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異世界で新しい人生。

「はじめまして」


かわいい水色の髪と瞳の天女は笑みを浮かべて、タカノの方に近づいてきて、目の前に立って自己紹介を始めた。



「私はイズミ。水を司る神の使い、精霊という人もいます。まー、水を司る聖なる存在です」



「なるほどな。あの手榴弾で俺死んだのか」



目の前に神様がいることや、さっきいたはずの場所では無いところにいることから考えると

ここは死後の世界なのかと理解してしまう。



「ええ、残念ですが....

ですが、あなたは一人の少女の命を守った勇敢な兵士として讃えられると思います」



悲しそうな顔をする、イズミとは変わってタカノはほっこりと笑みを浮かべた。

そして、対照的にすぐのため息をついた。



「でも、死んだのか〜。結婚もしないままで...あーあーまじか、これから除隊してからぶいぶい言わせて、家の仕事手伝って社長になる予定だったのになぁー」



タカノはそう勢い良く言ってもう一回ため息をついた。

思わず、イズミも苦笑いしている。


「あ、あの....」



「おっと、失礼。でも、あの子は助かったんだな」


ふと命を失ったとしても、あのダイビングヘッドで他人を守れたことは誇りにかんじられてタカノは心を落ち着けられた。



イズミはそれを聞いて安心したかのように息をついて。パチンと指を鳴らした。


するとイズミの後ろにモクモクと雲が発生して、消えると共にテレビのバライティーショーに出てきそうなフリップボードが出現した。

色々文字が書いてるが、転生、天国、地獄、現世残りだとカテゴリーされているのはすぐに見てれた。



「実はこの場所は、三途の川って言われてる場所なんです」


「へーウユニ湖みたいなところなのに。驚きだ」


「川って川と河があるじゃない、こっちの河が実は正解なんですよ。中国の河って対岸見えないですし」


イズミの説明を聞いて、タカノは首を傾げてこう言った。


「おい待て、

その説明だと文章読んでる分にはわかるが、映像作品化された時に困る!」


タカノがそういうとイズミはうーんと人差し指を唇に当てながらなにかを考えるような仕草をして



「それもそうよね。とにかく大きな河だと思ってもらえればいいですわ」


タカノはそれを聞いて、なぜか納得してしてうんうんと頷いていた。



「でねでね。説明を始めますね」


ニコニコするかわいいイズミに見惚れながら。説明に耳を向けた。


「あなたには今からこの四つのルートから次の進路を決めてもらいます....

と言っても、これはまず無いわよね」


と言ってイズミが指差した地獄という欄に赤いバッテンが浮かび上がった。


「閻魔大王の悪趣味なSMプレイをずっと受けるほど、あなた悪趣味じゃ無いでしょ」



「うーんまー。地獄はないな」



「でしょでしょ。それで、これもないでしょう」



というと天国を指差すとまたバッテンが出現した。


「どうしてだよ」


ふと天国と想像するとすごく極楽な感じのイメージがあったが....

イズミは曰く


「とんでもなく、つまらないところで。日向ぼっこして100年単位待って転生できるかどうかあるらしいが、人口爆発で人間に転生できない可能性が大なのよ...

無機物に転生したら嫌でしょ?」


ということで、タカノも同意してしまった。

そこで残されたのは.....



「現世残りか転生か〜」


いまだにフリップはめくられていないが、

二つまで選択肢が絞られてしまった。



「ここだけの話なんだけですけど....

現世に残った時に除霊とか祈祷とかされ消滅しちゃうんですよ」


「え、消滅!?」


「そうよ。

この世界からいなくなっちゃうんですよ。

だから悪いことは言わないから、転生を選んでくださよ」


強く訴えかけるようにパンパンと転生の欄を叩いて力説を始めた。



「実は今、

ある世界が邪悪な魔王によって支配されているのよ。


閻魔大王の悪趣味で始まった戦いなんだけど、神々が管理してる世界がネガティブな感情に溢れてかえり始めてるのよ。


あんたが住んでた世界だって、大不況とか始まってたんちゃう。あれって閻魔のくそ....

