことは誰にも分からないってことです」

「いかに冒険者さんたちが未知の冒険を求めているって言っても、解法不明の難題に命を懸けるのはおかしいでしょ」

「ということで皆さんには、コレイカ第七層の危険性を世の中に周知してもらいたいの」

「モノカさんのお知り合いなら、私たちのダンジョン管理の件は内緒のままで、冒険者さんたちへの注意事項の拡散に協力してもらえるかなって」




 ありがとうございます、ミルルシュモさん。


 その優しさに、冒険者代表としてお礼を言わせてください。


 えーと、俺なんかが代表ヅラしちゃいかんとは思いますが。



 でも、これってどうなんだろ。


 もちろんこの件を世界中に注意喚起するのは絶対に必要だと思います。



 ただ、俺のような木端端くれ冒険者が言うのも何ですが、


 これまでのコレイカ第七層攻略の毎日って、


 すっごくしんどかったですが、それと同時にめっちゃ楽しかったです。



 きっと注意事項が周知された後でも、


 第七層を攻略したがる冒険者は後を絶たないと思いますよ。



 ミルルシュモさんにはこれからもご心配かけちゃうかも知れませんが、


 ほら、冒険者って大好きでしょ、あの魔法の言葉、



"自己責任"



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