3. 話掛けてくるキャラクターの性格は大体主人公で決まる。
蛍光の黄色がかった手の主人公は、未だに草原でボッチです。
しかも、一話間ずっとしゃがんだまま...。
俺は蛍光色になっちまった指を弄りながら、立ち上がった。
周りを見回してもやっぱり草原な訳で、1ミクロンも面白要素がない。
...いや、確かに蛍光色の猫じゃらしも、かなりのインパクトあったけどさ、やっぱり異世界って言ったら冒険だろ?勇者に魔王にお姫様だろ⁉俺的には、剣士か魔法使いになって、パーティー内の可愛い聖女との恋愛を繰り広げたいなぁ...。
とか、まだこの世界の住人と、誰一人出くわせてないんだけど。妄想位はさせてくれ。俺、末っ子だったし、一人に慣れてなかったから、今の状況は、結構キツイ。ウサギよろしく、寂しいと死んじゃうよ~...何てな。柄にもなくそんな思考が、頭のなかを駆け巡ってる。俺、一様今までは無口系クールキャラで通っていたんだけどな。まあ、あれだな、孤独は人を変えるってやつだよ、きっと。いや、そうでないと俺的に困るんだけど。
そんなことはさて置き、さっきの猫じゃらし以外にも何か特徴的なものないか、探してみようかな。そうしていれば、何処かにたどり着くかもしれない...
「お前、誰だ?」
はい、今の、俺の独り言とか思った?んな訳あるか。違うよ、大体、俺こんな、ちょっと掠れた低い声なんかしてないから。
つーか、下向くと何か予想以上にでかい影が...。俺は、恐る恐る後ろを振り返る。
...ヤバい、今すぐ家に帰りたい。だって、怖すぎんだろ、この人。俺、身長175cmだけど、この人俺の頭2個分背高いんだけど!!しかも、スゲー筋骨隆々で図体デカいし、髪に至っては綺麗な群青色してる。
...今時、こんなに綺麗に染めれる人、いないと思う。俺の友人の彼女なんかも髪染めて金髪だけど、微かに黒混じってるし。スゲーな、この世界の髪染め技術。是非ともその技術を学んでみたいぜ。しかも、声だけじゃなく、顔も硬派系のイケメンときた。
...何か見てるだけで腹立ってくるな、こいつ。
「何だお前、珍しい髪色してんな。しかも、何かひょろっこいし...女か?」
「男だよ!?」
何なんだよこいつ。普通、初対面の奴相手に、ひょろっこいだの女だのと、人の一番言われたくないこと言うか?マジ、腹立つな、おい。
「あ、そーなのか。それは悪かったな。俺の名前はグラディール・サイフォン。グランって呼んでくれ。んで、お前の名は?」
「え、俺?俺の名前は保之瀬 栗だ。(名前からして、外国みたいな感じだから、逆の方が良いのか?)...じゃなくて、リチ・ホノセだ。俺のことも、リチで良い。」
俺がそう言うと、グランはきょとんとした顔をして、首を傾げた。おい、そんな可愛い仕草も、イケメンがやると台無しだぞ。
「リツか?」
「ちげーよ、リチだ。」
何かグランの頭上にはてなマークが揺れてんだけど。マジか、ここでも俺の名前は定着しづらいのか。
「あー、なら、クリで良いぞ。俺の友人とか、大体そう呼んでるし。」
「そうか、クリか。んなら呼びやすいぜ。よろしくな、クリ。」
俺はこんなイケメンとよろしくしたくねーけどな。どっちかって言うと、最初の会話は、村で一番可愛い娘との、ちょっと照れながらの自己紹介が良かったなあ...。
まあ、取り敢えず、まずは孤独からの脱出に成功した訳で。
一先ず安心した。此処にはマジで俺だけしか存在しないのかも、とか、割と本気で思ってたからな。良かった良かった。
「そーいや、クリ。お前、何でこんな物騒なとこにいるんだよ。」
「物騒なとこ?此処が?何で?」
「何でって...だって此処は、魔王城の目の前だろ?」
...マジデスカ。
遂に二人目の登場人物現れました!白もやし君のボッチ生活も、これで暫くは無さそうです(多分...)。名前はグラディール・サイフォン。見た目は硬派なイケメン(クリ談)ですが、性格は爽やか青年になる予定です。職業は剣士です。大剣振るいます。
昨日投稿したばかりなのに、ブックマーク2件入ってました!。どうもありがとうございます。これからもちょくちょく投稿する予定ですので、白もやしことリチ君を、よろしくお願いします!