閻魔大王が」


「ん?」


タカノは感情的になり始め、イントネーションがなんかずれ始めたのに気がついて首を傾げた。


すると彼女は深くため息をついてぼそりと


この言い方疲れるわ...

と呟いた瞬間次にこう、


「あーもうあかん。もう、ええわ。一応、天女っぽく可愛く喋っよったけど、ゲー吐くぐらいキモいからやーめた」



イズミはそう言って、

フリップをまたバンバンと叩いた。



「せやから、あんたにその世界を救って欲しいんよ!!」


「はぁー....」


いきなり雰囲気に迫力が出た大阪のネーチャンに変わったイズミに押されて思わずタカノは声を漏らした。



「お願いやって。異世界に勇者として転生してその世界を救ってよ」



「うーん。それって...」



ちょっと迫力に押されすぎて、答えるのに迷ってるタカノを見て、イズミは頬を膨らませてこう言った。



「魔王倒したら、その世界で富も名声も何もかも手に入れれる。もちろん、かわいい彼女でも、妻でもなんでも手に入れるわーだから、お願いやって」


タカノはその言葉を聞いて、眉をぴくりと動かした。

何かが反応したように感じたのだ。


「それってオレの未練。叶うんだな」


「そうそう。なんでも叶えてあげる」


タカノは心の中で、ふむふむと感じた。

異世界でハーレム、これは持ってこいだ。

その世界でもなんかかっこいいことやすごいこともできるだろう。と確信できた。



「OK。じゃーやるよ。もちろん人助けはオレの生きがいだからな」



その言葉は嘘ではない。

あの少女を手榴弾から守れたことも誇りに思うし、3年間国家憲兵隊で勤めて人助けをできてどことなくやりがいは感じていた。



「じゃあ、承諾ってことで大丈夫?」



「ああ、俺、頑張ります!」



イズミはその言葉を聞いて、指をパチンと鳴らした。

するとフリップボードは霧になって消えて、イズミの手もとが光に包まれて、そこまで分厚くない冊子が現れた。


「じゃあ、こういう転生系物語定番のチート級のスキルを与えるわ」



「え、やっぱり。そういう流れあるんだ」



「うんうん、あるんよあるんよ。

じゃあー....

あなたが好きだったアメコミのキャラみたいなので....」


イズミはそう言って、冊子をペラペラペラとめくり始めて、あるページで手を止めた。

冊子の表紙には(異世界転生20代の新しい旅への贈り物 スキル編)と書かれていた。



「あった〜これこれ

『人間最高峰の身体能力』

を授けるわ」



タカノはそれを聞いてうんうんと頷いた。


「要はあのアメコミのヒーローみたいな感じ。

好きやろ〜

人間の限界値のパワーとスピードとスタミナってやつやん」

タカノはそれ聞いて頷いた。


「なるほどね、キャップね。

でもせっかくなら俺コウモリ....」



「規定でお金は渡せないんよ」



イズミはそう言って、少し困ったような顔をしてこう言った。


「ただ、スキルの影響で超人的な新陳代謝によって『食欲』と『性欲』が今まで以上にやばくなるから気ぃつけてな〜」


「やばいってどんだけやばいの?」


タカノはそう聞くとイズミは冊子の後ろの方をめくってから、サッと何かを読んだあと。


「とにかく、やばいっぽいわ」


この天女、ノリに乗ると適当だな....

そんなことを思ったが、今から始まる除隊後の思いがけない人生にタカノはワクワクし始めた。



イズミが指を鳴らすと、

イズミの背中にまた雲が現れて、大きな石造りの扉が現れた。


タカノは立ち上がると、イズミは扉を指差して



「おゆきなさい」



「おいおい、そのセリフ言いたいだけだろう」



タカノはそういうと、イズミは頬を膨らませてこう不貞腐れたように言った。



「だって、言いたかったんやもん」


「これ以上やると、著作権とかまずでしょ...

メタは発言はこのくらいで....


新しい人生頑張るよーーー」



タカノはそう言って扉を開けて中へ進んでいった。



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