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狩猟。獣と銃と山とヒト  作者: 水底 宇宙
狩猟姫と泣き虫執事
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ピックアップジビエ シカその1 煮込みとかの話

しばらくジビエの話になります~

安全基準については法令に従い、自己責任で裏を取りましょう。

健康個体に限定、加熱を徹底するのがまず必須で、部位選択も各種病気や寄生虫に注意しましょう。

味については作者の取材結果に基づく感想ベースなので当てにし過ぎないでください。

「そうだ岡本さん。」

「はいどうしましたかスズランさん。」

「シカソーセージもおいしそうですが、他にはどんな感じで食べたことありますか?

「そうですねえ。まず大和煮はかなりオススメです。

 特におすすめのポイントは作り方が簡単なところと、肉の状態をあまり問わないところですね~。

 しょうゆ、砂糖、料理酒にショウガを刻んで入れて、ちょっと唐辛子も入れます。

 そこに、適当に季節のお野菜・・・根菜類がいいですね。ニンジンとか、大根。

 アクを取りながらぐつぐつ中火20分くらい煮て、それから弱火に変えて30分くらいさらに煮込みます。

 粗熱を取って冷蔵庫に入れて2~3日待ちます。すると、やわらかーくなった甘辛みのある鹿肉ちゃんができます。

 さらに状態がイマイチの場合は、お湯だけで最初の酷いアク抜きを済ませてから醤油その他を入れる場合もあります。

 特に貰い物で血抜きや鮮度が完璧か自信持てないときなどに重宝しますね。

 大和煮自体はウェブにいくらでも転がっているので適当に探せば出てきます。」

「なるほどです!」

「実は今日も持ってきていて、冷やしてクーラーボックスに入れています。

 今回は山梨県産のニンニクも入れていて、さらに地元スーパーでほうとうも買って煮込めば、山梨づくし鍋になるわけですよ!」

「おおぉっいいですねぇ。おつまみに鹿ジャーキー、なんていうのも聞いたことがありますがやってるです?」

「桜のチップでスモークジャーキーしたことがりますね!これはここまでの三つ共に共通していることなのですが、強い香辛料や調味料で香りをつけ、ミンチ・煮込み・薄切りで食感をよくしているのが如何にもジビエ的な臭みと歯ごたえ対策なのですが、これは単純に悪いところを消しているだけじゃなくて、肉の良さも引き出しているんです。」

「ただの上書きではないんです?」

「元のにおいや歯ごたえが強いがゆえに、ほんのりと残るんです。ソーセージにしても、わずかに鹿感ありますし、大和煮もわずかに残る歯ごたえや香りが牛豚とは違います。ジャーキーはそういう意味では、筋張ってるのが多少残ってるがゆえに独特の旨味を感じさえもします。」

「酒が進むって奴ですね!」

「そう!ノンアルコールビールでは満足できないッッッ」

「発泡酒、いや、ビールで!今日は地ビールにするですっ」

こらこら、未成年もいるでしょうに、と後部座席で明凪がもたれかかっているリーゼの顔には書いてあるのだが、

あいにく、座高も相まって大人二人からは視覚である。


「そう、そしてビールに合うシカ料理と言えば、スペアリブです。付け根をナタでダイナミックに砕いてろっ骨を取り、隣同士を切り離します。この部分はあまり筋張っておらず、とはいえ骨に比して肉量が少ないので保存上は微妙なのですが・・・」

「保存上は微妙なのですが・・・しかし?」

「そう、しかし!バーベキューでは主役級なんです。コショウとクレイジーソルトをかけ、火の上に立てかける!

 表面が少し焦げ、全体に火が通ってきたところで、骨をつかんで肉を食いちぎる!

 口当たりは狩っと、内側の肉は薄いながらもほろっと!クレイジーソルトでビールが加速する!」

「ksksr!」

「オカモト、加速するのは食欲くらいにしておきなさいな」

オカモト、アクセルから足を放し恥じ入る。

「失礼しました。」

「ほどほどにね」

「岡本さん怒られちゃいましたですね」

「お恥ずかしい限りです。」

「話をもどしますが、シカカレーも今の条件に当てはまりそうですが、どうですか?」

オカモト、返事の前に一考。


「シカカレー、概念設計は完璧ですが、意外と実装するまでが難しいんです」

「カレーなのに?」

「マトンカレーって食べたことあります?」

「インド系カレー店みたいなところではよく出ますよね」

「そうそう。それです。普通のスーパーにあるポークカレーとかビーフカレーのルーとちょっと違いますよね?」

「ちょっと酸っぱみがあって、スパイスの存在感が強いというか。ルーの奴はもう少し粘っこくて油感あるです?」

「そうなんです。飼育下の牛と豚に最適化されてスパイス弱め、煮込み時間短縮の方向に調整されてるようで、そのままのレシピで作ると臭いし噛み切れないしでハズレ料理になっちゃいやすいんですよね。

 勿論、小鹿で新鮮、解体も完璧ならおいしく食べられるでしょうけど、それもちょっと違う」

「シカならではの良さがない、と」

「そうですね。臭みを除去してから入れたり、じっくり煮込んで柔らかくするのは可能ですが、スパイスの調整と煮込み時間、野菜を入れるタイミングが重要そうです。」

「アクを吸わせないようにって聞いたことありますです。あとは玉ねぎとかでナントカって出るんですよね」

「はい。タンパク質分解酵素が出るんだそうで、柔らかくしたいとき、玉ねぎはよい相棒なんです。」

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