◆ これまでのお話 ◆ 【挿絵3枚】
カムラ皇帝ハーケンベルクには、優れた皇子が六人。
ところが、皇帝にも民衆にも愛されたアーシャ皇妃を暗殺して皇妃の座についた、その美貌で冬女神と称賛されるゼルシアに、第一皇子アルディナンに続いて第二皇子ザルマークまでもが暗殺されてしまう。
物語の主人公である第五皇子ゼルダは皇妃ゼルシアを糾弾するが、皇帝ハーケンベルクはゼルダの訴えを退けた。
そればかりか、次の皇太子は第三皇子クローヴィンスと第四皇子ヴァン・ガーディナに領地を与えて治めさせ、二年後、よく治めた方に定めると宣言したのだ。
あまつさえ、ゼルシアの皇子であるヴァン・ガーディナに仕えることを強いられたゼルダは強く反発するが――?
【挿絵】N人様
【第一部】 クレールの魔術師
ゼルダが戦地で出会った少女アカンタス。ゼルダに儚い想いを抱き、その命を代償に、少女はゼルダに聖アンナの加護を与えた。
その加護により、ゼルダはクレールの魔術王を討ち、その侵略を退けるも、凱旋前夜、皇太子ザルマークは皇妃ゼルシアに毒殺されてしまったのだった。
【挿絵】pino様
【第二部】 神殿の少女
凱旋したゼルダは、皇太子暗殺の嫌疑をかけられ、父皇帝に黒幕を直訴するが拒絶される。
あまつさえ、皇妃ゼルシアの皇子ヴァン・ガーディナに仕えることを命ぜられ、耐えかねたゼルダは父皇帝に背くことを決意する。
皇帝の意向で滅ぼされるはずだった神殿から、ゼルダはまず、少女シルフィスを連れ去ると、後宮に収めた。
シルフィスを盾にその兄アルベールを手駒とし、神殿が滅ぼされることを阻止するためだったが、ゼルダを両親の仇と信じるシルフィスは、それを苦に聖アンナの生贄に志願してしまう。
しかし、やがて誤解は解け、二人は想いあうようになった。シルフィスは聖アンナの生贄としての魔力を、ゼルダと神殿を救うため、役立てるようになるのだった。
【挿絵】雫月ユカ様
ここまで『ゼルダ伝承』序章~第二章までのダイジェスト版です。
次話から第三章『雪月花の物語』が始まります。