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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ちんこと女神さま

姫とちんこと女神さま

作者: halsan

そいや そいや そいや そいや


「今日も賑やかですね、ちんこ」

「そうだね女神さま」


 ここはちんこと女神さまが平和に暮らす池の底。

 池の周辺にはちんこを模したご神体やら祠やらが祭られています。

 最近では、先日ピザの食べ過ぎでお腹を壊した二人がつい召喚してしまった雷や豪雨を鎮めるためなのか、奉納の品も増えてきました。


 御利益祈願についても、当初は『子宝祈願』だけだったのですが、崇神としての側面が信者を刺激したのでしょう。最近では様々な祈願がなされ、お祭りも祈願に応じて賑やかに催されているようです。


「今日は立派なすっぽんが奉納されていたから、コラーゲンたっぷりのすっぽん鍋にするね」

「まあ、コラーゲンたっぷりだなんて! 今以上にちんこがぷるぷるしちゃうわね」

「女神さまのお肌もぷるぷるつやつやさ」

「いやん、ちんこったら」


 今日も池の底は平和です。



 さて、ここはとある王国。

 

「いよいよ首が回らなくなってきたわ」

「どういたしましょう姫さま……」


 王宮では、姫さまとお付きのメイドが二人で頭を抱えています。

 

 この国は二つの大国に挟まれ、歴代の王さまは権謀術数を持って何とか両国に飲みこまれること無く王国としての体面を維持してきたのです。

 が、今の王様は『脳筋』なため、賢い統治ができませんでした。

 一方、姫さまも放蕩が過ぎ、多額の借金をこしらえてしまったのです。

 

 姫さまは借金を返済するために一計を案じました。

 それは、『脱がせ師』として有名な魔法使いを通じて、自らが出演するアダルトビデオを高額で販売することです。

 アダルトビデオを高額で販売するためには、ただ単にきれいなねーちゃんなだけではだめなのです。

 大手アイドルグループ脱退直後とか、惜しまれて結婚引退したのに離婚してしまった直後だとかの電撃デビューが必要なのです。

 

『姫さま』だけでも相当なブランド力なのですが、さらに高額で販売するためには、さらなるサイドストーリーが必要です。

 なので、姫さまと脱がせ師の魔法使いは、次のようなアングルを考え出しました。

 

 それが、『悪い魔法使いに囚われ、塔の奥に閉じ込められてしまった姫さま』だったのです。

 ズバリタイトルは『囚われ姫の白昼夢』

 色々な方面のマニアが引っ掛かりそうです。


 こうして、姫さまはアダルトビデオを合法的に売り出せる年齢が来るまで、己の価値を高めるために塔に閉じこもったのです。

 

 ところがそんな姫さまの悪巧みに気付かない愚かな王さまは、姫さま救出のためになけなしの国庫を散財して勇者を集めました。

 が、王さまは脳筋なので、塔の周辺に仕掛けられたであろう罠の対策や魔法の対策などには考えが及びません。


 それどころか、王を諌めようとした賢い忠臣たちを、こともあろうに『むつかしい言葉ことばろうしておう傀儡かいらいとせんとする逆臣ぎゃくしんども』などと断罪し、処刑してしまったのです。

 

 それでなくても国力が衰退していた王国なのに、この仕打ちです。

 国内の賢い若者たちはこの国を見切り始めました。

 そうです。こんな国の王や貴族になるくらいなら、地方公務員となって定年まで勤め上げ、余生は近所のサッカー少年団のコーチでもしながらちまちまと年金生活を送るというライフプランを選択するようになってしまったのです。

 

 それでも、姫さまがアダルトビデオを販売できる年齢になれば、状況は変わったかも知れません。

 が、悪い魔法使いは修行中の勇者ちんこに成敗されてしまいました。

 姫さまもちんこに救われてしまいました。

 そして、最後の望みであった『ちんこに借金を肩代わりさせる』というプランも、ちんこが女神さまの元に帰ってしまったことにより崩壊してしまったのです。

 

