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移動遊園地失踪事件簿-4 勇敢な三娘とS級冒険者


「へーやる〜ただの亜人の子供だと思ったら、さすがはあの勇者の娘なのね...」



エミリはゆっくりと目を開けると、そこには短剣をエリザベートに突き刺したリンがいた。


メイとマオはエミリの手を握って引っ張り起こそうとしていた。


リンの刺した短剣からはエリザベートの血が滴り落ちてエリザベートの足元に血溜まりを作っていた。

リンは剣を抜いて構える。


「大切な友達を守る!」


「「うん」」


メイとマオはうなずいた。

リンの剣の構えは様になっている。

それもそのはずだ、剣術が得意なミミからかなり剣術を仕込まれているからだ。


エミリは2人の手を借りて立ち上がった。するとあることに気がついたマオがニタニタと笑いながらこう言った。


「あーエミリはお漏らししてる〜大人なのに」


マオはそういうと、メイがこう言った。


「マオ、そんなこと言ってはいけませんわ」


「2人ともありがとう。怖かったんだから仕方がないよ..」


エミリはそう言って、

杖を懐から出して構えた。


それを見たメイとマオは、

猫にように柔らかくし中に飛んで、浮かび上がっていた人形からナイフを奪った。



エリザベートは眉間にシワを寄せて、きりきりと歯を鳴らしていた。


「よくも私のお気に入りの洋服を...許さない...」



剣を構える横にメイとマオも加わった。


「子供が加勢したところで変わりないわ....リン・メイ・マオの三人は大王様が欲しいと言っていたけど...私の大切な物を壊したから許せない....」


エリザベートの後ろから大人の背丈の3倍ぐらいの巨大なクマの人形が現れた。


エリザベートの周りを紫色の光が包み込んで、

風が吹き始める。


「あら、子供だけが加勢したなんで思った?」


そうエミリにとって聞き覚えのある大人な女性の声が聞こえてきた。

リン・メイ・マオは誇らしげにドヤ顔をエリザベートに見せつけた。


エリザベートの足元に赤い色の魔法陣が発生した。

エミリはその魔法陣がに覚えがあって咄嗟にリン・メイ・マオの目の前に防御魔法を展開した。


来る!人類最高峰の火炎魔法これを使えるのは世界にただ1人....


「エミリ。久々ね〜元気にしてた?」


そういう声が聞こえて、

黒いマントに身を包み黒いとんがり帽子をかぶる女性が頭上から空飛ぶ箒に乗って現れてた。

そして箒から飛び降りて、懐から杖を出した。


「契約者の名の下に命ずる。我に仇なう者に地獄の業火を与えよ!出よ!サラマンドラ!!」


その呪文を唱えた瞬間にエリザベートの足元に光る魔法陣から火柱が発生しその中にエリザベートと人形達は閉じ込められるようになった。


エリザベートの断末魔の悲鳴が響き渡った。

とんがり帽子の魔女はくるりと一回転をして杖を振った。

すると炎は消えて灰の山が出来上がった。


「中級魔法は効かなくても....流石に人類最高峰の上位召喚術式には耐性はないわよね?

死んでるなら火葬場以上の炎で燃やすか、そこの天族さんみたいに光魔術を使わないとね」


魔女はそう言って、笑みを浮かべた。杖を振るとキラキラした砂のようなものは中を待ってシンの人形を包み込んだ。

するとシンの声が聞こえてきた。


「あーもーやな夢を見せられてたよ...あれ、リンメイマオじゃん。そんでエミリも?」


魔女はどうやら、人形に変えられていた魔術を解除して行っているようだった。次にタカノとミミの人形がその砂に包まれた。


「わー楽しかったですわ〜タカノ様カッコいい!」


「おい、よせ。周りが見てる!」


そう座り込みタカノに抱きつくようにひっつくミミの2人が現れた。それを見たリンメイマオの三人は手に持っていた武器を投げ捨ててミミと同じようにタカノに抱きついて行った。


家族でギュッと笑顔で抱き合う姿を見た魔女はきていたマントをエミリに渡してこう言った。


「家族っていいわよね、エミリ?」


「あ、ありがとう....お姉ちゃん」


エミリはそっと濡れた服を隠すように姉渡しててきたマントを羽織った。


「あ、ありがとう...助かった」


タカノは抱きついたままの4人をそのまま持ち上げてこう言った。


「はじめましてだな。貴方はもしかして、S級冒険者の漆黒の魔女のアデルか?」


魔女は、

タカノの方を向いてこう言った。


「ええ、いつも妹のエミリがお世話になってますぅ」


ーーーーー


タカノはリン・メイ・マオの三人からエミリと娘自身の活躍を聞きつつ色々な情報を集めはじめた。


危ないので、エミリとミミ、リン・メイ・マオは義禁庁に応援を呼びに行かせるとともに家に帰るようにさせて、

タカノとシン、アデルの三人が残りこのサーカス団についての秘密を共有しはじめた。



アデルはたまたまこのサーカス団の調査をある人物から受けて、内偵を続けて西域よりももっと西にある東ロムルス帝国からやってきていたらしい。

そして、

世界でも数少ないS級冒険者の一人で歳の離れたエミリの姉らしい。


アデルの情報ではこのサーカス団はある強力な黒魔術を使用しているとの事で、

団長のイリシュットが使徒ではないのかと言うところまでは調べがついているらしい。


シンはイズミから

「この世界にいてはいけない者」らしいから調査をしてほしいと指示があっていたらしくその途中でエリザベートに捕まり、人形させていたらしい。


そして、

男だけの会話(ハンドサインを使って)、アデルの身体がエロいことはタカノとシンは同意見だった。


タカノ:(しかし、なぜこのプロポーションの姉なのに妹は残念なんだろうな...?)


