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話の流れは大体主人公で決まる。  作者: 櫻井 千桜
6章 話の修正部分は大体場所で決まる。
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60/69

60. 話におけるダメージは大体主人公で決まる。

さて、ギルド≪loudness≫団長エドガー・デ・ラヴィーヤVS漆黒の転生者サツキ・アリスガワ、後編です!いよいよ、二人の闘いに終止符が打たれるかも...!?


それでは、どうぞ!


 壁に思いっきりぶち当たる。当たった反動で体が仰け反り、ふわっと浮く。だが、口からは「かはっ。」という無理に空気を押し出した感覚と、壁に叩きつけられた背中の痛みしか感じられない。思わず限界まで目を開く。そのまま膝から地面へダイブする。砂さん、こんにちは。全身の痙攣が止まらず、顔が歪む。しかし、エドガーの足音は静かに此方へとゆっくり進んでいる。早く立たなければ。そして、次の手を打たなければ...!


「あまり女の子に傷を付けたくはないんだけどな。これはあくまで真剣勝負だからね。」


そう言って微笑むエドガーには顔を向けず、俯き、剣を地面に深く突き刺す。それを支えにして何とか立ち上がることに成功。剣に全体重を掛けていく。両足は生まれたての小鹿状態だが、そんなのを気にしていられるほど余裕はない。しっかりと立てるようになったら、今度は剣を地面から抜き、逆手に握り直す。両目は閉じているが、エドガーが驚く気配を感じる。攻撃を仕掛ける様子は感じられない。私は壁との正確な距離を、先ほどの激突で読み取っていた。壁の破片が飛び散るとか、器物破損だとか、そんなことは一切考えず、壁に全力で大剣を突き刺した。しっかりと動かなくなるまで刺した後、ゆっくりと目を開く。やはり、エドガーは笑顔を忘れて目を見開いている。


「何をするのかと思えば...。君は馬鹿なのかい?」


エドガーは言いつつ笑顔を取り戻していく。相変わらず余裕ぶっているようだ。今すぐその顔を歪ませてやる。


「それはどうでしょう?」


私も笑う。言い終わると同時に、エドガーは地面を蹴って突進してくる。私は柄を強く握り、体を剣に近づける。それが逃げの姿勢だと捉えたエドガーは、面白くなさそうな顔へと変える。ギリギリまで近づき、先ほど同様の溝内攻撃をすると見切った私は、直前まで動きを悟らせないように身構える。そして、好機だと思った瞬間、体重を剣に掛けた。そして、両足を浮かせると同時に両足を曲げ、バネのように勢いよく伸ばす。これぞ、所謂ドロップキックだ。すると、両足は見事にエドガーの腹にクリーンヒット。私の全体重が乗っかった一撃に、驚きの表情を隠せていないエドガーは、私同様エビのように飛んだ。


逃がすもんか。私は追撃をするべく疾走する。追いついた瞬間、左足を軸として回し蹴りを開始。しかし、大きな盾で防がれ、そのまま盾の下部で、がら空きになった腹に突きを喰らう。またか、と思いつつ、吹っ飛ぶ体をわざと地面に叩きつける。そうすることで、私の体は砂埃に包まれた。エドガーが土煙に突っ込んで来るのは予測済みだ。


エドガーが私の居たであろう位置に着くも、私の姿が見当たらず辺りをキョロキョロと見回す。それが狙いなんだよなぁ。


 私は気配を消し背後に回り込む。そのまま飛び上がり、隠し持っていた双剣を突き刺すように構える。それに気付いたエドガーは、回転して剣で防ごうとする。キィィィィンという剣同士が激しくぶつかる音が会場上に轟く。


「惜しいね。攻撃方法としては少し卑怯な気はするが、まぁ、真剣勝負に卑怯も何もないか。」


 少し顔が歪んではいるが、まだまだだ。私は最初から、自分の剣をエドガーの体に当てるつもりはない。要は、エドガーが傷つけばいいのだから。


「...別に狙ってませんよ?あなたの体なんか、一ミリの興味もありません。」


...何か言い方がチョットばかり卑猥に聞こえなくもないが、言いたいことはこれなのだからしょうがない。


「ピキッ。」


微かにひび割れた音。それはだんだん大きくなっていく。しかし、エドガーはまだ、音の正体に気づいていない。私は自然と笑顔になる。


「...勝った。」


私の小さな一言を、エドガーは聞き逃さなかった。目をこれでもかと見開き、「まさか...。」と呟いた時には、時すでに遅し。



 エドガーの持つ魔剣クラスの剣は、ギルドの初期装備である双剣を一点に絞り思いっきり力を加えることにより、少しずつ耐久度は落ちていった。エドガーの体に傷を付けることは、どれだけ強くても簡単にできることではないと悟っていた。だから私は初めから、エドガーの武器に目を付け、砕けることを願い、片手剣を装備した時からずっと、剣の耐久度を減らすことだけを考えていたのだ。そして、見事予想通り、剣は大きな音を立てて砕け散ったのだ。折れた破片がエドガーの頬を掠ったことにより、私の勝利が確定した。



「...しょ、勝者、黒き転移者サツキ・アリスガワ。」





審判の男の情けない声で、私達の闘いは幕を閉じた。

...はい。何とか新章行く前に決着がついて良かったです。そして、魔剣クラスのほぼほぼ最強の剣を、ギルドの初期装備で破壊しちゃったサツキちゃん。...自分で書いといてなんですが、恐ろしい子ですね。しかもかなりの策士ですよこの子。何なんですかね?(汗)。


そんなこんなで、『6章 話の修正部分は大体場所で決まる。』は一旦終わりたいと思います。次回からは7章に進んでいきたいと思います。読んで下さり、ありがとうございました!次回もお楽しみに!

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