1-俺YOEEEEEEEEEEEE
ノリで書きました!
目指せ毎日更新!
俺こと平山 樹入は洞窟の壁に寄りかかり、頭から血を流しながら、横に倒れている鳥型のモンスターを見る
大きなくちばしに、一つ穴が空いた目。
確かコカトリスとでもいったかな?
そいつを俺が倒した。
といっても、俺も瀕死で運良く倒せたものだが
どうしてこうなった。と天井を見上げる。
突如クラスが異世界転移したはいいものの、弱すぎて誰にも勝てず、結果は死だ。
俺はもうすぐ死ぬだろう。これだけの怪我と出血だ。助かる見込みは無い
だが、生きる方法ならある。人間を辞めてでも生きるのであれば、それもいいかもしれない。
これは神様からの最後のチャンスーーーいや、悪魔からのチャンスか。
俺の目の前に展開されたメッセージ。
そこにある言葉をもう一度良く見てみる。
『一定の条件を満たしました。悪魔になる事が可能です。悪魔になりますか? YES/NO』
俺の命はあと僅か。
けど、悪魔になれば生きる事ぐらいは出来るだろう
しかし、それは人間を辞める事になる。
これは、死ぬか、悪魔に手を出すかの二択。
俺はもう決めていた。どちらを選ぶか……
…………。
俺は平山 樹入。
少し変わった名前だと言われているが、俺はこの名前を結構気に入っている。
あだ名はそのまんま、キーリだ
現在は高校一年生。
春に入学してもう六ヶ月が経っている。早いものだ
その間に俺はあまりクラスに馴染めていなかった。
元々人付き合いが苦手で、何より俺の知り合いが一人も居なくて、結果、クラスには馴染む事ができなかった
それでも、嫌味を言う輩は何人かいたが、大半の人は悪くない関係だった。
たまに話し掛けて来たり、会話を交わす程度には出来る関係になれた。
それに、友達と呼べる女子も出来た。
世話好きの子で、西井 葵という子だ。
学校での人気は高く、俺とは別次元の存在。
それでも、向こうから話かけてきてくれて、俺は友達だと思っている。
絡んで来る奴はうざいが、まぁ楽しめてるし良いかと思えるような人生は送れていた
しかし、そんな中、事件は起きた。
それは、俺たちがいつもの様に数学の授業を受けている最中、唐突に、何の前触れも無く、俺たちは転移した。
本当に突然の事だったので俺たちは状況が理解出来なかった。というか気付かなかった。
教室から、薄暗い部屋へ転移した事に。
先生は、普通に説明を続けていて、黒板に書こうとするところで止まった。
クラスの人達も、ノートに書こうとするところで止まった。
なにせ、座っていたはずなのに、いつの間にか立っていて、机も椅子も無くなっていたら普通はそうなるだろう。その上、窓も扉も無い教室ぐらいの大きさの部屋に突然いたら
そして、驚きは徐々に悲鳴となっていった。
キャーッ、やらウワァーッ、という声がどんどん大きくなっていく。
俺は残念な事に悲鳴さえ出せず呆然としていた。
そして、どんどん大きくなる悲鳴。
中には泣いている人までいる。
止めるのは不可能と思われたが、一人の大きい男の声が、場を静めた。
「静まれッ!!」
暗い部屋に響く声。
それは泣き出している者や、逃げだそうと壁を叩いている人の動きを止め、場を静かにさせた。
なぜだか分からないが従わないといけない気がした
「とりあえず落ち着いて貰おうか。おちおち話も出来ん」
その男に見覚えは無かった。クラスには居なかったはず。
という事は、俺らをここへ呼んだ者。
見れば、皆もその結論に行き着いたのか、男の方を向き、地面に腰をおろした。話を聞く体制だ。
そんな俺らの様子を見て、男は頷き、話始めた。
「まず、勘付いてるかもしれんが、君たちをここへ転移したのは私だ」
クラスがざわつく。
気付いてはいたが、そうでは無いと心の中で祈っていた。
その希望が壊された今。現実と向き合わなければいけないようだ。
そして少し時間が経つと、クラスがざわつきを止め、男が話す内容に集中する
「なぜ君たちを選んだかというと、君たちはこの世界で“適性”が高かった。ああ、無論君たちの世界ではなく、今いる世界の話だ」
そんな理由で転移させられたのか。
驚きが大きいらしく、クラスが先程より一段大きくざわつく。
俺もこの話に頭が追い付くのに必死だ。
男はなおも話続ける
「そして、君達は優れた力を持っている」
優れた力……?
