リンク
「はい、ここが私の部屋ですよ」
招き入れられた銀の部屋は、今までの銀のイメージとは違い可愛らしい小物などが飾られた小奇麗な部屋だった。
言い方を変えるならば、女の子らしい部屋とも言えるだろう。
「ふふ、私からは想像できないって顔してますよ」
「あぁ、泥棒紛いのピッキングをする奴には見えないな」
「いつまでそのネタ引っ張るんですかー。それより、デザイア起動してくださいよ」
何をするのか聞いていなかったが、兎双は言われた通り起動する。
「こっちも準備できました。ちょっとデュオのテストをしたくて。私やったことないので」
「あぁ、まぁ俺もやったことないけど。どっちがどっちをやるんだ」
彼女は少し口に手を当て悩むがすぐに結論を出す。
「私が妖精で」
「分かった。じゃあリンクしてくれ」
目を瞑り、銀はデザイアのシステムに従い意識を集中させる。
ID:〇〇〇〇〇〇〇〇〇
プレイヤーネーム:ライアーラビット
リンクしますか?
リンク認証。パスワード確認。
リンク開始。
次に銀の視界に映ったのは、兎双の妖精のカメラアイ。
ライアーラビットの視点である。
「これが、妖精の視点ですか」
銀は目を瞑ったまま、妖精の視点を楽しむ。
デュオでは妖精を操作する人間は、視覚を遮断する。
視点がごちゃ混ぜになり、酔う人間が多いらしい。