シン:(さータカ兄?俺にはわからねーエミリも成長するんじゃね?)


タカノ:(いやいや。なんだかんだで、エミリも20歳超えるぞ...)


うーんとタカノとシン腕を組んで考えたが答えが出なかったので、話題を戻すことにした。



タカノはシンにこう言った。


「謎だな。このサーカス団が魔王軍の手先である可能性もあるんだろうが....イズミが言っているこの世界にいてはならない者ってのも聞きかかる....

魔王はいてはならないってわけではないのか?」


シンは首を振って、

タカノにレンバスを手渡した。


「いいや。天界の規則だと魔王は問題ないんだ。

いたらまずいけど....いてはならないって言えるほどの存在でもないよ。

人間でいう癌細胞みたいなもんだし」


タカノはレンバスの包みを開きながらこう言った。


「そうか....

詳しい天界の都合が聞かないでおく。とりあえず、我々に害をなしてる存在である事は確かだ。

エリザベートがなぜ俺とミミ、シンを殺さないで人形したのかそれは気になるところだ」


アデルはそれを聞いてこう言った、


「そういえば、エリザベートは大王様が欲しがっていたとって言ってたけど何かヒントになりそうかしら?」


シンはそれを聞いて、ハッとして口を塞いだ。


「え、まさか!?」


「え、まさかってなんだよ?」


タカノはレンバスを口に含みながら、そうシンに聞いた。アデルはそんな二人を見て杖を取り出した。


「シーン!連絡が遅かったからおりてきわ。どこで、道草くっとんや」


シンの後ろに現れたのはシンと同じ水色の髪をした綺麗な女性、天女のイズミだった。

シンは後ろからチョークスリーパーを決めていた。


「ねーさんマジで、やめてーっ!極まってる」


シンはそう言って、口から泡を吹き出して気を失いそうになっていた。


「その子を離しなさい」


アデルはイズミに対して、杖を向けたがタカノがスッと近寄って手で押さえた。


「彼女は敵じゃない。大丈夫だ。これはこの姉弟のスキンシップだ」


イズミはそれを聞いて首絞めを話してこう言った。


「そうそう。だから心配しなくて大丈夫!」


シンはゴホンゴホンと咳気味ながら、

姉を睨み付けていた。

そしてこう言った。


「姉さん。聞いて。推測だけど....団長のイリシュットは確かに俺らと同じ天使だと思う。

あのエリザベートが対天族用の術式を支えてたから、きっとそう思う」



タカノとアデルは首を傾げたが、イズミが関西弁ではない区長で簡単に説明をしてくれた。


「私たち同じような存在よ。神とも言えるし、聖なる存在みたいなものよ」


タカノはそれを聞いてこう言った。



「なら、奴らの言う大王様って魔王のことではないのか?」


タカノは魔王軍の手先であるのかは気にはなっていたが....

イズミは首を振ってこう言った。


「閻魔大王のことよ。なんで私の担当する世界に閻魔の傘下にいる天使がこの世界にいるのかは分からないけどね...」


すると、

イズミの目の前に暗い青色の魔法陣が現れて巨大な丸々と太ったタキシードに身を包んだピエロのメイクを施した男性が光と共に現れた。


タカノとシン、アデルはその人物がイリシュットであることを知っていたので身構えた。


「シン。剣と盾を出してくれ」


「あいよ」


シンはそう言って、札をタカノに投げつけると剣と盾が煙と共に現れた。

イズミは首を振ってこう言った。


「戦う必要はないわ。彼の使い魔はもう死んでる....

天使は人とは戦えない。レギュレーションで決まってるから」


イリシュットは頷いてこう言った。


「ええ、その通りですよー」


イリシュットは深々とお辞儀をしてこう言ったーーー



「我々は、タカノ様とそのお仲間をこの世界の魔王に敵うのかを試したかったというわけでございます。


その為に閻魔大王様が捕らえて直接試したいということだったんですよ....


その件でエリザベートのご無礼をお許しくださいーー」







タカノ「お、魔王退治か....やっとファンタジーらしい話が出たなー」


シン「それもそうだよなー。タカ兄どちらかといえば兼業勇者って言うけどほとんど鬼◯犯◯帳の長谷川◯◯みたいな仕事ばっかりしてるしな〜」


イズミ「でも、この遊園地失踪事件簿の章は今回打ち切りになるらしいわよ」


タカノ・シン「「えまじで!?」」


イリシュット「ええ、大冒険はお預けですよ〜」


アデル「せっかく登場したのに....」


エリザベート「あのー打ち上げ行きませんか?」


アデル「あれ!?いたの!?」


エリザベート「この時はオッケーなんですわ〜」


タカノ「そしたらみんなで行きましょうか?大冒険は後編でということでしょう?」


イズミ「作者は微妙な表情してたわよ」


シン「ええぇ...まじで。あのクソゴリラめぇ....」


イズミ「そんなこと言ったら...」


シン「ぎゃあああああああ!!!!」


イズミ「言わんこっちゃない」



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