 とにかく姫さまは借金を返さなければなりません。

 国の運営をしなければなりません。

 しかし悲しいかな彼女は脳筋王の娘。そんな知恵などある訳がありません。

 するとメイドがおずおずと手をあげました。


「よろしいでしょうかアイリス姫」

「なに? リリィ」

「姫さまが、賢い男性をお婿さんに迎えたらいかがでしょうか?」

「できるものならとっくにしているわ」


 ちんこに振られたことを思い出し、姫さまは舌打ちします。


「私、優秀な若手村長を一人存じております」

「容姿は?」

「正直かっこいいです」

 姫さまはちょっと興味が出てきました。

 しかし、メイドはちょっと言いにくそうな表情で続けます。

「ただ、ちょっと問題があって……」

「なによ?」

「その方はホモなのです」


 姫さまはさらに興味を持ちました。

 

「だめねリリィは。かっこいい男性は『ホモ』とは言わないの。ちゃんと『ボーイズラブ』と呼びなさいね」


 正直ホモに興味のないリリィにはどっちでも構わないのですが、さすがアダルトビデオに自ら出演しようとする姫さまです。そちら方面へのこだわりを感じさせます。


「でも、ホモならお相手がいるでしょ」


 するとメイドはちょっとだけ勝ち誇った表情になりました。

 

「はい、確かにホモの連れがいます。でも、彼には秘密があるのです」

「だめよリリィ、ホモの連れだなんて。ちゃんとビーエルパートナーと言いなさいな」


 それこそどうでもいいと思いながら、メイドは姫さまに説明を始めました。

 


 今日もアドニスくんはせっせと池のほとりの祠を掃除しています。

 

 彼のパートナーであるカズくんは、最近売り出し中の若手村長です。

 カズくんはアドニスくんのために出世街道を駆け上がりました。

 そしてついには村長となって、渋谷区よりも先に『男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例』すなわち『パートナーシップ制度』を村に導入したのです。


 当然パートナーシップ証明書の交付第一号は、カズくんとアドニスくんです。

 この画期的な制度により、村は転入者が爆発的に増加しました。

 彼らは様々な道のエキスパートであったので、村には次々と新たな産業が立ち上がりました。

 それら産業が納める法人税を元手に、カズくんは公共事業を展開し、村を発展させました。

 村が発展すれば、ノンケも沢山引っ越してきます。

 こうして村は繁栄しました。

 村長のカズくんは大忙しですが、アドニスくんとの夜だけは欠かしません。


 アドニスくんは幸せでした。

「きっと、ちんこがぼくとカズくんを見守ってくれているのだね」

 そう勝手に解釈しながら、今日もアドニスくんは清掃活動に励むのです。

 

 え?

 

 突然アドニスくんは闇に囚われました。


 

 同じころ、村に、姫さまとメイド、それに兵士たちがやってきました。

 当然村長のカズくんが村を代表してお出迎えをします。

 と、姫さまはぞんざいな態度でカズくんに告げました。


「村長カズくん、そちはわらわの婿となり、その手腕で王国を再興するのじゃ」


 そうです。姫さまはカズくんをスカウトに来たのです。

 

 しかし、カズくんは到底そんな命令など呑めません。

 

「姫さま、申し訳ございませんが、辞退させていただきます」

「なんじゃ、愛する人がいるからか?」


 一瞬カズくんの眉間がピクリとします。

 

「おお怖い、そんな顔で睨むな」


 姫さまはカズくんに嫌らしい笑みを向けます。


「まさか姫さま……」

「早合点するな。わらわも臣民の命を簡単に手にかけようとは思わんよ。ただな、カズくんの未練は断ち切らねばならんからの」


 すると二人の兵士が一人の青年を引きずってきました。

 

「アドニス!」

「カズくん!」


 必死で互いに名前を呼び合う姿に、メイドは眉をひそめ、姫さまはマニアな喜びに身体を震わせます。

 

「アドニス、そちは魔法により男の子となっているそうじゃな?」

「違います姫さま! ボクはもとから男の子です!」

 するとメイドが嫌らしい笑いを浮かべました。

「あなたが指にはめている指輪から、強力な魔力を感じますね」

 どきりとするアドニスくん。

「いえ、これはお爺さんの形見なのです!」


 必死に抵抗するアドニスくんですが、兵士に押さえつけられて身動きがとれません。

 一方のカズくんも、村人たちを人質に取られているような状況なので、アドニスくんをおいそれと助けに行くことはできません。

「これじゃな」

 姫さまはアドニスくんの指を強引に開かせると、淡く光る指輪をゆっくりと抜きました。


「やめてー」


 指輪が引き抜かれた瞬間、アドニスくんは一瞬淡く光りました。

 そして次の瞬間、彼のちんこは消えてしまったのです。


「ちんこのない男の子なぞ、おらんからな。村のパートナーシップ証明も無効よの」


 姫さまは勝ち誇ったように笑うと、兵士に命じました。

 

