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移動遊園地失踪事件簿-3 パペッターvsウィザード


「面白かったねー?」


エミリはそう言って、メイとマオと手を繋ぎながらの顔を見ながらそう聞くと...


「「ねー」」


と2人はそう答えたが、リンはエミリに買ってもらった電影劇の絵本を眺めながら少し不安そうな顔をしていた。


「どうしたのリン?そこまで面白くなかった?」


リンは本を閉じて脇に抱えてこう言った。


「うんうん。そんなことございませんわ。ただお父様とお母様も一緒に見たかったなと思いましたの...」


エミリはそれを聞いてい、リンの目線位合わせる為にしゃがみ込んでポンポンと頭を撫でた。


「リンは優しいのね」


「エミリも。アルスと来たかったでしょう」


エミリはそれを聞いて、

微笑んでふとアルスの顔を浮かべた。


「確かにね。うん、私もそう感じた」


エミリはそう言って、立ち上がってこう言った。


「それじゃ、タカノ様達を探そっか」


「「「はーい」」」


三人娘はそう言って手をあげて笑みを浮かべた。

エミリは探し方を考えたが、少し前にシンから聞いた追跡の術式を発動させることにしてみた。


エミリは遊園地の地図を出して、手をかざして呪文を唱えた。


すると、地図上に赤い光が浮かび上がった。

でもその光は遊園地の外れを指していた。


「あれ、この場所は...おかしいなー」


エミリがそういうと、リンがこう言った。


「とりあえずその場所を探してみませんか?」


そうリンが地図を覗き込んであるところを指差していた。そこは何かの説明書きでリンが指差していたのは


「占い師のエリアか...リンってちっさいのに字が読めるのね」


リンはそれを聞いて誇らしげに、腰に手を当ててこう言った。


「すごいでしょ」


エミリとリン・メイ・マオは

地図の指した場所へと向かっていった。


その場所は明らかに遊園地からは外れた場所にある人通りの少ない場所だった。


地図がさしている場所はここら辺のテントが立ち並ぶ場所だった。


「なんでこんなところに来たんだろう?」


エミリはそう言いながらも、周りをキョロキョロと見渡してタカノとミミを探していた。


リン・メイ・マオの三人はとあるテントの中にちらっと見えた箱の上に座るように置いてる青髪のぬいぐるみを見つけて、そのテントの中へ入っていった。


「あ、ちょっと待って」


エミリはそう言って、三人を止めようとしたがテクテクと先に言ってしまった。


テントの中に入った三人は、大きな箱の上に座るぬいぐるみをまじまじとみて、


「シンにそっくり〜」


そうメイがそう言った、リンとマオは同意だったので

頷いた。

その横には、


「あ、こっちはお父様とお母様にそっくり〜」


そう、

マオがシンそっくりのぬいぐるみの横にある手を繋いでいるタカノとミミにそっくりな人形を指さした。


「みんな!なんか見つけたの?」


エミリはそう言って、テント内に入ってきた。

リン・メイ・マオの三人は人形を指差してこう言った。


「「「そっくり」」」」


「確かにね...」



エミリはそう言って、シンそっくりな人形を持ち上げてまじまじと見つめた。

その時、4人の後ろから声が聞こえた。



「あら、お気に召しましたか?」



4人が振り返るとそこには、

黒いゴスロリファッションの女性が立っていて彼女の両肩の上には彼女と似たような服装をしたぬいぐるみがハサミを持ってプカプカと浮かんでいた。


エミリは彼女をみた瞬間に彼女が纏っている、魔力が見えて恐怖を怯えた。


「みんな逃げて...」


マオがそれを聞いて首をかしげて、


「え?どうして?」


エミリはとっさに懐から短い杖を出して、

布を切る呪文を唱えた。


「布を裂け!ディフィンド!」


布がバツ印に切り裂かれて、そこに向かって三人を押し込むようにした。


「あらあら、さすがに魔術師には気づかれましたか...」


ゴスロリ少女はそう言って、無気味な笑みを浮かべた。

エミリはそれをみてこう言った。


「分かるわよ!こんな強力な術私みたことないし...」


うん?と最後に穴を通ろうとしたリンが首をかしげた。エミリはそれをみてこう言った。


「彼女は悪い魔法使いなの!いいから逃げて」


エミリはそう言って、リンを押し込んで自分も切れ目からテントの外の出た。


テントの外ではメイとマオが抱き合って震え上がっていた。

それもそのはず、

さっきゴスロリ少女の肩の上に浮かんでいた同じ人形が手に大きな鎌を持って待ち構えていたからだ。


「エミリ!助けて!!」


メイがそう叫ぶ、エミリは切れ目から出た瞬間で何もできなかったがリンが持っていた本を構えて2人の妹の前に立って猫耳をピンとたてて、睨みつけながら、


「こいこのやろう。ぶっ飛ばしてやる!シャーーーッ!」


多分タカノが言ってる言葉を真似したのだろう、

父親と同じ雰囲気を醸し出してそう言った。

それに同調したのか震え上がっていた、メイとマオも同じように威嚇を始めた。


リン・メイ・マオの勇敢さはきっと、父親のタカノ譲りなんだろうとエミリは感心して杖を振って魔法で人形を攻撃した。


人形は簡単に吹き飛んで近くにあった積んである箱にぶつかり地面に落ちた。

まだ動く気配がったので、ディフィンドの魔法を何回か発動させて人形を切り刻んだ。


少しエミリもとっさだったので、息が上がっていた。



「あ、私の大切なお人形を....」


