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5-洞窟ドウクツDOUKUTU……

なんとか……本日中……がはっ


「うーむ……」



樹入は悩んでいた。

腕を組み顔を上げ悩んでいた。

樹入の目の前には洞窟の入り口があり、そこに入るかどうかで悩んでいた。



「どうしよっかなー。草原か洞窟、うーむ……」


普通に考えれば草原だろう。

見渡しが良く敵をすぐに見つける事が出来るから。

しかし、それは相手も同じで、俺を見つけたら即座にこちらへ駆け寄り、攻撃してくるだろう。


そうなったらお終いだ。

低いステータスのせいで戦えないし逃げてもすぐに捕まってしまう。

スライム状態だったから気付かれなかった、斧のゲンタや、人が多くいて助かった山吹の時とは違うのだ。

この草原で見つかったら終わり。

我ながらハードすぎる。


そして、本当ならここであまり時間をかけたくないのだが……。

誰がいつ来るかも分からないし。


うーん……。と再び考え込む。

本当ならここであまり時間をry

少しの黙考の末、出した結論はーーー



「ま、とにかく中入ってみるか」



軽〜い感じで、スナック菓子くらいの軽さで中に入ることを決める。

もたもたしてたら背後から不意打ちアタックをキメられてしまうから、とっとと洞窟へ入る。

洞窟って暗そうだな。

あとなんか肌寒いし。



Now Loading…



「あんまり暗くはないな」



やけに響く声で独り言を呟く。

洞窟の中は思ったより明るく広い。

ところどころにある鉱石が、淡い光がを放ち、洞窟内を照らしてくれる。

それでも暗いことは暗いのだが。


俺は足元に気を付けつつ先へ進む。

特にモンスターなどとは出会わなかったが、少しばかり冒険者にとっては厄介なものに出くわす。


それは分かれ道。

二つの方向に別れており、冒険者を苦しめる、いわばダンジョンにとっての砦のようなもの。

ここは、普通なら迷うだろう。普通なら。

だが、俺は迷わない。

迷わず右を選択。そのまま進む。

右を選んだのには深い、深ーい、マントル海溝より深い訳があるのだ。


堂々ーーーとは出来ないので、壁に背中を付けながら、ゆっくり警戒しつつ進んでいる。

分かれ道があったら右。これは教訓だ。


そして、チキーーーではなく、周りを警戒しつつ慎重に進む。決してチキンではない。

そうして進んでいると、一匹のモンスターを見つけた。

コウモリみたいな奴だ。


パタパタとせわしなく飛んでいる。

すぐさま安心と信頼の鑑定を発動。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ローバット:E

LV:4

HP:50

MP:25

攻撃:18

防御:12

魔攻:15

魔防:9

俊敏:20


スキル

『吸血:E』『爪攻撃:E』『超音波:E』

『索敵:E』


ユニーク

『暗視:D』『飛空:D』『素早さUP』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おわっ!!何だこのステータス!!

俺より強いじゃん!

か、勝てるかな……。

いや、でも勝たないと先通れないっぽいし、相手一人だし、まだこっち気付いてないし。


……こう、背後からスパッと斬れないものかね。

いけなくはないが、もし失敗したらと考えると…

どうする、やめるか?

……いや、不意打ちでやるんだ。絶対うまくいく。

やるだけやって、失敗したら逃げよう。

まともに戦いたくない。


決意を固めた俺は、そーっとコウモリに近づく。

相手は気付いていない。


……大丈夫、ばれてない。いける。

そう確認し、剣を頭上へ持ち上げる。

そしてそのまま振り下ろす!



「ギィイ!?」



見事ーーーとは言い難いが、剣はコウモリの羽根を根元からもぎ取り、コウモリは地面へ落ちた。

何も出来ぬまま息絶えてゆく。

やがて、コウモリがアイテムになったころ、システムの声が頭に流れる。



【スキル『吸血:E』『爪攻撃:E』『超音波:E』『索敵:E』、ユニーク『暗視:D』『飛空:小』『素早さUP』を入手しました】



やった!これで少しは楽できる!

……それより、レベルは上がんないんですね。

まぁ良いでしょう。このスキル手に入ったから。

早速、魔物化魔物化♪


……おっ、視点が低くなった。

やっぱ小さいのは慣れないなー。

にしても、この羽根!!

見ろよ!飛べるんだぜ!

初めて空を飛んだわー。


ま、それはおいといて。

ユニークにあった『暗視』のおかげで見えやすい。

あると無いとじゃ全然違う。

これは良いもの貰ったなー。



『ビーッ、五人目死亡確認』



うおっ!ビックリしたぁ!

いきなり来るなよー。怖いから。

……それにしても、もう五人か。

いつ俺の番が来るか分からないので、常に警戒しないといけないな。

五人って事は、先生含めあと26人か……。


少し重い気持ちで歩きーーーいや、飛び進む。

小さい羽根をパタパタしながら飛び進む。

暗い道のりを、飛び進む。

すると、やけに明るい場所が見えた。

そこにいたのはーーー



「シュルルルルル」



ーーー蛇の威嚇する姿でした。

よし、逃げよう。

も、もうすぐ悪魔になるから!

本当だよ!本当……。

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