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嫁と出会った記念日-5 亡国の王女ミミ



一目惚れを説明するなら、

今のタカノの心に中を指すのだろう。


シンはニタリと歯を見せながら、肘でタカノを小突いた。


「タカ兄〜割とガチじゃん〜眠りの呪いをかけられてるみたい...解いても大丈夫」


「あ、ああ大丈夫だ」


シンはそう言って彼女の額に手をかざした。

手に青色に光る魔法陣が現れてシンは目を瞑った。


「う〜ん、結構高度な魔法かけてるな....眠りというよりは封印の魔法かなーでも、こんなの俺になら問題なよ」


シンの手から魔法陣が消えると、ゆっくりとベッドで横になる王女は目を開けた。



「あなた様が助けに?」


周りをキョロキョロと見渡して、王女は猫耳をピクピクとさせて大きくあくびをした。

タカノと目があって、タカノは頷いてこう言った。


「ええ、ラハトという人から頼まれてやってきた」


「ラハト....ラハト・ウル・ラシュトでしょうか!?」


王女は目を丸くして、タカノを見つめた。

ベッドから起き上がり嬉しそうな顔を見せた。


「お父様が、助けてくださったのね....」


王女はそう言って胸に手を置いてほっと息をついた。

王女はベッドから降りて、タカノとシンの前にだってお辞儀をした。


「始めまして。私はミミと申します」


タカノも思わず、お辞儀をして自己紹介をした。


「キリシマ・タカノです....」


そういうと、

シンはタカノを少し小突いて

小声で『おいおい、タカ兄....なんかテンパってねー?』と言ってから、こう言った。


「俺は、シンだ。よろしくっ」


シンはこっそりと状態異常解除の魔法をかける。

意外とこの魔法は便利で緊張も解いてくれる代物だ。


タカノはふーと一息ついてミミに対して手を差し伸べた。


「さぁ戻りましょう」


「ええ、ありがとうございます。タカノ様」


ーーーーーーーー


街に戻ったタカノとシン、

冒険者3人と捕まえたバルバリッチとミミは満遍の笑みでラハトが迎え入れてくれた。


「お父様!?」


「ミミぃ!」


ミミはそう言って、門の前に立っているラハトに向かって走って行って抱きついた。

タカノとシンは兵士にバルバリッチを引き渡した。


きっと久々の再会を喜んでいるのだろう。

でも、タカノとシンは気になってることがあったので聞いてみることにした。


「気になったことが多くあるんだが....」


ラハトは少し嫌そうな顔をして唇を尖らしてこう言った。


「いいじゃないですか。もう少しだけ久々の娘との再会を楽しませてくださいよ」


ミミはそれを聞いて、ラハトから離れて見つめながらこう言った。


「でも、お父様。タカノ様は...私の命の恩人ですわ....お願いします」


「うーん。そうですねそしたら....募る話もありますしーーー場所を変えましょう。お腹も空いたでしょ...どうでしょう?...もちろん、冒険者のお二方も」


剣士と魔法使いを指してラハトはそういうと、

剣士は自分を指差した。ラハトは頷いて笑みを見せた。


シンは一つ疑問に思ってこう聞いた。


「そういえば、アーチャーは?」


剣士はそれを聞いて、首をかしげてこう言った。


「あ、さっきバルバリッチとウルクハイ達と一緒にロケバスに乗って……」


そう言いかけた口をふさいだのは、横にいた魔法使いだった。


「あ、はすいません。今のなしで……アドリブですよ~今回の仕事で、実は彼は引退て話になってて、故郷に帰ったよ。ね?」


「そうそう、そう」


剣士はそう慌てて言葉を発した後、深呼吸をして落ち着いた。


「そーなのかー。なるほど、それなら仕方がないですね。では、タカノさんにシンさん、冒険者のお二方……」


ラハトはそう言って、二人の名前を言おうとしたが言葉を詰まらせた。


「俺は、アルス。こっちはエミリ」


ラハトはそれを聞いて、

うんうんと頷いてこういった。



「そうでしたねーーーでは、立ち話もなんですし茶店で報酬の話と今後の件についてお話しましょう」


ラハトはそう言った後、手をたたいて。


「はい。カット!ですよね……」


シンはそれを聞いてこういった。


「いや、このまま続けていいらしいですよ……」


タカノは、ため息をついてアルスの方を見てこう言った。


「頼むから、台本ちゃんとみておいてよーアルス」


「いやーすいません……」


アルスはそう言って、はにかみながら申し訳なさそうに頭に手を置いてへこへこと頭を下げた。


「タカ兄!まだ、本文続いてる。映像ならカメラ回ってるよ!」


タカノはそれを聞いてこういった。


「よし、話が詰まったらしいので、次の場面に行きましょうか」


タカノがそういうと、ラハトはうんうんと頷いて茶屋に向かって歩き始めた。

一同もそれに続いて店に向かって進んだ。



店入ってから、一行は食事をしながら。ラハトから報酬の話と気になっていた話、今後の話について聞くことになった。


まず、報酬として。

タカノとシンにはラハトから直接貰う形になるという、アルスとエミリはギルド経由で契約しているのでそちらで受け取ってもらうことになった。


タカノとシンとしては、

今後の魔王を倒す旅で使う資金として充てるので、報酬の多い少ないはそこまで気にかけていなかった。


