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水の精霊その名はシン


門を潜って光の中を進んでいくとタカノは、

知らない間に森の中にいることに気がついた。



ザーーーという

滝の音が聞こえたので、

止まことなく進むとそこには小さな池というべきなのか泉というべきなのかがあるそこに滝が高い壁のような絶壁から流れていた。

御伽話に出てきそうな感じの空間のようにかんじた。



鳥のさえずりと風の音、そして水が落ちていく音が聞こえ心地よくかんじられた。


ふと、水面に自分の写って思わず目を凝らした。

明らかに自分ではない雰囲気をしていたので、顔の面影はあるがパーツは以前よりも整っており、いくらかモテそうな感じになっていたのだ。


髪の毛も軍では丸刈りが基本だったがロングヘアほどに伸びていて綺麗に結ばれてポニーテールになっていたのだ。


身体を触って、着てる服がどこか和服のようなものであることに気がついたことや

一番驚いたのは、



「ヤベー依然よりも、ムキムキになってるっ」



そう、

もともとMMAを趣味でしたいたからゴツく筋肉質ではあったが軍というか国家憲兵隊だけだが不規則生活によって少し太っていたのだが...

依然よりももっとセクシーになっていた。


思わず上着を抜いて、水面に浮かぶ自分を見てこう言った。



「これなら、抱かれたい女ぐらいすぐできそうだなー

よし頑張れ俺」



これなら異世界だけど、十分頑張れる。

これから出会う女....人たちに期待を寄せつつ、どこに向かうべきか考えることにした。

するとその時に


「へくちゅー」


対岸の方から少年のこえでくしゃみをするような声が聞こえた。


タカノは確かめにいくために服を着直し、その声の方へ向かっていった。


するとそこには身体を震わせて、焚き火をしている13歳程度の青い衣見にまとって白い羽衣を首に巻いた少年が三角座りでいた。



「おい、大丈夫か?」



「あ、あああ、平気さ。ちょっとばかり、水に落ちて寒いだけで」



そういながらも歯をカタカタさせて確実に大丈夫そうではないのは見て取れた。

タカノは上着を脱いでそれを少年のにかけた。


驚く少年を見て、疑問に感じたが。

自分の体からじんわりと汗が滲んでいたのに気がついた。



「寒くねーのかよ?」


「ない。暖かいぐらいだ」



タカノはそう肌に感じる外気温の感覚を言うと、少年は目を丸くしてこう言った。



「冬間近にそんなこと言えるってことは、お前...普通じゃないな?」


「そうかな、小学生で半袖半端ってのもいるだろう。俺は暑がりだ」



少年はその言葉を聞いて、表情を変えてタカノをじーっと見つめた。


「そんなにじろじろ見るなよ」


顔立ちは切に整ってて将来はきっと、

アイドルのような美形イケメンになるような気がする。

こいつの姉がいるなら紹介してほしいな...

絶対美人だーーーーー


とかタカノは思ったが、

どこか見覚えのある水色の瞳と髪の毛だなと感じてしまった.....



