45-2 SS2 愛してるゲーム
本日2/3本目。3本目は18時投稿です。
※「あんたら、付き合う前から何やってんの?」というツッコミ待機中。
和樹は渾身の思いをのせ全力で色気を漂わせ、ゆかりに愛してるゲームを仕掛けた。
が、効果は薄いようで、ゆかりは平然としている。
まったく、どうやったらこのフラグクラッシャーな看板娘に自分を男として意識させることができるのか。
和樹は本気で肩を落とした。
ウキウキと弾む声でゆかりが告げる。
「じゃあ、次は私の番ですね」
和樹を壁の前に立たせ、右手をその端正な顔の横にバンとつける。足の間を割るように膝を入れ、左手でほんの少し顎をクイッと傾け、真剣な表情と強いまなざしででじっと見つめる。
一、二、三……。
フッと表情を緩め、低めの声で一言。
「……愛してる」
「ああぁぁぁ、僕もですぅぅ」
両手で顔を覆って返事する和樹。心なし、頬も耳も赤い。
「……え?」
ぽかんとするゆかり。対照的に溜息をひとつこぼしたマスター。
「和樹くん、いくらなんでも本音が漏れすぎだよ……」
その場に居合わせた常連の皆様には、「男前のゆかりさんと乙女すぎる和樹さん」という印象が深く深く刻まれた。
和樹が男らしく(理想通りに)ゆかりを口説き落とすまでの道のりは、まだまだ険しそうだ。