気になる話とは救ってきた自分が王女という事とその王女ミミがラハトのことを父と呼んでいる件についてだ。


ラハトはもともと大焔帝国の保護国でだったラシュトスタン国の第3王子で、

王位を継ぐ意思がなく魔術を極めるために、

焔帝国に忠誠をつくし魔術の道を究めるため宮中にある魔法魔術研究院に入るために宦官になったそうだ。

その際に王位継承権と男を捨た。


ミミはラハトが宦官になる前に寵愛していた半獣人族の恋人との間に生まれ、

幼少期はラシュトスタンの王宮で父と母共に暮らしていたが、ラハトが宦官になり魔法魔術研究院の内定をもらったので焔帝国の都である陽都にラハトだけ先に引っ越ていた。

ミミの母は病気でラハトが都に引っ越す前にこの世を去っている。



ラシュトスタン国は魔王軍の侵略を受け壊滅し王家の一族は皆なくなり、

たまたま旅行中だったミミだけが生き残り国に戻ることなく大焔帝国に亡命し陽都に向かう途中に魔王軍のバルバリッチに捕まったという事だったらしい。


街が静かだったのはこの街が今、ラシュトスタン国奪還に向けての前線基地になっていて人が出払っているからだそうだ。


ラハトとミミは、ラシュトスタン国への思い入れはあまりないらしく王家の血が途絶えた今。

皇帝が帝国への併合を提案してきたので、ラハトがそれを受け入れる形で奪還後は焔帝国の領土になることが決定した。


「なるほど……だから、亡国の王女なのか」


タカノは説明を聞いて、気になっていた点をなっとくすることが出来た。


「戦況も優位です。タカノさんが人質である王女を奪還しバルバリッチを捕らえたことにより勝利はほぼ確定です。冒険者ギルド連合と皇帝直属の禁軍が敵の将軍を討ち取るのも時間の問題でしょうーーー


それで、これからタカノさんとシンさんはどうするおつもりでしょうか?」


タカノはそれを聞いて腕を組みながらうーんと考え始めた。


「うーん。シンを元のいた場所に返してやりたいし、イズミとの約束で魔王を倒したいしな……」


ラハトはそれを聞いてこういった。


「でしたら、私の元で働いてくれませんか?

焔帝国では現在、西域の砂漠を越えた先にある大連山を超えたもっと西にある極西の地にいる魔王と呼ばれる存在を敵視し倒すための研究と対策を練り続けてます。


冒険者ギルドに所属するタカノさんと同じ異世界の勇者やS級と呼ばれるエリート冒険者ですら、魔王を討伐できていませんし……


ここはひとつ、

焔帝国の力を利用して魔王を倒す方法を探るというのはどうでしょう?

タカノさんはこの世界を詳しく把握していないようですし、どうでしょうか……」


タカノはうーんと考えたが、

ふとミミの方を見ると彼女は少しキラキラした期待したような目でタカノを見ていた。


シンがタカノの耳元に顔を近づけて誰にも聞こえないような小声でこういった。


「確かにありだと思う。実は今まで姉さんが何人かタカ兄と同じように勇者をこの世界に送ってるの聞いたんだけど……バックに大きい組織を持たないで魔王の本拠地に行って撃沈してる話をよく聞いてるよーーー

だから、ここは焔帝国の力を利用するように策を練るのはありだと思う。


あと、何より。スポンサーが居ないとこの先冒険はつらいし……」


「それも、そうだな。ラハトの元で働いてみるか」


ちなみにこの時、タカノの心の中ではミミのことしか意識が行っていなかった。

いかにして彼女と一緒に過ごすかを考えているばかりだったのだ……


「わかった。よろしくお願いします」


タカノはそう言って、

席から立ってラハトにお辞儀をした。


アルスとエミリも同意のようで、

命を救われた恩を返すためにタカノに着いていくことになったーーー


タカノの魔王を倒す旅に仲間と協力者ができた。


そのあとにタカノが色々とミミを誘って二人でデートしたりしたのはまた別の話でーーー




エミリ「アルス〜ちゃーんとセリフ覚えておきなさいよ」


アルス「いやーごめんごめん〜ついついキャラ名もらって浮かれてたよ。それにしてもラハトさん?」


ラハト「なんでしょう?」


アルス「宦官って何?男捨てたって言ってましたけど....」


ラハト「あー玉と竿を撤去するんですよ。アルスさんもどうですか〜?」


アルス「い、いやー遠慮しときます」


エミリ「次、セリフ覚えてこなかったら私の魔術で宦官にしてあげるわ〜」


アルス「ひひぇーわ、わかりましたっだからやめて」


ラハト「結構痛いですよ〜」


シン「あー怖い怖い....ってミミの姉御がなんかすげー怒ってるけど...」


ラハト「きっと、思ったようなシーンがなかったからだと思いますよ...ほら『どうして、私とタカノ様のイチャラブなシーンがこれ一つもなかったの〜!』って悔しがってますし」


シン「あ、本当だ」


イズミ「次は久々に私も出るわね....準備しなくっちゃ。ねーミミさん〜

多分大まかはカットされるけど、タカノとの〇〇〇なシーン次回出てくる見たいよ」


ミミ「え、本当ですか!?」


イズミ「なんという速さ反応の速さ。次はこの章のエピローグね。次回その後どうなったのか....お楽しみにぃ」


ミミ「本当に本当ですか天女様!?」


イズミ「本当、本当」

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