表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の月陽に照らされて  作者: 伊集院 大和
2/111

四十雀



夏を過ぎ

少し肌寒く感じる

涼しい秋の頃を想い

梅雨にも似た暑さに耐えながら

私という人物が この世に存在していた証を

ここに残せたら


紀貫之からの流れを汲む

伊集院忠棟の死により

1度は滅亡とされた私達一族の想いと

日常の出来事を文面に残していけたら

この平和もいつか覆されぬ内に

そう想いながら 描いているのである。






同じように 暑さの続く2週間




雲が架かった淡い水色の空に

オレンジ色の陽が混わる明け方の頃



朝が来るのを知らせているかのように

鳥のさえずりが聴こえ始めていたが



朝日が昇り来る空の下

この暑さは 異常気象なのか


もし雨が降れば

毎朝の鳥のさえずりさえ雨音に閉ざされ

聞こえなくなるのでなかろうか


そう想って過ごしたこの2週間


前日の夜中の仕事と

いつもの朝からの配送の仕事を終えた


2日後の月曜日の夜

仕事を終えた帰りの信号待ちで

久しぶりに懐かしい声を聴いた


緑地に差し掛かる手前の信号横の田んぼから

蛙の雨乞いの声が 聴こえたのである



その雨乞いにも似た 蛙の声を聴いた時に

もう直ぐそこに

梅雨が 待っているのかと想ったが

現実は 違った


雲が架かった空の色は変わらず

唯々 雨が降りしきるばかり


久し振りに降る雨の中を

今日は 鳥のさえずりは 聞こえないのか


そう想いながら 明け方の雨空の下を

車で会社へと急いだ



会社からトラックを置いている駐車場へ向かい


トラックを出したスペースに

自分の乗っている車を止めた頃


駐車場から 道を挟んだ

木々の生えている

小さい池がある公園の方から

鳥のさえずりが聴こえたのである


こんなにも降りしきる雨の中を

雨音に負けじと鳴いている鳥がいる


もしやこの雨は直に

晴れてくるのでは なかろうか


そう想うと 心の中で

今日も1日大変だけど

なんとか乗り越えて来るから

そう 鳥に伝えたのである


トラックに荷物を積み込み

納品を終え

ずぶ濡れの頭をタオルで拭い


小雨に変わる雨の中を

次の仕事の為に いつもの所へ

戻っていくさなか


もし今日の雨で

鳥のさえずりにも似た声を

聴くことがなければ

憂鬱な気持ちのまま

仕事をしていたのだろう


その声を聴くことが

楽しみになり 1ヶ月目に差し掛かるが

何故 私が鳥の声を聴くと

気分が爽やかになり

穏やかな気持ちに変わっていったのかを

ここで 知って頂こうと想う


つい 今から数ヶ月前の春の頃に

何とも言えない 辛いことがあり

辛いことを忘れるために

インターネットにて検索した事が

その時の私の気分を

少しずつ和らげたのである



毎朝早くからの仕事の割に

遅くまで残業の毎日に疲れ

世間の様に休みもなく

自由をも奪われ


もうそろそろ引退しようかと

想うこともあったが


毎晩の様に見る夢を検索したり

明け方に 聞こえてくる鳥を検索したり

私は恵まれる事はないのかと想い

物は試しで手相を検索をしたりしたのである


スピリチュアルという現象も検索し

当たっている事もあり

日を追うごとに変わってくる

自分の手相を検索し

ダブル十字線 神秘十字線 その他を見つけ


仕事を辞める事は いつでも出来る

働き先を見つける事さえ困難な今

仕事をしながら何か出来ることは無いものかと

考えていた


南国の故郷に住む

油絵画家の祖母に電話を掛け

二科展にて賞を取った

写真家の伯母が 本業の栄養士の仕事よりも

趣味でしている写真家の方が忙しくなり

北九州や東京へと 新幹線にて

行っているのを 画家の祖母から聞き


私も 本業の傍ら

ここで 普段想う事や 長年秘めた想いを

掲示板とは違う このキャンバスで

描いていけたらと 想っていたのである


ここに来た頃は

私のルーツとなる先祖や

系図を調べていく中で

スピリチュアルな現象と

行った旅先での感じた事

旅先で私の中に入った霊や

その後の現象体験を残したと想う


手相を見ると 両手にある手相や

線により 先祖から守られている事が

インターネットにより判明し


色々と描いて行く中で

自分の中で何かが変わって行き

毎朝のように 聴こえてくる

鳥のさえずりにも似た声が楽しみになり

いつ某国から望んでいない届け物が来るのか

不安もあり

余計に子供の頃 好きだった自然や

よく見ていた空 日常の出来事を

描いて行こう

このインターネットの時代に

画面に向かう事もいいが

空を見上げ 風を感じ

この空の下から見上げる日常を

残していこう

描く言葉のスタイルも

自分の脳内から溢れてくる言葉で描き


演じていく必要もない

自然と流れていく時を想う

ありのままの言葉で描いていこう

そう想いながら


雨に濡れた 翌日の朝を迎え


外には いつものように

ちゅぴちゅぴ と鳴く

さえずりを聴きながら

休みの1日の中を 過ごしていたのである。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