40日目 ゲーミングPC搭載のLED(1677万色対応)
目が覚めたら、電気を流されていた。
別に、電気椅子で死刑にされる囚人ってわけじゃない。今日の俺の体は、電流を欲している。欲しているというか、もはやたぶんこれ呼吸レベル。逆に、電気流れてこなくなった瞬間に死に……はしないけど、意識は落ちそうな気がする。
今日の俺は、何かしらの電子部品になっているようだ。当然、俺をこんな目に遭わせた神を殴りに行くことなんてできやしない。
さて。目を開ける。
暗い部屋――じゃないか、箱の中だ。ガラスかプラスチックかの透明な窓がひとつあって、その向こうでは人間が蛍光色のキーボードとマウスを操作している。マイクつきのヘッドセットまですぽっとつけて、完全にゲーミングって感じだ。
そして。俺が閉じ込められている箱の中。ぴかぴか光ってます。赤青緑、いろんな色に。こっちも完全にゲーミングって感じ。
しかも、俺に流れてくる電気の濃度? 強さ? が変わるたびに、色が変わってる気がする。
うん。だいたいわかったぞ。
今日の俺、この、光ってるLEDだ。
◆ ◆ ◆
「ほんとにぴかぴか光ってるよ……」
これまではSwitchしか持っていなかったけれど、本格的なPCゲームもやらないかって友達に誘われて、お年玉貯金を崩して買ってしまったゲーミングPC。
それなりのスペックのもので、ゲーミング感あふれるものを選んでみた。本体を机のはじっこに置いて電源オン。
光っていた。
「1677万色対応、だっけ?」
縦長の箱のうち一面が透明なプラスチックになっていて、そこから中のマザーボードの様子が確認できる。LEDが何カ所かについて、僕の顔をカラフルに照らしていた。
「確か……」
設定ユーティリティから、色の変更ができますって書いてあったような。
えーと……これかな?
「おお」
わかりやすい方がいいだろうと思って、緑色だけでべたーって光る設定にしてみる。これがほんとの緑一色、なんちゃって。
「うーん……」
いや。すごいし、テンション上がるんだけど。
上がるんだけど、やっぱり、これを日常的に見るのは鬱陶しい気がする。
「切っちゃお」
設定から、「LEDを光らせない」をクリックして、適用する。
◇ ◇ ◇
あっちょっえっ持ち主くんまっ




