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(四)-3(了)

 そうして船はゆっくりと函館駅を離れていった。そして駅がどんどん小さくなっていった。まるで駅で彼を見送ったあの日のことを見ているみたいな気がした。駅の姿が小さくなればなるほど、彼との距離がどんどん離れていってしまっているということを目で教えられている気分になった。

 やがて船のスピーカーから、デッキ部分が封鎖になるので、客室内に入るように促された。

 足元ではすでに、雪がどんどん降り積もっていた。彼に対する私の不安がどんどん募るのと同じように。

 私は客室に入った。中は暖かかった。こわばっていた体と心が少し和らいだ気がした。うん、大丈夫、きっと彼は無事だよ。そう言われている気がした。

 その希望を胸に、私は津軽海峡を渡った。


(了)

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