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20歳のパパ  作者: lamina
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第四話 歩夢の母親??

家に着くと家の前にパトカーが停まっていた。何かあったのかと思いながら家に入ると、月に一度見に来るいつもの警察官が真剣な顔をして俺の帰りを待っていた。俺も何事かと思い「今日はどうしたんですか?」と聞きながら、警察官の前に座った。すると、警察官が俺に向かって「赤ちゃんの親が見つかったかもしれない。なので一度警察署に赤ちゃんと来てほしい」と言ってきた。普通、歩夢の親が見つかって嬉しいことなのかもしれないが、どうしてもその事に喜べなかった。放心状態になってしまった俺を見て、とりあえず2週間後に連れて来てほしいといい、すぐに警察官は家を出た。

どうすればいいかもわからず、あっという間に2週間が過ぎてしまった。歩夢を連れて警察署に行くと、お母さんらしき人が待っていた。俺はその人を見ると、何か違和感を感じた。しかし、今は気にする必要もないので、歩夢を警察官に預け、お母さんらしき人と歩夢のDNA検査をしてもらった。俺は心の底から一致しないことを願っていた。結果がわかるまで1ヶ月ほどかかるということだったので、歩夢を連れて家に帰ろうとすると、お母さんらしき人から声をかけられた。声をかけてきたのは、その女性も歩夢を連れて帰るつもりだったからみたいだ。

二人でどっちが連れて帰るかを話し合ったが、どちらも一歩も引かず、警察が「歩夢にきてもらおう」と提案してきた。その提案はいたってシンプルだった。お互いが交互に歩夢をだっこして、泣かずに笑った方に連れて帰るという内容だった。俺はその提案に乗らない手がなく、女性も提案に乗った。まず女性からだっこをすることになり、歩夢をだっこしようとすると、一変し歩夢は泣きじゃくった。そのまま、俺がだっこすると歩夢は泣き止み、いつもの笑みを浮かべてきた。歩夢を家に連れて帰ろうとすると、女性が心の声が漏れるように「あの子じゃダメね」と言った。俺はその事を聞き逃さず、すぐに女性に問い詰めた。すると、女性が耳を疑うようなことを言い始めた。それは女性は歩夢の親でも何でもなく、ただ近いうちに女性の母親が家に来るが、彼氏もいないし、子供もいないので婚活させられそうになっているから誰でもいいから子供を引き取ろうとし、探しているときに歩夢のことを知り、里親になろうと思ったみたいだ。それを聞くと、俺は心のどこかで安心したが、それ以上にそんな適当に歩夢を引き取ろうとしたことを知り、憤りを感じていた。おそらくここが警察署じゃなかったら殴っていたと思う。しかし、それを聞いたお陰か会ったときに感じた違和感の正体に気づいた。それはその女性は歩夢にあまりにも似ていないことだった。子供ならどこかしら似ているものだと思うが、その女性と歩夢は似ているところが1つもなかった。帰り際に女性が「頑張ってね」と言ってくれた。それを聞けて、さっきまでの憤りも収まり、母親の疑いも晴れたので歩夢と気兼ねなく家で過ごせるようになったので気持ちがすごく軽くなった。その時の帰りは鼻歌を歌いながら帰っていたのは言うまでもない。

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