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嫁と出会った記念日-3 レンバスとティータイム


「女ぁぁぁぁぁ!やらせろぉぉぉ!!」


タカノはそう言って、盾をフリスビーのように軽々と投げつけてウルクハイの隊列にぶつけた。


強烈な金属音が響いて、ウルクハイの盾もタカノの盾も砕け散った。


「おいおい、まじかよ」


あまりの迫力にシンがそう言葉を漏らした。

何が起こったのかわからないで、慌てふためくウルクハイもいた。


タカノの一瞬戸惑いを見せたウルクハイに向かって走り出し、

飛び込み気味のライダーキックのような蹴りを加えて、そのままニ撃目の飛び後ろ回し蹴りが盾を失ったウルクハイに直撃する。


吹き飛ばされたウルクハイは砦の城壁に叩きつけられる。


魔物達は隊列から散らばってタカノを囲むように位置を取り剣を構え直した。

倒れた味方には全く見向きもしないそぶりだった。


3人同時にタカノに向かって走り出し剣を振り下ろしたが、タカノはそれを地面を舐めるように低姿勢で交わし1人の背後に回って組みついて...


「これがジャーマンスープレックスじゃぁぁ!」


2mはあるであろう大男でフルプレートアーマーを身につけたウルクハイを軽々と持ち上げて、綺麗なアーチを描き頭から叩きつけたというよりは頭から地面に差し込んだ。


シンはそれをみて、思わず口を開けてしまった。


「すげー...100kgオーバーだろあの化け物....」


タカノはすぐにブリッジの姿勢から、

元に戻りファイティングポーズをとった。


3人は倒したが、

まだ6人は残っていた。


きっと普通の人間だったら、

この状態でも相手に敵わない事と恐怖心で戦いは済んでいたが、彼ら戦闘用に生み出された魔物ウルクハイは違うようだ。


先ほどのやられた仲間を気にしない事や組織的に動いてることなど思えば、只者ではないのは理解できた。


唯一ダメな点で言えば、頭に血が上ると一瞬だけ

怒りに身を任せる面はあるようだ。

だがしかし、一歩引けば冷静そのものだった。


6人同時にタカノに斬りかかってきた。

タカノはそれを交わしはしたが、刃が身体をかずめ身体に傷を負った。


ウルクハイの1人は蹴りを入れてきたが、タカノはそれをつかんで膝に向かって踵下ろしを加えた。

そのウルクハイの膝が本来向くはずの方向でない方に曲がり、悲鳴を上げながら地面に倒れ込んだ。

タカノは銃剣を抜いて、そのウルクハイにトドメを刺した。


タカノの肩から滴る血を見てシンは戦いっぷりに見惚れていたが、すぐに回復魔法の詠唱を始めた。

幾らこのままといえど、まずい状況のは変わりはないからだ。


タカノは銃剣を構えてまだ戦える意志を見せた。

すでに体力的には底をついているようにタカノ自身感じていたが、


スキル『性欲の猛者』によって生きて帰って、イズミのような美人とやるまでは死なないと決めている精神力だけで身体に鞭打って動いていた。


「ヒール!!」


そうシンの叫ぶ声が聞こえて、タカノの身体を青白い光が包んだ。

シンの回復魔法が発動したのだろう、少しだけ気が楽になったことを感じた。


「ありがとよシン!」


タカノはそう言って、

残り6人のウルクハイに殴りかかった。


バーサク状態で限界を超えた戦い方をタカノはし続けた。通常だとありえないような、宙返りや超反射で攻撃を交わして、拳を兜に叩き込んだり....



殴り倒したり銃剣で突き刺して、

次々に倒して行ったが....


最後の最後にタカノの身体を正面から長剣が突き刺された。


「タカ兄ィィっ!!」


シンの叫ぶ声が響く。


剣を突き刺したウルクハイはニタリと笑みを浮かべたが、タカノは頭を両手で掴み掴みーーー


「日本男児なめんなぁ!!!!」


腹部に膝蹴りを入れて鎧を凹ませて、渾身のアッパーカットを放ち、相手の兜越しに豪快に頭突きをかました。



そして、

ウルクハイはタカノから剣を抜いてバタンと倒れ込んだ。



「見たか、これが大和魂だっ....」



タカノもそう言ってからだから黒いオーラが消えて、うつ伏せに倒れ込んだ。


シンは急いで駆け寄って、涙目になりながら魔力の続く限り治癒の魔法をかけ続けた。


「タカ兄ィィこんなとこで死ぬなよ!!!」



シンはそう彼の上半身を抱き抱えて叫んだ。

するとタカノは、首を振って大きく欠伸をしてこう言った。


「あのさー、おめーのねーちゃん抱くまで死なねよ...それより、レンバスを食べさせてくれないか....腹が減っちまって」


シンの回復魔法のおかげで、タカノの傷は完治していたようだった。

慌て切った、シンは疲労困憊した涙目の顔でタカノの顔を覗いき込んだ。


「心配するなよ。それよりも、腹減って死にそうだ」




ーー少し休息タイムーー


「しかしこのレンバスとかいうパン?みたいな食べ物パサパサしてるな...ほんのり甘いけどなんか物足りねーよな...


