fruitFRUIT3章迷走編
fruitFRUIT3章迷走編
キャラクター紹介
ホライズン
青い小鳥の精霊。
人がいない精霊たちの国の住人の一匹でフィーネたちを迎え入れる。
誰かと話をすることが好きで、壁に穴があいたときいて真っ先に向かって迎え入れた。
本気で飛べば実はかなり早い。
ウチワウスイ3
腕と翼が変型する変わった鳥の黄羽青飾り羽金尾羽の種族。
名家でなおかつ巨大グループ会社の一族だが会社の方針で今は役職的にはあまり偉くなく海外出張し金融業で借金がある相手の所を見張ってたりしていた。
一度死んだ事により衰弱するがそれにより元々打たれ弱いところがあるのを再確認し弱点すら自らの力へと変えようと躍起する。
イクシア・アイアン
輝くように鮮やかな緑の鱗のを持つトカゲ人。
種族の中では高身長だが140数センチ程度と小柄に関わらず、大型の獣も圧倒する力を持つ。
変温動物だとたまに間違われるが動物のトカゲと違って人間として活動するため恒温動物である。
でも尻尾は切れても生えてくる。
6話【逞しく輝くその鼓動は平和を保つ】
一旦食事は後回しにして全員現場へと集まって貰った。
そこには知らない顔が3人。
黄毛ライオンの男の子と茶毛猿の男の人、それに蒼色亀の青年だ。
「どーなったんだ!ワルモノがいるのか!」
背中に背負うの随分と太い剣に手をかけ辺りを見回すライオンの男の子は名前はブレイヴというそうだ。
頑丈そうな胸当てや膝当てもつけてまさに戦士のような姿だが子供だからなんとなくお遊戯でもしているかのような雰囲気だ。
「居たとしても私一人で十分ですよ。」
手甲が輝き全体的に異国の服を着込んだ猿人はロックというそうだ。
ロックは鎖帷子が胸から少し見えていてウチワの故郷にいるといわれるニンジャを思わせる。
「うーん、そもそも猟期的殺人じゃないと思うんぎゃー。」
ゆったりとそう話すのは重そうな甲羅を背負った亀人、タートルだそうだ。
タートルは甲羅に腕や脚にも装甲が巻き付けてあって鉄壁の姿だ。
そんなあまりにも風変わりな三人に会った時のウチワの第一印象は(面倒くさそう)だった。
ロケットに彼らの名前は聞いたのだが、当のロケットはすっかり意気消沈していた。
「フィーネ……。」
さっきからうわごとのような事を繰り返し虚ろな目でフィーネの遺体を眺めている。
「割と深刻だねこれは……。」
ウチワはため息をつく。
イクシアはこの状況はかなり危険だと察していた。
一番捜索で動き効率よく証拠を集めるフィーネがやられ、ロケットはどん底に落ちていて、ウチワはそもそもあまり協力的には感じられずさらには謎の三人までいる。
「気合いで打破、するしかないよなぁ。」
ライオンの子ブレイヴの精霊は豚の子どものようで、ほのかに白く光り輝く。
名前はトンだ。
『やっぱりこんなこわい所、早く帰ろうよ!』
「帰れねーからこっちへ来てこの壁をぶっこわせないか探すって言ったじゃないか!」
猿の男ロックの精霊は魚の錦鯉でもちろん空中にいるが普通に息をしている。
名前はライムだ。
「この局面、お前ならどう取る?」
『とりあえず全員拘束して拷問して吐かせるか?』
亀の青年タートルの精霊は蟹のようで水色に輝く。
名前はトマトらしい。
『終わったら起こして……。』
「まー多分、そんなに短く終わらないと思うんだぎゃ……。」
イクシアもこんなメンツを見て正直(面倒くさそうだ)と思っていた。
一通りメンバーの確認が終わったの所で、妖がふわりとどこからか降りてきた。
「やっぱり殺人事件なのね。」
ウチワが妖を睨みつける。
「あ、あの時空にいた奴だ!」
ブレイヴが叫ぶ。
「ロケットから話は聞いてたが、そういう事か。」
ロックが言う。
どうやら事前にブレイヴたちにはロケットが話をして置いてくれてたらしい。
「やあみなさんお揃いで。」
妖がそういったが普段のような元気さがなくあまり楽しくなさそうだ。
「実は非常に残念なお知らせがありまして、確かに今回もこれは殺人なんですけど僕ががんばって書いてた手紙が無駄になりました!」
どこからか手紙をとりだすがかかれている文は途中でとぎれている。
