5. 話の笑い所は大体主人公で決まる。
叫び続ける白もやし。それを白い目で見続けるグラン青年。
前回までの流れを一文で表すと、何だかカオスですね(苦笑)。
しかも未だ大草原にいる、という状況も、いい加減脱したいと感じる今日この頃です。
「ぜぇぜぇ...。」
ひとしきり叫んで酸欠になった俺は、必死に酸素を体内に吸収すべく、新鮮な空気を求めた。その間、グランは腰に手をあて、俺の悲惨な姿に呆れていたんだが...。
「満足したか?」
やれやれ、みたいな顔して言うなよ。何か、スゲー餓鬼みたいじゃんか。
「餓鬼だろ。」
おい、真顔でツッコんでくんな!!
「つーか、別によくないか?変な色してっけど、その見返りに強力な魔力が手に入んだぞ?魔力の少ない俺からしたら、羨ましい限りだぜ。」
はぁ?何言ってんだこいつ。
「それに、考えてもみろよ。この世界で暮らすには、それなりの魔力が必要になるんだぞ。生活必需品なんかは、自身の魔力で動かしたりすんだから。キイロケイコークサに触れず、お前の魔力が全然無くて、即おじゃんとか、笑えねーだろが。」
...確かに、それは一理ある。けど、俺は...!
「...ってかさ、俺、そろそろ移動したいんだけど?お前はどうすんの?此処に残るのか?俺と一緒に町に行くのか?どっちか選べ。」
...おい、ちょっと待て。俺たち何で今、会話が成立してんの?だって、俺、心の中で言ってるはず...?
「お前、さっきから、心の声ダダ漏れ。全部口から出てんぞ?」
何言ってんだこいつ、頭大丈夫か?みたく言うな!
...って言うか、マジで俺、心の声出てたんだ。知らなかった。軽くショックかも...。
「んで?お前はどうしたいんだよ。」
グランはそれでも優しい男だった。いきなり現れた変人な俺に、きちんと選択肢をくれる。良い奴に巡り合えて本当に良かった。
「...まぁ、お前が魔族とか、別の種族の奴だって分かったら、即刻敵とみなし、お前の首を刎ねる予定だから、覚悟しとけよ?」
...前言撤回。こいつやっぱり物騒な人間だった。俺、マジで魔族とかじゃない自信あるけど、異分子だって判断されたら、即ジ・エンドだ。どーしよう!!
「まぁ、そんな絶望的な顔しなくったって、お前が俺を裏切らなければ、殺したりはしねーよ。知らなかった事実に対して俺が切り込んだところで、後味悪いしな。」
え、それって...
「俺が一番嫌いなのは、仲間や友人とみなした相手から裏切られることだ。少なくとも俺はお前を気に入ったからな。絶対に、俺を失望させんなよ?」
「グラーーーーーン!!やっぱりお前、超良い奴だよ、見直した!俺もし女だったら本気で惚れてたかも!!」
「よせよ。照れるから、そー言うの。」
グラン最高!!何この好青年!スゲー!こんな良い奴、俺が今まで会った中でいなかったぞ?漫画とかドラマとかゲームとか映画の中くらいにしかいないと思ってたから...。何か俺、今スゲー感動してる!
「ほら、もー良いか?良いなら行くぞ?」
そう言ったグランは、口笛を吹いた。何か、意味のあることなのか?
「なぁ、何で口笛なんだ?」
「あ?何でって、そりゃあ...」
グランは上を見上げる。俺も不思議になって天を見た。
ドラゴンが俺たちの頭上を飛んでいた。
マジデスカ(本日多分二回目になると思うんだが)。
ドラゴン登場回でした!いやぁ、ドラゴンって、響きがカッコイイです!ドラゴン好きです。なので、次回は、ドラゴン大活躍回にしたいなぁ、何て考えています。更新は、少し遅くなるかもしれませんが、どうぞ、お楽しみに!!