「さっさとカズくんを王城にお送りしろ! 怪我をさせてはならぬぞ」


 その場にうずくまってしまうアドニスくんに既に用はないとばかりに、姫さまは兵士に命じました。


「アドニス! アドニス!」

「カズくん! カズくん!」


 こうして二人は引き裂かれてしまったのです。

 

 アドニスくんは走りました。

 自分勝手なのはわかっています。

 捨てたのは自分だから。

 でも、他に頼れる人はいないのです。

 だからアドニスくんは走りました。

 走って走って池のほとりにつくと、アドニスくんは大声で祈りました。


「ちんこ、助けて!」と。



 さて、ここは池の底。


「またあのガキだわ。本当にうるさいんだから」

 過去にアドニスくんに煩わされたことのある女神さまは、彼に対しては辛辣です。


「でも、あんなに悲しそうに叫ぶなんて、どうしたんだろう?」

 ちんこにとってもアドニスくんは自分を捨てた親のようなものです。

 一方で、彼が教えてくれた『ピザをお持ち帰りなら一枚分の料金で二枚ゲットサービス』には感謝しています。

 でも、彼を助けに行こうとすれば、女神さまのご機嫌が斜めになってしまいます。

 そうだ、こうしよう!


「そうだ女神さま、今日の夕食は久しぶりにピザにしない?」

「そうね。でもお腹を壊すのは正直勘弁よ」

「ボクにいいアイデアがあるのさ」


「それじゃワインを冷やしておきますね」

 ご機嫌な女神さまを後にして、ちんこは湖上に姿を現しました。


 ちんこはアドニスくんの話を聞き、ちゃんと姫さまにとどめを刺しておかなかった自分にも責任があると感じました。

「わかったよアドニスくん。その代わりだけどさ」

 ちんこは財布を取り出し、アドニスくんに何やら伝えます。


「お安いご用だよ!」

 アドニスくんは頷くと、村の方に走って行きました。



 それはまさしく天災でした。

 巨大化し、黒光りしたちんこを止められる者は王国には存在しません。

 しかもハイパーモードちんこは雷まで召喚するのです。

 

「なぜじゃ、なぜちんこがわらわを襲うのじゃ!」


 パニックとなっている姫さまをちんこは諭します。


「愛する者同士を引き裂いたからだよ、姫さま」


 が、姫さまは納得しません。


「なぜじゃ! カズくんはガチホモのはずじゃ! ちんこを失ったアドニスなぞに興味はないだろうに!」

「違う!」


 叫んだのはカズくんです。

 

「確かに俺は少年のころはガチホモだった! ちんこが好きだった! でも今は違う。俺は漢が好きなんじゃない! アドニスが好きなんだ!」

「良く言ったカズくん!」


 カズくんの叫びに呼応するかのように、ちんこは愕然とした表情の姫さまと、お付きのメイドを捕えました。

 その後姫さまとメイドは、池のほとりに建てられた祠に軟禁されることになったのです。

 

「ちんこ、買ってきたよ!」

「ありがとう、アドニスくん」


 ちんこはアドニスくんからピザを一枚だけ受け取りました。

 なぜなら、二枚だとちんこも女神さまもお腹を壊してしまうからです。

 

「素晴らしいアイデアでしたね、ちんこ」

「でしょ、女神さま」


 ちんこが出したアイデアとは、アドニスくんとちんこでピザを共同購入することだったのです。

 これなら実質半額でピザを一枚買うことができるのです。とっても合理的です。

 

「新作の『あわびときのこのクリーミーピザ』だってさ! 限定販売らしいよ」

「まあ、私たちにぴったりね」

 ちんこと女神さまはお互いに照れ笑いをします。互いにきのこがナニであわびがナニなどと無粋なことは言いません。


「おいしいね、女神さま」

「おいしいね、ちんこ」


 今日も池の底は平和です。

 


