命令1 〔 奴隷になるか、平民になるか。 〕
「一つ目の命令は・・・?」
「選択。」
「ん? お、おう。」
初めは命令じゃないのかな。
真面目に対応しちゃう俺。
ジャジャンッと、効果音をつける。
「奴隷になるか、平民になるk・・・」
「いや平民の方が絶対良さそうでしょ。」
「「・・・・・・・・・・」」
即答。
「・・・・平民ですか?」
「え、うん。 どう考えてもそっちの方が良さそう。」
「本当に? 本当の本当?」
・・・・何なんだコイツ。
「真っ黒いのですけど?」
「・・・・・ん?」
「ん?」
「俺・・・今、何も言ってないよね?」
「何なんだコイツ、って思ったじゃん。」
「・・・・・心読めるの・・・!?」
「あ、はい。」
聞いてないぞ。
「教えてない。 大体、【真っ黒いやつ】って失礼な。」
「何も聞いてないもん。」
「僕は、お米族・・・」
「米?」
「お米族の、【コメン】」
え、何ですかそのダサい名前h・・・
「ダサいですって?」
「ごめんなさいすみません。」
「・・・・で、平民になるのですね?」
「あ、はい。」
「・・・僕、君の未来が昨日、一瞬だけ見えたんだ。」
「それが?」
「本当に平民で良い?」
奴隷よりはマシでしょうよ。
「・・・そうか、じゃあ、平民ね!」
そう言うと、また俺の襟を引っ張って、ズリズリと引きずってくれやがる。
「だから痛い!」