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まだ大丈夫はもうダメって意味だったらしい

「もう!いつもまでもここにいるんですの?さっさと次の層へ降りましょう!私を待たせるなんて不敬よ不敬!」

エリン様、あなたは不敬って言葉が好きですね、おかげで怒りが戻ってきましたよ。

「あぁ、そうだな、こいつらの三文芝居見てるなんで無駄だ、行くぞ」

アレン・・・この状況を作ったのはあなたでしょう?もう我慢が出来なかった

「辞めます」

魔石とインゴットをマジックバック(偽)に入れながら僕はつぶやいた

「あぁ?」

アレン、君も あぁ が好きだね、世の中に言葉はたくさんあると言うのに

「辞めます」

もう少し大きな声で言ってみた、アレンなんかと一緒にいたらいつか殺されてしまう、そして僕のスキルの無駄使いだ

こんな奴のために努力するなんてもう嫌だ

僕は言うことは言ったので上への階段に向かうため奥ではなく入口の扉へ向かった

「ふざけんなよ雑用!雑用は俺様が使い潰すためにいるんだよ!Aランクに逆らうなんてありえねぇんだよ!」

僕は心の中でゆっくりと笑った、Aランク?最近なったばかりでなんでなれたかわからないのに?そりゃイリーナもウスリアも優秀だよ?

でも二人だけ優秀でもいいとこBランク止まりだ、アレンとエリン様が足を引っ張らなきゃね?

この国のランク制度はなかなか厳しい、最高峰のSランクは3つだけ、Aは26だ

攻守、魔法、素行、そしてギルドの推薦がないとAにはなれない、Sだと明らかに国の危機を救ったと言う目に見える活躍も必要になる、

こちらは王様が判断するんだ、僕には夢のような話でピンとこないけどね。

「関係ありません、辞める判断は本人にあるはずです」

暫定Aに言われたくない、素行が悪すぎてイリーナやウスリアのおかげでやっとこAなのに!!

僕は心のどこかでアレンを馬鹿にしていたのかもしれない、ギルドのお姉さんたちの話を立ち聞きしたときから、

『本当はアレンさんの素行が悪くてAランク入りはなっかたはずなのにどこかから横槍が入ってAになったらしいのよ』

きっとバートン家だ、エリン様のご実家の力だ、そう思った時から僕の中のアレンは2段も3段も低い処へ落ちていった

エリン様も実力で言ったらDだけど朝はちゃんと来るし言葉はアレだけど挨拶も欠かさないので僕の中でアレンより高い場所にいる

「はん、雑用の一人いないくらいどってことねぇがな、ただそれは置いていけ、ダンジョンの中でいきなり辞めるんだ、詫び料として

そのマジックバックは没収だ!」

君はずっとこのマジックバックを見ていたよね、僕が実はこれうちの村長の宝物だったんだけど旅立ちに餞別としてくれたって言い訳を信じて

ずーーーっとこのマジックバック(偽)を狙っていたよね、でもすんなり渡したら危ないかな

「嫌です、これは僕の私物です、渡せません!」

僕はわざとマジックバックを強く握りしめて見せた

「ざけんなよ!中に入っているのはパーティーの金で買った物ばかりだろうが!おまけに俺様が倒した戦利品だらけ、お前が持って行っていいもんじゃねーんだよ!」

後ろに下がるふりをしたらアレンが手を伸ばしバックをひったくってきた、頼む!今すぐ中を確認しようとしませんように!

「とっとと出ていけ、二度と俺様の前に現れるなよ、そん時はAランクに逆らったってことで切り殺すからな!」

怖いな、Aランクは確かに貴族と同じ扱いらしいけどきょうび貴族だってそんなことする人いないよ?

僕はとぼとぼと歩いて見せ扉から出ていった、イリーナやウスリアの声が聞こえたけどすぐにこの場を立ち去りたかった僕の耳には内容が入ってこなかった、

扉から出て走った、途中ゴブリンの姿を見たような気がしたけどどんどん走った、

「ヤッター!僕は自由だ!もうあいつらの面倒を見なくていいし、無駄に早く行かなくていいし、誰もやらない帳簿管理もしなくていいし理不尽に暴力をふるわれなくていいし!!」

喜びの声で叫んだはずだったのに僕の足は少し重くなった、

(イリーナのご飯がもう一度食べたかったな、ウスリアもいつも困っていると色々教えてくれてたな)

良い処もあったんだ、だけど僕は揉め事は嫌なんだ、僕が起こした揉め事でもないのに最後は責任を取れと言われるのはもう嫌なんだ、

僕は後ろから襲ってきたゴブリンを裏拳で殴りながらため息をついた。



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