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20歳のパパ  作者: lamina
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第二話 赤ちゃんの名前

少し落ち着いて、警察官に赤ちゃんのことを言いにいった。やはり、最初は誘拐犯の自首だと思われた。話の拉致があかず、少しの間だけ警察署に預け、それでも親が名乗りでなかったら、育ててもよいということで、話は落ち着いた。絶対に普通ではありえないことだが、話しているときの顔があまりにも親のそれになっていたので、ここで手を打つしかなかったようだ。そして、赤ちゃんを預けるため、一旦家に帰り、赤ちゃんをだっこして、警察に戻ってきて、引き渡そうとすると、今まで天使のような顔で寝ていた子が、鬼の形相のように一変し、俺から離れようとしなかった。警察官はプロのベビーシッターも呼んでいて、俺から赤ちゃんを預かろうとしても、赤ちゃんは俺から離れようとはしなかった。その様子は、誰がどう見ても親と子以外には見えなかった。そのためか、赤ちゃんはそのまま俺の家で育てていいということになった。1週間に1度、警察官が家に見に来るということで手を打ってもらえた。赤ちゃんを連れて帰ると、流石にお袋も驚いていた。しかし、お袋はこうなることを予期していたのかすでに赤ちゃんを育てる準備を整えていた。俺は(流石やな)と思った。お袋が当たり前のように「名前どうするん?」と聞いてきた。そこで俺は名前をつけていないことに気付いた。名前を急につけろと言われても難しかったのでお袋が俺につけようとしていた名前の候補から選ぼうとした。候補は“たくみ”、“ゆうき”、“しょう”とどれもこの赤ちゃんには似合わない名前だと感じた。いろいろ考えていると“あゆむ”という名前が合っていると思い始め、“歩夢-あゆむ-”という名前をつけた。そして赤ちゃんに「立石 歩夢でいいか?」と言ってみると、すごく笑っている顔に見え、気に入ってくれたと思うことができた。そして、夜遅くなっていたこともあり、自分の布団と歩夢の布団を敷いた。そして、この日を最後にした。といきたかったのだが、俺は完全に夜泣きのことを忘れていた。まさか夜泣きがこんなにもキツいことだと思ってもいなかった。1時間おきに起きては泣きじゃくり、ミルクをあげてもダメ、あやしてもダメで何をしてもダメだった。結局勝手に泣き止むのを待つしかなかった。次の日の朝を迎えるまでに俺は6~7回ほど夜泣きにより起こされた。歩夢を育てると決意して1日しか経ってないのにもうクタクタだった。俺はもうすでにやめたいと思いつつあった。それでも俺はこの子の可愛さを知っていた。そのためか俺はそれ以上のことを考えることがなかった。

そうこうしているうちに1カ月経っていた。夜泣きにも大分慣れ始め、俺は今、したこともないアルバイト探しをしていた。家の近くのコンビニやスーパー、飲食店と未経験でもできそうな仕事をネットを使って片っ端から探し続けた。が、どこも募集していなかった。気分転換に毎日通っているコンビニに飲み物を買いに行き、いつものようにエナジードリンクを買おうとすると、無意識に手が止まった。(このお金も抑えるとあいつのミルク代に変わるのか)そう考えてるうちに俺はお茶を片手にレジに行った。「あれ?今日はエナジードリンクじゃないの?」と店員が言うと「なんでかわからんけど赤ちゃんが家におるから自分に使うお金減らしたらそっちに回せるからな」と答えた。さすがの店員も最初はポカンとしていたが、すぐに「おめでとう」と言ってくれた。(まー誰でもそう思うよな)そう思いながらも口にせず、店員に「だから今アルバイトを探してるねん」と愚痴を漏らした。それを聞いた店員が「ちょっと待っとき」と言うと、どこかに電話をし始めた。俺は心のどこかで(ここはアニメだと、ここで働けるようにしてもらえる)と思って待っていた。そして店員が帰ってくると「すまん、店長に電話したけどここで働けないわ」と言われた。俺はかなり落ち込んで帰ろうとすると「でも、ここの近くのコンビニなら人手がほしいみたい」と教えてくれた。それを聞くなり俺はその場で電話をし、面接の日程まで決定した。嬉しくなり、店員に礼をして走って家まで帰った。翌日コンビニ側から採用の連絡を受け、俺はとんでもなく運がいいと思った。それからは毎日、子育てとバイト、バスケに打ち込んでいた。


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