6話
和明はルナと連れだってギルドに来ていた。ギルドの中は受け付けと依頼内容が納められたファイルが置かれたいくつかの机と椅子で構成されていた。割りと綺麗だ。いくつかの机には戦士と思われる男や全身を鎧で着込んだ男達が座っていた。
和明達は受け付けに来ていた。受け付けの目鼻立ちが整った綺麗なお姉さんに話しを聞いていた。
「まず登録するとEランクの称号が得られます。するとEランクの仕事を受けられるようになるの……それで十回Eランクの仕事を成功させるとランクがDランクにアップするの……後は必要な時に話すわ」
綺麗なお姉さんに和明が鼻の下を長くして話しを聞いているとルナに足を靴でおもいっきり踏まれた。
「いてー! なんで踏むんだよ」
「……ふん!」
受け付けでEランク登録した二人は一つの空席に座りファイルをめくっていく。
「これなんかどうだ。畑を荒らすイボミミズ退治、銅貨五個」
「……いいね」
ということで二人は依頼のあった畑に来ていた。
そこには畑の野菜をバリバリ食べる一メートルはあろうかというイボがたくさんあるミミズが数十匹いた。
「……う」
ルナはうずくまり下を向いた。心配した和明はルナに聞いた。
「どうしたんだ?」
ルナは声にならないような声で言った。
「……気持ち悪い」
ということで一人で退治することになった和明は胸元から細い剣を引き抜いた。和明は一番近くにいたイボミミズに瞬くまに接近すると上から下に切り付けた。切られて半分になったイボミミズはピクピクと痙攣している。二匹目に狙いをつけるとイボミミズを真っ二つに両断した。それから一時間した広大な畑にはイボミミズの死体が数十匹転がっていた。一仕事終えた和明は畑に腰をおろした。
「いっぱいいて疲れたー」
「……お疲れ様」
「ありがとうございます」
声の方を見ると太ったおばさんが立っていた。このおばさんが依頼主だ。依頼書におばさんからサインを貰い帰路についた二人。
「次は期待してるよ」
「……ごめん」
謝り俯くルナ。どこか悲しげな雰囲気をおびている。
「そういえば……異世界についてなにか知らないか?」
「……異世界?」
考えている表情のルナ。答えをじっと待つ和明。
「……西の遺跡に異世界への扉があるって聞いたことがある」
「異世界へ行けるのか?」
「……わからない」
現世に帰る手段を見つけたかもしれない和明は喜んだ。
{つづく}