さっきのゴスロリ少女の声がテントの中ではない方向から聞こえて、エミリはその声の方を見た。


「B級冒険者エミリ。さすがに魔導魔術学校をでてるだけあるわね」


ゴスロリ少女はニヤリと笑みを浮かべながら右手を上げた。すると、彼女の後ろからさっきと同じ人形が10体以上出てきて手にはナイフを持っていた。


「自己紹介がまだでしたわね。私はエリザベート。

このサーカス団のパペッターをしてるの。ちょっと見られたら困るのよね私のコレクションを...」


リン・メイ・マオの三人はさっきに増してエリザベートに威嚇の意思を見せていた。髪の毛が逆立ち歯を見ててシャーッと声を出していた。


エミリは感じたーー

このパペッターの魔力が膨大なこと感じていた。

きっと、魔術師ではない三人娘も何かしらの危機感を感じて先ほどにまして威嚇をしているのだろう。


「三人とも逃げて」


エミリは判断がついてそう声を出した。


「え、でもエミリ....」


そうリンが心配そうに言ったが、エミリは首を振ってこう言った。


「いいから逃げて!早く」


エミリはそう言って物理防御壁の魔術をエリザベートの前に出現させた。


「逃げて、アルスとシュンテイを呼んできて」


「え、でも....エミリが...」


リンはそう言って、何か言いたそうな顔をしていた。

リンは頭がいいからエミリ自身も危ない状況であることを察していたにだろう。


そんなリンの手を引っ張ったのはマオだった。


「リン逃げましょう。アルスを呼びにいきましょう」


「マオの言う通りにして。さぁ早く!!」


リン・メイ・マオは三人で目を合わせてうんとうなづいて、走って行った。


エミリは三人が見えなくなったのを確認してほっと息をついて、持ってきていたポーションを一気飲みした。


「とりあえず、持ち堪えるしかないか...」


物理防壁が壊されて、

エリザベートは高笑いをしていた。


人形が一斉にエミリに向かって飛んできた。

エミリは杖を振りながら呪文を唱えた。


周りに人の気配はない、だから広範囲攻撃ができる自分が得意な中級魔法を選択した。


「いでよ。雷の剣!!サンダーブレードっ!!」


エミリの前に魔法陣が合わられてそこから無数の雷で形作られた無数の剣が人形を貫いた。


エリザベートにも数本飛んでいったが、エリザベートは軽く手を払う動作をすると剣が消えた。

それを意味しているのは....


「中級魔法が効かない!?」


エミリは思わず声を出してしまった。

最大出力での威力ではなかったが、並大抵の魔術師ならさっきの攻撃で気絶寸前には追い込めるはずだったのだが...


「中級魔法程度なら効かないわよ」


エリザベートはそう言って、ニッコリと不気味な笑みを浮かべた。


エミリは、杖をしまい。

ポケットからチョークを取り出した。


「今度はどんな攻撃かしら」


エリザベートはエミリの力量を知って自分が劣ってないところか有利な気でいるかのように余裕な雰囲気を醸し出していた。


エミリはそれを見てこう呟いた。


「先生に使うなって言われて本当は使いたくなかったけど....」


エミリはてにとったチョークで空中に文字を書き始めた。


「混沌の忌火よ。我が契約者の名において命ずる我が前に立ちはだかる敵の心の臓を喰らい、死の世界へと導け!!」


「ふーん。闇属性の召喚魔術ね。初めて聞く技だわー」


エリザベートはそう言ったが、それもそのはずだ。

この世界でこの術式を使うのはエミリとエミリの師匠の2人だけだからだ。


エリザベートを青い炎が包み込む。

この術式は生きて生物の心臓を焼き焦がす召喚術式でエミリの取っておきの技だった....


「でも、私は生きて無いから。心臓を直接焼いたところで無駄ですわ〜」


エリザベートはそう言って、

パンと手を叩くと包み込む炎が消えた。


エミリは愕然として崩れ落ちるように尻餅をついた。


「う、嘘でしょ....生きてる人にこの術式が効かないなんて...」


エリザベートはエミリの方にゆっくり近づいて、こう言った。


「だって、私エルダーリッチですもの」


その言葉を聞いてふとこのサーカス団にいるというネクロマンサーのことを思い出した。

ネクロマンサーがいるなら、近くにアンデッド族がいてもおかしくは無い....


切り刻まれた人形たちがゆっくりと浮かび上がってエミリの周りを囲んだ。


エミリは光るナイフ達を見ながら、恐怖で何もできなくなっていた。


「エミリ。あなたは、大王様は要らないって言ってたのだから。今、からの私が遊んであげる....あのお人形見たいに切り刻んでね?」


「いやぁぁぁ!!」


エミリの悲鳴が響き渡ると共に、

エリザベートに足元に血溜まりが広がっていった。


リン「大変よー急がないと...」


メイ「でも、エミリ苦戦しそう」


マオ「アルスを呼びに行くにも遠すぎます....」


?「あら、可愛い子猫ちゃんたちね〜深刻そうな顔をしてるけどどうしたのかしら?」


リン「実はエミリが危ないの?」


?「エミリ?うーん聞いたことある名前ね。もしかして魔術師だったりするかしら?」


リン・メイ・マオ「うん」


?「もしかして....私の弟子じゃ.....

次回、勇敢な三娘とS級冒険者ですわ」


マオ「ところでオバさんはどちら様で?」


?「誰がオバさんよ。まだ30歳行ってないわよ」


リン「お父様より年下だぁわー」

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