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首吊り自殺
第三の自殺未遂
その日は北海道のホテルで死ぬことにした。
ホテルで休み、翌朝首吊り自殺することにした。
ホテルには露天風呂があり、キヨシは男子専用の露天風呂へ、よう子は女子専用の露天風呂へいった。
キヨシはバカっぽく労を癒した。
そもそもキヨシは死ぬことに恐れる雰囲気などこれっぽっちもなかった。
練炭自殺のときもよう子の機嫌をとり笑っていたし、ヒグマに食われに行くときもなぜだかハリキッテいた。
それはよう子のことが純粋に好きだ、というものから来る感情のように思えた。
翌朝、キヨシから首吊りすることにした。キヨシは緊張しながら椅子に乗り、紐の強度を確かめ一気に椅子から飛び降りた。勢いで椅子は倒れ、二秒後キヨシの体重に耐えきれなくなった紐は千切れキヨシは落下した。ちょうどそこに倒れた椅子がキヨシの腰に強打した。
キヨシはコメディアンのようなリアクションで痛がった。その様子によう子はお腹を抱えて笑った。
キヨシは恥ずかしそうに痛がったが、よう子が笑うのをやめ溜息をつき鬱っぽく黙り込んだ。
キヨシもひとつ溜息をつき椅子に腰掛けた。