平民暮らし
「いだだだだだ。」
ぽいっ。
ドスッ。
「痛いって!」
「そんな事、知ってますわ。」
まだ痛い腰やらをさすりながら、辺りを見回す。
さっきまでいた、汚いベッドやらは無くて、沢山の家と、生活感溢れる、その場所。
「おぉ、さっきより凄いマシ。」
「平民だからね。」
「ここに住むの?」
「そ。」
真っ黒いやt・・・
・・・睨まれた。
コメンの後について、町を見て回る。
皆、昔の、植物でできている服みたいなのを着ている。
「雅也の家はここだよ。」
「ここか。」
悪くない。
「どういたしまして。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「罪悪感とか無いの?」
「考えたこと無かった。」
「・・・・・・・・」
ベッドも普通にフカフカとしていそうで、椅子もあって机もある。 電気も。
「これからここで暮らしてね~」
「また住むとこ変わったりとかしない?」
「それは知らない。」
そう言って、家から出て行こうとする。
「あぁ、そうだ。」
と、振り返って。
「何?」
「この近く・・・そんな近くは無いけど、半日以内で歩いて行ける所らへんに・・・」
「ん?」
「奴隷狩りで捕らえた奴隷とかを飼いならしてる所とかあるから。」
「つまり、どういう?」
「君も、奴隷狩りされないようにね。」
「・・・・・?」
「捕まったら、扱いも酷くて、苦しいよ。 君が平民を選んだ意味も無くなっちゃうから。」
そう言って、出て行った。
「奴隷狩り・・・・・・」
想像してみる。
奴隷とかの暮らしなんて、誰でもほとんどは想像できるだろう。
重くて、鎖やらをジャラジャラとつけた手枷や足枷をつけられて、それを引きずって歩いて。
一番偉い奴らに命令されたこととかを黙ってやって、お偉いさんの機嫌を少しでも損ねたら、叩かれて、殴られて、蹴られて。
俺の中でのイメ-ジはこんなもんだが。
絶対、奴隷なんかにはなりたくない。