対戦相手
仮想領域を使用する場合、スペースと呼ばれる生成システムが置かれた空間へと通される。
敷居などはなく、ギャラリーが試合を見つめるため緊張感や試合の熱は入る。
兎双は適当に空いてる仮想領域生成システムに着く。
仮想領域生成システムは長方形のテーブルのようになっており、反対側に対戦相手が座る。
兎双がついた場所には反対側には誰もいない。
銀はまだ来てないし、ゆっくり待てばいいか。
デッキの確認でもして待とうかと思っていたが、すぐに反対側の席に一組の男女が席に着く。
「あ、先輩。ここでいいんじゃないっすか」
「んー。そうだねー……」
片方は金髪と言っても、染めてそのままなプリンみたいな髪の高校生ぐらいの男子。
もう一人は背丈が150cmほどの女性だ。
ただ、男子生徒の話し方からすると、上級生なのかもしれない。
「あの、俺たち初心者なんっすけど相手してもらって大丈夫っすか?」
「俺もデュオはこれが初めてだから。お互い気楽にやろう」
人懐っこい笑みを浮かべるプリン頭。
何というか、溶け込みやすい性格をしている。
「やるのはいいけど、そっちのパートナーは?」
「あぁ、もうそろそろ」
「せーんぱーい。お待たせしました」
タイミングよく銀が兎双の腕に抱き着く。
「ゲッ」
「ゲッ」
対戦相手を互いに認識したところで二人が乙女らしからぬ声を出すのであった。