まだ書いてる途中だったのだろう。
「つまり?さっさと答えを言って。」
ウチワがイライラして催促する。
「えー、僕が手紙送る前にもうさっさと殺人が起こっちゃいまして、僕は合ってるかどうかのただの審判役になっちゃって正直もう僕いらないんじゃないかなーって。」
いじけてみせたり小石を蹴る仕草をしたりしてとことんしょぼくれる。
「ん?ということは……。」
イクシアが周りを見渡す。
「誰かがどうしても殺したくて殺したってことなのか……?」
『ひええ、そんな恐ろしい事が!』
空でパタパタと羽ばたくホライズンが驚き慌てふためく。
「うん、まあね本人的にはどうしても殺したかったらしいから。あ、もちろん今回もこの中にいまーす。」
もはや投げやりになってきた妖が言った言葉に他の人に緊張が走る。
ほとんど初対面な彼らがフィーネを殺した事になる。
「じゃあ、遺体は腐らないように術かけとくんで……。解剖記録も渡しとくからね……。じゃあなんかあったら呼んでね。」
そういうと妖は消えた。
「やっかい、なんてものじゃないね……。」
頭の上から落ちてきた遺体解剖記録をキャッチしてウチワは深刻な顔でつぶやいた。
おまけ休憩所
フェイ『コーヒーは何飲むの?』
イクシア「ブラック」
ロケット「ミルクは入れる」
フィーネ「あまり飲まないかなあ、飲むとしたら砂糖を入れる」
ウチワ「マックスコーヒーかしら」
フェイ『え?』
ウチワ「マックスコーヒー。」
フェイ『う、うん』
───────────
キャラクター紹介
ブレイヴ・オーブ
戦士の姿をしたライオンの少年。
背中の太い剣を振り回し獣たち相手に今日まで生き抜いてきた。
甘いものとお肉が好きな性格も暴れたい年頃の子どもだ。
トン
子豚の精霊でブレイヴの相棒。
臆病で早くこんな所からは帰りたいと願っている。
ロック・スチール
ニンジャのような姿をした猿人の男性。
顔は赤っぽいが真っ赤な種類ではない。
手甲や投げ道具が得意でブレイヴを常に護る。
ライム
錦鯉のような精霊でロックの相方。
サディストな面があるがロックに抑えられる。
タートル・タンク
蒼色の亀人で甲羅と頑丈そうな装甲をつけている。
謎の訛りとゆっくりとした行動が特徴的。
トマト
水色の蟹の精霊。
普段はいつも眠そうにしている。
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死体解剖記録は以下の通りだ。
《死体解剖記録 発行日時エメラルド/12 午後七時三十分
推定死亡時刻 エメラルド/12午後六時から午後七時頃
死因 後頭部に致命的損傷 何者かに強打されている
備考欄 後頭部以外の目立った外傷及び病気等は無し
》
「は?これだけ?」
イクシアは前回との力の入り具合の違いに驚く。
前回の書き込み量と違いまるでやる気が見られない。
『前回同様凶器もわからずしかも今回は頭を殴られたという事しか書かれてないですね。』
イベリーが解剖記録を見て感想をつぶやく。
「拙者は勿論うら若き女性を殴るなどせん。だが犯人にはこの鉄拳、叩き込んでやろう!」
ロックがそう言って拳を胸の前でぶつける。
タートルが横ゆっくりとロックの方を向く。
「誰もおみゃーさんの事を疑って言ったわけでわにゃーと思うわ。」
「そ、そうか。」
自分から言うなんて怪しんで下さいと言わんばかりだなとウチワは思いながら、フィーネの遺体を調べることに……。
「で、敵は誰何だ一体!」
……どうやらこのままでは調査もままならないので彼らに指示する必要がありそうだった。
「ちょっとイクシア、彼らをどこかに調査割り振って。」
急に振られたイクシアが戸惑う。
「え?俺が?いやこういうのは俺慣れてないからどうすればいいのか……。」
「前の事件の時みたいにやりなさい!」
イクシアが首を横に振る。
「あの時はヌールの指示通り動いただけだから俺にはわかんねーよ!」
ひらひらと舞っていたイベリーがイクシアの頭の上に止まる。
『では、私が指示を出します。三人方は図書館の外周辺に犯行の証拠と思われるものをちょっとしたもので良いので集めて下さい。』
