四十雀
夏を過ぎ
少し肌寒く感じる
涼しい秋の頃を想い
梅雨にも似た暑さに耐えながら
私という人物が この世に存在していた証を
ここに残せたら
紀貫之からの流れを汲む
伊集院忠棟の死により
1度は滅亡とされた私達一族の想いと
日常の出来事を文面に残していけたら
この平和もいつか覆されぬ内に
そう想いながら 描いているのである。
同じように 暑さの続く2週間
雲が架かった淡い水色の空に
オレンジ色の陽が混わる明け方の頃
朝が来るのを知らせているかのように
鳥のさえずりが聴こえ始めていたが
朝日が昇り来る空の下
この暑さは 異常気象なのか
もし雨が降れば
毎朝の鳥のさえずりさえ雨音に閉ざされ
聞こえなくなるのでなかろうか
そう想って過ごしたこの2週間
前日の夜中の仕事と
いつもの朝からの配送の仕事を終えた
2日後の月曜日の夜
仕事を終えた帰りの信号待ちで
久しぶりに懐かしい声を聴いた
緑地に差し掛かる手前の信号横の田んぼから
蛙の雨乞いの声が 聴こえたのである
その雨乞いにも似た 蛙の声を聴いた時に
もう直ぐそこに
梅雨が 待っているのかと想ったが
現実は 違った
雲が架かった空の色は変わらず
唯々 雨が降りしきるばかり
久し振りに降る雨の中を
今日は 鳥のさえずりは 聞こえないのか
そう想いながら 明け方の雨空の下を
車で会社へと急いだ
会社からトラックを置いている駐車場へ向かい
トラックを出したスペースに
自分の乗っている車を止めた頃
駐車場から 道を挟んだ
木々の生えている
小さい池がある公園の方から
鳥のさえずりが聴こえたのである
こんなにも降りしきる雨の中を
雨音に負けじと鳴いている鳥がいる
もしやこの雨は直に
晴れてくるのでは なかろうか
そう想うと 心の中で
今日も1日大変だけど
なんとか乗り越えて来るから
そう 鳥に伝えたのである
トラックに荷物を積み込み
納品を終え
ずぶ濡れの頭をタオルで拭い
小雨に変わる雨の中を
次の仕事の為に いつもの所へ
戻っていくさなか
もし今日の雨で
鳥のさえずりにも似た声を
聴くことがなければ
憂鬱な気持ちのまま
仕事をしていたのだろう
その声を聴くことが
楽しみになり 1ヶ月目に差し掛かるが
何故 私が鳥の声を聴くと
気分が爽やかになり
穏やかな気持ちに変わっていったのかを
ここで 知って頂こうと想う
つい 今から数ヶ月前の春の頃に
何とも言えない 辛いことがあり
辛いことを忘れるために
インターネットにて検索した事が
その時の私の気分を
少しずつ和らげたのである
毎朝早くからの仕事の割に
遅くまで残業の毎日に疲れ
世間の様に休みもなく
自由をも奪われ
もうそろそろ引退しようかと
想うこともあったが
毎晩の様に見る夢を検索したり
明け方に 聞こえてくる鳥を検索したり
私は恵まれる事はないのかと想い
物は試しで手相を検索をしたりしたのである
スピリチュアルという現象も検索し
当たっている事もあり
日を追うごとに変わってくる
自分の手相を検索し
ダブル十字線 神秘十字線 その他を見つけ
仕事を辞める事は いつでも出来る
働き先を見つける事さえ困難な今
仕事をしながら何か出来ることは無いものかと
考えていた
南国の故郷に住む
油絵画家の祖母に電話を掛け
二科展にて賞を取った
写真家の伯母が 本業の栄養士の仕事よりも
趣味でしている写真家の方が忙しくなり
北九州や東京へと 新幹線にて
行っているのを 画家の祖母から聞き
私も 本業の傍ら
ここで 普段想う事や 長年秘めた想いを
掲示板とは違う このキャンバスで
描いていけたらと 想っていたのである
ここに来た頃は
私のルーツとなる先祖や
系図を調べていく中で
スピリチュアルな現象と
行った旅先での感じた事
旅先で私の中に入った霊や
その後の現象体験を残したと想う
手相を見ると 両手にある手相や
線により 先祖から守られている事が
インターネットにより判明し
色々と描いて行く中で
自分の中で何かが変わって行き
毎朝のように 聴こえてくる
鳥のさえずりにも似た声が楽しみになり
いつ某国から望んでいない届け物が来るのか
不安もあり
余計に子供の頃 好きだった自然や
よく見ていた空 日常の出来事を
描いて行こう
このインターネットの時代に
画面に向かう事もいいが
空を見上げ 風を感じ
この空の下から見上げる日常を
残していこう
描く言葉のスタイルも
自分の脳内から溢れてくる言葉で描き
演じていく必要もない
自然と流れていく時を想う
ありのままの言葉で描いていこう
そう想いながら
雨に濡れた 翌日の朝を迎え
外には いつものように
ちゅぴちゅぴ と鳴く
さえずりを聴きながら
休みの1日の中を 過ごしていたのである。