秘密
「それで、銀」
「あかりって呼んでください」
「……銀はどういう理由で俺に付きまとってるんだ。そもそも俺はデュオを組むどころかデザイアすらやって
ないんだが」
「…………」
「おい……」
彼女はぷいっとそっぽを向くのだが、それも絵になっているのが実に腹立たしい。
やがて兎双は折れたように彼女の名前を呼ぶ。
「はい。貴方のあかりですよ。答える前に修正させてもらいますけど、先輩。デザイア登録してますよね? 対人はしたことないみたいですけど」
「どうやって知ったんだ……」
「それはもう、ちょっと人には言えない方法で」
この女、何者だよ……。
「それで付きまとう理由ですけど、教えてあげますから先輩。私とデザイアで勝負してくれません? 勝っても負けても教えてあげますから」
「……普通に教えるって言うのは?」
「嫌です。後、勝負してくれないとここに出入りしてること先生たちに言っちゃいます」
それを突きつけられたら、兎双は黙って諦めるしかなかった。
「分かった、内容はどうする?」
「そうですね、ここはシンプルにバトルでどうでしょうか」
バトル。互いのフェアリーを戦わせる最もシンプルで一番流行っているルールだ。
「ついでなんですけど、負けた方が勝った方の命令を何でも聞くっていうのやりませんか?」
「大した自信だな。その話に乗った」
思えばこの時から、スイッチは切り替わっていたと兎双は思う。
『Desire起動!!』