そう、

言いながら落ち着きを取り戻した2人は、

砦の真前に座りながら遠足のランチタイムのように少しばかり、足を伸ばしてのんびりとしていた。


「これさ、前の世界であった甘食とかスコーンに味が似てるんだよなー蜂蜜とか持ってるか?」


タカノはそう言って、レンバスをもぐもぐと食べながら砦を見上げながらシンに聞いた。


「あるよ〜回復薬の調合用に蜂蜜は持ってきてるよ」


シンはそう言って、鞄から蜂蜜の入った瓶をタカノにパスした。


レンバスというエルフの保存食には、体力と魔力回復の効果もあるようで、

戦い疲れていたが完全回復している状態に2人ともなっていた。


「さすがに、お茶は用意してないよな?」


「それがあるんだよ」


シンはそう言って、

懐から札を出して地面に投げるとヤカンと湯飲みが現れた。

そして、シンはそのヤカンに薬草を入れて、

魔法で水を作れるので水を入れはじめた。


「お、気が利くじゃねーか。それにしてもその札なんなんだ?」


「物札って言ってもので、思念を込めると思った物が出てくるんだ。まー1日経てば消えるんだけどさ」


「へーそうなのか...ならさ『ーー自主規制ーー』とかってのも出せたりするのか?」


シンはそれを聞いて一瞬固まって、眉を潜めたが頷いた。


「その自主規制かかってるけど『ーー自主規制ーー』がイメージできるものなら出せる。

でも今それいらないだろ...

さすがに...てか、タカ兄それ何に使うつもり?」



「そりゃー...『ー自主規制ー』に行った時とかイズミと『自主規制』の時にとか」



「うぁー、ねーちゃん。こんな変態に狙われてるのか...タカ兄これ以上は、この話はやめよう。


てか、ストレートに言い過ぎで自主規制かかりすぎ。


倫理上まずいし、そもそも、18禁の物語じゃないんだかさ....ね?」


シンはそう言って、

湯飲みお茶を注いでタカノに手渡した。

タカノはどこか納得行かない渋い顔をしていたがため息をついてこう言った。



「まー元々は、ハートフルな異世界スローライフのお話つもりだったしなー


とりあえず、やめておくよ」



シンの入れたハーブティは思いの外、美味しいものでタカノは思わず目を丸くした。

シンはニタリと笑みを浮かべ右手の親指を上げてドヤ顔をしていた。


耳をすますと、砦の方から声が聞こえてきた....


「て、何くつろいでんだよ!?」


そう言う男性の声で叫び声が砦の中から聞こえて、

タカノは砦向かってにこう言った。


「ティータイム中だ。テロップというか文頭にも書いてあるだろ邪魔すんな!!!」


「そーじゃねーだろ」


そうツッコミが砦の中から聞こえてきたので、

タカノは立ち上がって食べかけのレンバスを口の中に突っ込んでお茶で流し込んだ。



「砦の主だな。今叩きのめしにいくから。待ってろ!


ついでに姫様もいるとか聞いてるし、帰る途中で...お姫様と宿屋でお楽しみぃ〜....」



「タカ兄ぃぃ!そんな『自主規制(※某大手のRPG)』みたいな展開にさせないから!」



タカノの鼻息が荒いことに気がついて、

なんだかんだで現在もマイルドであるが

『性欲の猛者』のバーサク化は継続しているようだ。

そのことをシンは感じた。


シンはこっそりと状態異常解除の魔法をかけると...


「さー元気も出たし。ラハトに頼まれた仕事行きますか」


タカノはそう言って何事も無かったかのように足を進めていった。

どうやら、状態異常をとれば問題無いようである事をしったシンは安心してため息をついた。

ミミ「やっと私の登場する番ですわ!お化粧のお直ししなきゃっ」


タカノ「ノリノリだけど、次回ミミのセルフないからね」


ミミ「え、本当ですか...まぁーいいではございませんですか。スタイリストさーんお願いします」


タカノ「あ、行っちゃった。まーあいいか」


リン「お母様がすごくノリノリでしたけど...お父様?どうしてでしょうか?」


タカノ「はじめて、父と母が出会う思い出のある場面だからだと思うよ」


リン「なるほど....次回『使徒バルバリッチ』です」


タカノ「リン。ありがとう!」

(ノリノリなのいいけど、ミミが出てくるの本当に最後の最後の場面だからな...)

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