金魚鉢
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金魚が騒ぎだした 雨が街を狙撃する
屋根はスポンジ しみ込んだブルーハワイ
ごった返しの喧噪 金魚は溺死寸前
隣街へ行こうか リュックに夜を詰めたら
朝はどこにもないのだ 夢などもう見なくてもいいや
ぼくらはリビングデッド 体中穴だらけ
ほら クレーターがよく見える
あの月まで ぼくのバイクで
タイヤは廃棄処分 エンジンは水道水で
ナビは君の声 声 声
かき鳴らすエンジン音 君のモールスの解読で忙しいのさ
さぁ
二人 孤独の庭
煮立ったフラスコの底で踊ろう
ほら 朝が焼けて夜は凍てつく
もう逃げ場はないのだ
つないだ手を伝って落ちるのは雨
間違い探しだ 赤い奴を探せ
ふてくされた金魚鉢
ここにはいないよ
もっと奥へ 深海の果てまで
まだだよ まだだよ
君のナビが聞こえなくなるまで
君のナビが聞こえなくなるまで
さぁ
二人 孤高の海
腐った水槽の中で眠ろう
もう 夜が朝を追い出したのさ
そう逃げ場はないのだ
つないだ手を伝って落ちるのは雨
お読み頂き誠にありがとうございました。