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奴隷狩り

 のれんから少しだけ頭を覗かせて見る。

 馬に乗ったごっつい男が集団の中から数人降りて、商人達がほったらかしにして行ってしまったお店の商品をあさって、大きな袋に詰めていた。


 「ここら辺は電気消えてやがるし、もっと奥に逃げたのかぁあん? ……ちっ」


 と再び馬にまたがり、さっさと走っていってしまう。

 自分の家はちょうど電気がついていなかった。めっちゃ幸い‼

 様子を伺おうと、馬達が過ぎ去っていった方向に首を向ける。


 その先には、二階の小窓から秘かにこっちだよと手招きしている女性が見える。

 手招きしている女性の目先を辿って行くと、その女性の子供らしい女の子が、てくてくと歩いていて。


 「おい、ガキだ。」


 え、ちょ、ヤバい。

 奴隷商人が女の子の肩を掴む。

 女性は手で口元をおおい、涙を滲ませている。


 「へぇ? おじちゃん、だぁれ?」


 女の子の間抜けな声も聞こえる。


 「あ? おじさんだと……?」


 「あ、ぁ……もしかして、どれーしょーにん……?」


 男の体で良く見えないが、女の子が暴れだした。


 「いやっぁああああっ! 離して!」


 「暴れるなガキ! 捕まえたぞ。おら、入れ。」


 手足に鎖をじゃらじゃらとつけられると、そのまま馬の引いていた荷物を置く所みたいな荷台に積み込まれた。

 やべぇ、奴隷狩りとか目の前で初めて見たわ……。

 それから、パカリパカリと蹄を鳴らしてどこかに行ってしまった。


 「こりゃ、ヤバいな……」

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