「お?そうか犯人を見つけたら懲らしめてやるよ!」
ブレイヴが元気よく図書館の外へと駆け出す。
「では、任されました。」
「あ、ちょっと早いんだぎゃ!」
残りの二人も追いかけていった。
『ホライズンさんは彼らを見ていて怪しい行動がないか見張っててください。』
パタパタと羽ばたきながらホライズンが返事する。
『え?私がですか?分かりました行ってきます!』
すぐに外へと飛び去った。
『では我々で図書館内部の探索を。』
イベリーの采配に感心しながら二人は改めてこの中で犯行の証拠を捜索し始めた。
ロケットはフィーネの遺体の側で意気消沈しているだけだで現在は邪魔になるだけだと判断し個室へと帰らせた。
イクシアが連れて行きその間にウチワがフィーネの遺体を探る事にした。
フィーネの遺体はつい先ほど殺されたということもあり、頭部の傷を除けばまるでまだ生きているかのようだ。
「失礼して……っと。」
何か持っていないか、また何か遺したものはないか探る。
とりあえず直ぐに気づけたのは守りの腕輪がなくなっていることだ。
「獣のいない場所ならじゃまになるから外すけれど、それがアダになったのね。」
次に気づいたのは本だった。
体の下敷きになっていたがどうやら生前までは手に持っていたらしい。
「何々……《せいれいのくに》。ああ、普通の絵本ね。」
内容は凄く簡単で精霊たちのいる国の平和な一日を描いた作品だ。
改めて内容を確認してみたがそれこそまるでこのDブロックのように自由になってるだけで特に気になる点はない。
「ロケットに見せるために持ってたのかしら。」
ページをめくっていくと一つのページの端が折られていた。
内容は「こうして、せいれいのいしはせいれいにもどったのでした。ようこそ、せいれいのくにへ!」
たくさんの石が精霊たちへと変わる絵だ。
この直前のページは「ささやき、いのり、えいしょう、ねんじろ!
そうおうさまはいいました。」
と書かれている。
もちろん現実はあらゆる王様がこんな事を言っても蘇らない。
とりあえず本は回収しておくことにした。
さらに探ったらメモが出てきた。
フィーネがいつも記入しているメモだ。
これまでの事件の事が事細かに書かれている。
「流石に今回の犯人は……書かれてないね。」
最後の所には「妖精の国、どこかで聞いた事がある。確か絵本であったはず。図書館にあるかな?」
と書かれている。
その他調べてみたがあまりこれ以上の物は得られなさそうだったのでそっとしておいた。
イクシアが帰ってきて、これから改めて夕飯を取ることにするらしい。
続きの捜索は後にして一旦夕飯をとりに戻る。
即興でできる物に変更したらしくサンドイッチ等の軽食が並ぶ。
ロケットは相変わらずどこかを見ているようなどこも見ていないようなそんな目をしながら食事を取っていた。
「なあ、ロケット……。」
イクシアが定期的に呼びかけるが、返事はいつも「うん……。」とどこかへと意識が行ってしまっているような返事しか帰ってこない。
一晩ロケットは眠らせる事にして早速捜査の続きを行う。
フィーネの周囲は、まず正面に扉。
おそらく図書館から出ようとした時に襲われたのだろう。
殴打した凶器は見あたらない。
扉の真横にはフィーネから見て右側に大きな本棚がある。
中には本がぎっしり入っており、上には何も乗っていない。
「本は……今月の新刊ね。」
図書館の大きさはそれなりにあるが、ぱっと見て見渡せる程度には狭い。
『うーーーん。』
ウメがうなり出す。
「何?珍しく考え事して。」
ウチワがそう言うとウメがどこかへと飛んでいく。
『なーんかにおうー。』
飛んでいく場所へとついていくと奥の重そうな本が並ぶ場所へとたどり着く。
『ここらへんからだー。』
「ホコリの臭いならするけど、他の臭いはするかしら。」
吸ってみるがやはり埃の臭いしかしない。
その間にもウメはにおいをかいで一つの本へとたどり着く。
『これだー。』
ウメが指した本を取り出すと、他のと違って埃が完全に落ちていた。
それに少しだが血の跡のようなものがある。
「もしかして、凶器……?でかしたウメ!」
ウメを撫でながら本のタイトルを読む。
