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雪月花の物語  作者: 冴條玲
第四章 悪夢の夜
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4-2b. お妃様は見た【花の姫は雪の王子様を叱った】

 頭と体が重く、何かしたい気分ではなかったヴァン・ガーディナは、夕刻まで、ゼルダが事後処理に追われる様子を猫とたわむれながら見ていただけで、何もしなかった。

 ゼルダがそれを許したのだ。出来た弟皇子だなと思う。

 ただ、ゼルダは兄上様を何だか叱った。

 高度な死霊術の乱れ撃ちは術者を死に至らしめることもままあるのだから、二度としないで下さいと――


 ライゼールの港町が砲撃されたことなど久しくなかったので、何をどうしたらと、使者が多岐に渡る用向きを携えて、ひっきりなしに領主館を訪ねて来る一日だった。

 夕刻になって、ゼルダに夕食と湯浴みを指示して職務に復帰したヴァン・ガーディナは、区切りがついたところで、ゼルダの様子を見に立った。なかなか、傍に戻って来ないのだ。


「ゼルダ?」


 ずっと、食事も休憩も取らずに動き回っていたゼルダは、食事をして眠くなったのだろうか、ソファでうたたねしていた。

 職務に当たろうとはした様子で、何かの書簡が手元に落ちていた。

 ヴァン・ガーディナはくすくす笑って、その傍らにかけて、ゼルダの寝顔を指でなぞった。


「おまえ、愚かだな」


 この命を絶ってやろうかなんて、二度とは、言ってやらない。

 ゼルダは薄いブラウスにベストを重ねているだけで、湯上りの肢体はしなやかだった。

 ヴァン・ガーディナは軽くゼルダを抱き起こして、眠り姫のようなゼルダにキスした。


「なんだ、失礼だな?」


 花の姫(ゼルダ)のくせに、雪の王子(ヴァン・ガーディナ)のキスで目を覚まさない。

 起こして抱いてやろうかと思ったけれど、それも可哀相か――

 あどけない寝顔も可愛いけれど、やはり、起きていないとつまらなかった。


 ヴァン・ガーディナは、ふと、扉を閉めていなかったなと思い至った。

ご評価ありがとうございます、嬉しいです✨(∩´∀`)∩

リアル事情で先行連載がストップしていますが、なろう様での連載が追いつく頃には再開できると思います。頑張ります。

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