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29日目 枯山水の岩

 目が覚めたら、和風な庭にいた。

 というか俺、ここ知ってるぞ。テレビかなんかで見た。


 細かい石が敷き詰められて、水面の波紋を再現した細かな模様に仕立てられた地面。そこに中くらいの大きさの苔むした岩がぽこぽこと生えている。

 うん。池を使わず、石や砂だけで山と川の風景を表現した庭園――枯山水である。その枯山水を、間近で、いや、ただ中から見ている。色々なところにあるっていうけど、これ、京都のあれじゃないの? 龍安寺? 一番有名なやつ。

 とまあ、今日の俺は枯山水を構成する岩のようで――こんな目に遭わせてくれた神の野郎をぶん殴るのは、今日も難しそうだ。


 さて。


 暇だ。


 開場? 開園? お寺だとどう言うんだ? とにかくオープン時刻になったらしい。客が石庭の横の縁側までやってきて、俺をバックにして写真を撮り始めた。大混雑ではないけれど、客が途切れることもない。さすが京都の観光地である。

 横目で見ていると、縁側を右往左往しては背伸びしたりしゃがんでみたりを繰り返す人がちらほら。あれは「全部の石をいっぺんに視界に捉えることはできない」みたいな都市伝説を検証しているらしい。修学旅行の高校生たちが話してた。結局スマホでググって全部見えちゃうポイントに立って、「んー?」って首をひねってたけど。それでいいのかよ君たち。


 マジで、観光客の話に耳を傾けるしかやることがない。

 会話の途中でやってきてそのまま途中で去っていくから、微妙に不完全燃焼ではあるんだけれど。みんなだいたい「枯山水だー」とか「落ち着くなあ」とか「石の数数えようぜ」とかしか言わないし。


 にしても、龍安寺。京都か。

 こないだも京都だったな。縁があるのか?


 ま、悪い話ではない。京都には古い神社だったり寺が多い。遥か太古からのスピリチュアルパワーの籠もったオブジェクトもたくさんあるだろう。そういうのに転生すれば、ひょっとしたら、神の野郎の頬に手が届くかもしれない。いつか絶対殴ってやるんだ。

 覚えとけよ。

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