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(二)-9

 手紙は、郵便局の人が届けてくれたけど、それが実は中学の同級生であった。

 それ気づいたのは、ある夏の土曜日で、畑仕事がお休みのときだった。

「ごめん下さーい」と玄関の方で声が聞こえたので、私が出た。

 そしてその顔を見て、思わず「郡家(こおげ)君?」と声を上げてしまった。

「や、やあ」

 郡家君はそう言うと帽子を目深に被り直して下を向いてしまった。

「なにかあったの?」

「こ、これを」

 郡家君はそういうと、二通の手紙を差し出した。

 私は「ありがとう」と言って受け取った。

 彼は「じゃ」と言って振り返って出て行った。

 私は手紙を見た。一通は農協からの封書だった。きっと商品販売代金について通知だろう。もう一通はおじいちゃん宛で、社会保険庁からの年金通知のはがきだった。

 それにしても、郡家君が郵便局に就職していたとは、三年生のときに同じくクラスだったのに全然知らなかった。


(続く)

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