「魔術大全、ねえ。読む気も起こらないね。」
とりあえずこの本を持って別の場所で捜査していたイクシアを呼び、さらに外を探索していた三人もと4匹も呼んでいったん証拠を集めることにした。
おまけ休憩所
ウチワ「結局どこまで能力が使える用になったわけ?」
ロケット「電気を撃ち出すサンダーボルトみたいなのは出来るんですがパラライズボルトみたいなコントロールが難しいのは出来ないですね。」
ウチワ「実戦レベルでは使えるだろうけど何というか華がないね。」
ロケット「花なら咲かせる事が出来るんですけどね。」
ウメ『せいれいにーかこまーれてたときにーおぼえたーのねー。』
───────────
食事をした病院の食堂でロケット以外集合し、話を始める。
ブレイヴ「さっきはバタバタしていたからあいさつもあまり出来なかったけれど、オレはブレイヴ!旅人さ!よろしく!」
ロック「同じく、同行者のロックだ。」
タートル「一応同じ旅の仲間のタートルだぎゃ。よく置いてかれるけどね。」
トン『ぼくばブレイヴの友達のトン。良かったら覚えていてね……。』
ライム『ライムだ。ロックと相棒だ。』
トマト『トマト……よろ……ぐう。』
ホライズン『私は人間とはパートナーではありませんがホライズンって言います!あらためてよろしくです!』
改めて挨拶が終わったところでフィーネを殺した犯人に関しての議論を始める事にした。
ウチワ「じゃあ早速フィーネの死因から始めましょう。」
イベリー『後頭部に致命的損傷とありますね。』
ウチワ「その凶器についてなんだけど。」
ウメがひょこりと机の上に顔を出す。
ウメ『はーい、それっぽいものあったよー。』
ウチワが本を机上に置く。
ウチワ「これは血が付着してた本で奥の本棚にあるのをこいつが見つけてきたもの。かなり重量があるから勢いをつけて殴られたらたまったものではないね。」
イクシア「そういえば守りの腕輪がフィーネの部屋に置いてあったな。あれはフィーネのなんだよな?」
ウチワ「ええ、ダメージを軽減する腕輪も普段はただの飾りだから置いてたんでしょうね。フィーネは確かに腕輪をしてなかったから。」
ブレイヴ「頭からの一撃はキホン危険だからな!良くてキゼツだな!」
トン『悪ければ、死……!ひいい!』
ロック「それが凶器だとしたらかなり体格の良さが必要になるな。いくら重いとはいえ本、人を殴り倒すのにはかなりの力がいる。」
ロックが実際に本を持つ。分厚いので片手だと手の指の長さがギリギリで振りかぶれないほどだ。
ロック「両手で持って殴る必要があるな……。」
ウチワ「それと第一発見者はホライズン?で良いのよね。」
ホライズン『うん、私はみなさんの所を順番に回ったりしてその後フィーネさんを探しがてら周辺を散歩していたら図書館の中にフィーネさんが倒れてて!』
ウチワ「その時、まだ息はあったのかしら?」
ホライズン『はっきりとは確認してないんですけど多分もう亡くなってたと思います。』
ウチワ「その後病院へ戻ってワタシと鉢合わせしたのね。」
イクシア「ああ、ロケットにフィーネを呼びにいくようにウチワさん言われてたんだっけ。」
タートル「うーんこの解剖記録、肝心の死んでまった時間が一時間も差があるから、その時病院の中に居てもあまりやってないって証明出来んでアカンわ。」
イベリー『図書館と病院は片道徒歩15分程度、急いで5、6分はかかる距離です。この解剖記録では例え犯行したとしても普通に病院まで帰ってこれて時間をしぼりきれません。』
ウチワ「とりあえずこの午後6字から7時それぞれ何をしていたか話してもらわらないとね。」
イクシアが頷く。
イクシア「じょあまずは俺からだな。病院の食糧庫の中を一通り探索し終えて今日使いたい食糧を運んでたころだな。ちなみにだいたいのものが無事だったからしばらくは生活できるぜ!」
ウチワ「ワタシはそのイクシアに出会ったし、その後はこの場にいないロケットに会ったね。」
ブレイヴ「オレらは6時前にはロケットと別れたかな?」
ロック「三人とロケット殿で待合室で話して親睦を深めた後6時頃には解散し全員別行動を取っていたな。拙者は自室に戻って武具の点検をしていた。」