なぜそんな事が分かるんだ?そしてなぜ俺たちが?
疑問はいくつかあった。
それでも、分かる事は一つ。俺たちを特別扱いして何かしようというものだろう。
優れた力を持っているからといって何になる
しかし、俺の予想とは違い、クラスは主に男子が歓声をあげていた。
男を見ると、満更でもない様子で生徒らを見ている
「では、これより知識を配布する」
男がそう言うと、男の手から光がクラスにいる人数分発生し、一人ずつ頭の中に入って行く。
勿論俺にも。
光が入った瞬間、少し頭痛が起きる。
我慢出来ない程ではない。
その頭痛が収まると、俺の記憶がおかしくなっていた。
というのも、なせだかこの世界の事が分かる。
魔法も、スキルも何もかもが
「驚いたか?それはこの世界の知識だ。それと同時に鑑定スキルも渡しておいたから、それで自分を鑑定してみるといい。やり方は……分かっているな」
鑑定というと、ウェブ小説のサイトではよくあるものだが、そんな知識無くとも、俺にはーーーいや、俺たちにはやり方が分かっていた
皆が、矢継ぎ早に自分に鑑定をしていく。
それを見て俺も自分に鑑定スキルを使う
すると、俺の目の前に液晶のような物が出現し、次々と文字が書かれていった。
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ヒラヤマ キイリ
LV:1
HP:25
MP:10
攻撃:5
防御:3
魔攻:5
魔防:3
俊敏:10
スキル
『魔物:E』『鑑定:ー』
ユニーク
『熟練度UP』
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このスキルというのが使えるもの。
そしてユニークというのが常時発動しているものらしい。
スキルとユニークにはランクというものが存在し、SS.S.A.B.C.D.Eの七つに分けられている。
これらはスキルを使えば使うほど、ランクが上がるようになっているらしい。
俺はそれを眺めて思う。
うーん。それにしても、何というか、微妙だ。
攻撃も弱いしスキルも鑑定除いたら一つだし、俺弱すぎじゃないか?
もしかしたら皆もそうかな?じゃあ、近くにいるあいつにでもーーー
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シラカワ シュン
LV:1
HP:1020
MP:500
攻撃:800
防御:600
魔攻:500
魔御:200
俊敏:650
スキル
『炎魔法:C』『水魔法:C』『雷魔法:D』『氷魔法:B』『光魔法:D』『闇魔法:C』『剣波:C』『斬撃:A』『索敵:D』『隠密:D』『衝撃波:B』『鑑定:ー』
ユニーク
『魔法攻撃UP:小』『剣技UP:中』『受け身:小』『HP自動回復:小』
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絶句した
なぜこんなに強いんだ。俺が弱いのか?
いや、他の人を鑑定すれば分かるはずだ
その他にも、俺は三人に鑑定したが、このシュンって奴とあまり変わらなかった。
これでようやく分かった。
俺が、弱過ぎるんだ。
もしかしたら誰か俺の様に弱い奴がいるかもしれない。
しかし、その期待は呆気なく崩れた。誰かが俺を鑑定した時に。
「おい!キーリを見ろよ!弱いぞこいつ!」
それは誰が言ったのか分からないが、クラスの皆の鑑定を俺に向けるには十分だった。
次々とクラスメイトが俺を鑑定し、笑った。
「ぶっ、お前嘘だろぉ!?よ、よ、弱過ぎぃ!!」
「す、ステータス一桁って!超ウケるんだけど!」
その後もゲラゲラと笑っていた。
俺は助けを求めるべく男を見たが、その男の俺を見る目は、冷めきったものだった。
俺は、嘘ではない事を確信する
「静まれッ!!確かにハズレはいたが、お前たちは紛れもない適性者だ!それでも油断はするな!この世界ではすぐに死ぬからな!」
男の言う“ハズレ”とは俺の事だろう。
クラスメイトはもう馬鹿にはしていないが、俺の事を軽く見てるに違いない。
今に見てろ、そのうち強くなってやる。
俺の心情も知らずクラスメイト達は男の話を聞いていた。
そんな中、一人の生徒が手を上げ男に質問する
「あの、結局のところ何がしたいんですか?」
どうやら全員それが気になってたらしく、皆が答えを待つ。
皆が見守る中、男はよくぞ聞いてくれた。と言う様に答える。
低い声で、それでいて聞き取りやすい声で答える。
「“殺し合い”だ」
瞬間、俺たちはその場から消えた。