「まいったわね」

「これからどうしましょう、姫さま」


 祠では姫さまとメイドが軟禁されています。

 特に生活に困るようなことはないのですが、祠の外に出ることはできません。


「退屈ね」


 姫さまは退屈しのぎに、アドニスくんから奪った指輪をはめてみることにしました。

 すると姫さまが一瞬光ります。

 

「え、これって?」


 なんということでしょう、姫さまに『ちんこ』が生えたのです。

 そうです。指輪は『ちんこがなくなる指輪』だったのです。

 

 ちんこがはえた姫さまは、急にメイドの胸元とか、スカートの裾から覗く生足とかが気になりだし始めました。

 

「ちょっとリリィ、こっちにいらっしゃいな」


 ケダモノのような姫さまに一瞬びびるも、そこは上下関係がはっきりしている立場。メイドは姫さまの隣にちょこんと座ります。


「うわ、大きくなったわ。ねえ見てリリィ!」


 姫さまはパンツを脱いでちんこをリリィの前に屹立させました。

 

 ……。


 姫さまもメイドも変な気分になってしまいます。


「ねえリリィ、先っちょだけ……」

「やめて、姫さま……」


 ぱんぱんぱんぱん

 あんあんあんあん

 

 いい汗をかいた姫さまは、ろくでもないことを思いつきました。

「ねえリリィ、今度は貴女がこの指輪をはめてみてよ」

「はい、姫さま……」


「うわ、私のときより大きいわ……」

「姫さまお願いです、先っちょだけ……」


 あんあんあんあん

 ぱんぱんぱんぱん

 

 

「これって悪魔のアイテムだわ……」

「そうですね姫さま……」


 二人は肩で息をしています。もう死にそうです。

 それほどまでに快感が強烈だったのです。

 

「ねえ、今度は指輪なしでしてみない?」

「どこまでもお供しますわ、姫さま」


 あんあんあんあん

 あんあんあんあん

 

 こうして、姫さまとメイドは、まるっきり生産性のない生活を始めたのでした。

 

 数日後。

 

 姫さまは物足りなくなってきました。

 というのは、指輪が一つだけだと、あるパターンだけが実現不可だからです。


 TS姫 vs メイド

 姫 vs TSメイド

 姫 vs メイド

 ここまでは実現可能。残りは……。 

 

「どうなされましたか? 姫さま?」

「知識の探求よ」


 ここに魔法研究の道具さえあれば、姫さまは指輪をもう一つこしらえるくらいの勢いです。

 でも所詮、それは叶わぬ夢。

 

 が、ある日唐突に姫さまの願いは叶いました。

 

 さらに数日後。

 

 そいや そいや そいや そいや

 

「何だか騒々しいわね」

「何でしょうね、姫さま」


 つい先ほどまで『TS姫 vs メイド』プレイを堪能した後、まどろんでいた二人は、地響きのような掛け声に起こされてしまいます。

 すると突然祠の扉が勢いよく開かれました。

 

「ご神体の準備じゃ!」

「む、貴様らは何者だ?」


 次々と祠に突入してくる者共の勢いに、姫さまもメイドも唖然とするだけ。

 

 そんな二人をオスの群れが飲み込みます。

 

「今日は女人禁制じゃ!」


 メイドは外に放り出されました。

 

「む、かわいい稚児じゃの! 祭りじゃ祭りじゃ!」


 姫さまは服を引っぺがされると、あれよあれよという間に白褌を巻かれました。

 

 そいや そいや そいや そいや

 

 そう。今日は月に一度の『漢祭』

 

 おしくらまんじゅうでたっぷり漢汁を吸いこみ黄ばんだ褌を社に祭ると、全裸の漢たちは本番に移ります。

 

 あーれー!

 

 ぱんぱんぱんぱん

 ぱんぱんぱんぱん

 

 こうして、姫さまの望みは叶いました。

 

「ちんこ、今日も楽しそうね」

「そうだね、女神さま」


 今日も池の底は平和です。

 

 めでたしめでたし。

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[良い点] めでたしそして今日も世は事も無し(←韻踏) 世界一はまーわーるー。陰陽、太極、輪廻、レインカーネイションっっ それ則ち、巡礼。さぁ、キミも一緒にLet's エクソダスo(^-^)o って…
[一言] なんなんだこれは・・・たまげたなぁ
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