ブレイヴ「オレは腹が減って紛らわすために歩いてて、しばらくしたら良い匂いがするから向かっていったらまたロケットに会ったな!」
イクシア「ああ、そういやあずっと子どもが調理場を覗いてたっけな。」
ブレイヴ「子どもじゃなくてブレイヴ!オレさ!」
ブレイヴが自分へ親指を向けて強調した。
タートル「ええと、おいらはその時は個室に戻ってゆっくりしていたんぎゃ。」
タートルはそのままでは座れないのでいすの背もたれを逆にして座っている。
ウチワ「ここまでの話をまとめると、ブレイヴとワタシ、イクシアにロケットはそれなりに目撃情報が会ったのね。」
ロック「拙者たちは個室に戻った頃は誰にも見られてないが、それ以前ならそこらの精霊に見られている。」
イクシア「でもそれ誰かわかるか?」
ロック「うーむ、流石にそこまでは。」
イクシア「だよなぁ。」
病院内にもそれなりの数精霊がいるのでおそらく全員聞き回るだけで一日かかる。
ウチワ「明日、誰かが聞いて回るとしてとりあえずまだ犯人には繋がらないね。」
フィーネのメモへ万年筆で書き込んでいく。
イクシア「あれ、それってフィーネのメモ用紙じゃないか?」
ウチワ「ええ、フィーネが持ってたから借りた。ちなみにフィーネ自身が書き込んだ内容は今回の事件じゃなく以前の事件のことばかりだったよ。」
ウチワが一応全員にメモを見せる。
それぞれが納得して話を進める。
イベリー『ホライズンさん、監視の結果はどうでしたか?』
ホライズン『とくに悪いことしている様子は……あ、でも何か見つけていませんでしたか?』
ブレイヴ「おう!オレたちが見つけたのはこれだー!」
机上に並べられたのは赤みがかかった複数の服だ。
ボロボロになっており、欠片しかないものもある。
ウチワ「……ゴミ?」
ロック「いや、これは大事だとタートルが考えたものだ。」
タートル「……あっ、そうだったぎゃ。ここは精霊しかおらずさらに人間がいにゃーのなら人間の服が何かに襲われた後のようなのがいるのはおかしいんだぎゃ。」
確かにある程度日にちはたってるが黒ずんでいたり赤くなっていたり血の跡がありボロボロになった服があるのは奇妙だった。
ウチワ「ふーん、確かに事件と関わりがあるかわからないけれど気になるね。」
イベリー『ホライズンさん、何か心当たりありますか?』
ホライズン「いや特には!やっぱりゴミでは?」
イクシア「うーんまあ、とりあえず保留だな。」
ウチワ「後は、これね。」
フィーネが持っていた絵本、せいれいのくにをウチワが机上に出す。
ウチワ「フィーネが持っていたけどおそらくロケットに持って行くつもりだったんでしょう。彼は記憶無かったから説明用に。」
タートル「犯人の名前が書いてあったりとかは?」
ウチワ「後でまた確認するけどそういうものはないね。」
イクシア「後でロケットに持って行ってやるとするか……。」
イベリー『後は私たちが見つけたものですね。』
イクシアが机上に乗せたのは手紙のようだ。
イクシア「本と本の間に挟んであったんだが書かれてる事は短いんだ。」
これを見つけた者よ、私はもういないだろう。
そしてこれをみたのが人間なのならば彼らをそっとしておいてやってほしい。
精霊たちの事は忘れ、ずっとそのままに。
それが書かれた内容だった。
イクシア「飛び出てたからわかったんだが、いったい誰が書いてどういう意味なんだろうな?」
証拠はこれ以上はなく、この後もしばらくは話あったが実りは無かったので明日のそれぞれの行動を決めて、さらに捜査することにした。
おまけ休憩所
イクシア「精霊術を使うさいって結局どの程度のエネルギー使えば良いんだろうな?」
イベリー『イクシアはいつも全力を使うので私が管理して必要な分だけ取ります。』
ウメ『ちょっとだけでーだいじょーぶ。』
ウチワ「ワタシたちの場合強すぎるのをコントロールするのが最優先ね。」
ロケット「僕はわりと疲れちゃうなあ。あんまりお腹すくのも困るし。」
イクシア「あんまり効率よく使えないのか。」
イベリー『あなたほどではないと思います。』