「お前、転生者か召喚者だな?」


あ、なんとなくわかってきたーーー


タカノはうなづいてそうであることを答えた。

すると少年は立ち上がり、なぜか中2くさそうなポーズをとって名乗り始めた。


「我が名はシン=マーキュリー。水を司る水神の使いである偉大な精霊である。勇者よ!おまちしていたっ!」


シンはそう言って、決まった...とだいぶ小さなこえで言って小さなガッツポーズを決めた。

彼の喜ぶ姿を見ながら、首にかける羽衣に火の粉で当たったのかモクモクと煙を上げ始めた。


「おい、燃えてるぞ!」


タカノはそう言って燃え始めた場所を指差すと、シンは慌てて羽衣外して地面に投げ捨てた。


投げつけた場所が焚火の上だったことはシン自体予想外だったようで



「あぁぁぁぁぁっ!!!」



と悲鳴を上げた。

とっさに火の中にシンは手を伸ばそうとしたが、やはり火の手は強く掴むことは叶わなかった。


火の勢いはさっきよりも強く燃えて、二人を暖かさが包み込んだ。


「神器が燃えるとすげーあたたけぇー.......こりゃ心も体も温まるぜ〜

はは、あははは....」



シンはそう言って、焚き火を眺めながらまた三角座りに戻った。


そして、ふと我に帰ったかのように

燃える焚き火を背にして、シンは両膝と両手を地面について嗚咽しながら鳴き始めた。



「あれ、めちゃくちゃ大切だったのに、ねーと帰れねーよぉ!!ついでに姉貴にも殺されるぅぅぅぅ!」



すごいこえで泣き叫ぶ、シンを見てタカノはどう声をかけていのかわからず、そっと寄り添って肩に手を置いた。


何も言わなかたというよりは、なんて言ったらいいのかよくわからなかったのが本音だった。




ーーしばらくしてーー



落ち着いた、

シンはタカノに色々説明をし始めた。


二人で焚き火を囲んで暖を取りながら。



シンはあの天女イズミの弟らしく、

姉弟で上位の神である水神様にお仕えしている神やら、精霊のような存在らしい。


姉イズミの命令....

というか、姉の逆鱗に触れたそうで罰として下界に下されて(蹴り落とされて)勇者のお手伝いをする様に言われたらしい。



突き落とされた先が先ほどの泉で、溺れながらも岸に上がったが身体が冷え切って暖を取っていたところにタカノが現れたのだ。



先ほど燃やしてしまった、

羽衣はシンが水の精霊として力を発揮するための大切な装備だったらしく、燃えて亡くなってしまった今...

天界に帰れないようになった。



「そこで、もー帰れねーから。仕方がなく姉貴の意図に従わなくてはならなくなっちまったぜ。


タカ兄の貸してくれた上着暖かかったよ。


お礼とはなんだがさ。タカ兄の旅を手伝うよ」



「そうか。そしたら、

道すがらでお前が帰れるように色々と探してみようと思う。これでいいだろ?」



「ああ、よろしくなタカ兄」



こうして、ちょっとダメな子オーラがある水の精霊シンを仲間に加わった。



シンもタカノと同じく、

この世界には来たことがないらしく、詳しい事はあまりわからないらしく、話し合いの結果というよりタカノの独断で

二人は川を下り人がいそうな集落や街を探すこととなった。



「なータカ兄」



「なんだ?」



「俺、兄貴ってのにずっと憧れてたんだ〜」



そう、目からキラキラという音がなりそうなくらい、何か嬉しそうな顔をしてタカノに言った。



「タカ兄はさっきから、薄着で肉体美を晒してるけど寒くないのか....?

ていうか、湯気が出てる」



「え、そうか?」



タカノはそれを確かめるべく、

背景が少し暗い木の葉の方に目を向けた。するとどうやら、真冬に運動した時やサウナ上がりの時のような湯気がモクモクと上がっていた。


そして、

強烈な空腹感が押し寄せてきた。


「タカ兄これ、『高新陳代謝』と『大食漢』ってスキルじゃないかな...

もしかして姉貴から、なんかスキル貰ってる?」


「ああ、身体能力を人間の最大値になってるらしい。それで....」


ふと、イズミの事を思い出してきてあの綺麗で美人な天女を思い浮かべると鼻の下を伸ばしてきたのだった。

ここでは書けないR-18想像をタカノはし始めたのだった。


「うーん、もこっり...」


タカノは呟いて、足を止めた。


「タカ兄...

まさかスキル『性欲の猛者』も貰ってるなんて...


姉貴も変なスキルばっかつけやがってぇ。もっとマシな、『賢者』とか『魔法攻撃半減』とかにすればいいのに....」



シンはそう言って、ため息を吐くと。

タカノは高ぶる感情を抑えきれなくなって、真の横にあった木に渾身の右ストレートを放った。


爆音と共に木は木っ端微塵になり破片が森の中を駆け巡って行った。

そしてものすごい風圧がシンの顔を通り過ぎて行き、思わずシンは硬直して顔を真っ青にした。



「タカ兄。落ち着いて...野郎が野郎に壁ドンって腐女子にしか受けないからぁぁぁ」



「すまない。このスキルやばいだろう....

感情が昂ぶると、色々と押せさえ切れなくなるらしい...

あーやべ腹は減るわ、

女の子とイチャイチャしたくなるわ、言いたいけど言えない。これ18禁じゃねーからお前のねーちゃんと...


いやいや落ち着け、俺ぇーーー!


なんとも嫌なスキルだ」



タカノは自分自身を落ち着けるために深呼吸をした。


とんでもない、スキルである事を知ったタカノはほんのちょっぴり今から始まる冒険に不安を感じた。

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