53話
大分強くなった和明達はルーブ国の遠方にある大国ヤルド国に来ていた。巨大な城門を潜ると数メートル先から商店が軒を連ねていた。野菜や魚やアクセサリーから武器、防具とありとあらゆる物が売られている。流石魔族に対抗する強国だけのことはある。行き交う人々も大勢いる。主婦と思しき女性達や鎧を着込んだ屈強な男達に杖をつく老人。衛兵も見回っていて治安も良さそうだ。ミルキーがアクセサリー売り場に足を止めて商品を見始めた。
「これルナちゃんに似合いそう。ハアハア」
怪しい声を出しながらルナの首元にハート型の装飾が施された銀色のネックレスを宛がうミルキー。ルナは怯えたような顔で
「……や!」
ミルキーは悲しそうな顔をして商品を元あった棚に返した。ルナは生鮮食品屋でパンニを大人買いした。軽く三十個は買っただろう。和明達は商店街を出て真っすぐ歩き赤い建物の前から右に曲がった。そこからしばらく行くと豪奢な家屋の真ん前に来た。ここが今回の目的地賢者ムーフラの自宅だ。立派な鉄柵の門のノッカーを鳴らす。すると本館の扉を開け黒と白を基調とした服を着たメイドさんが出て来た。十五、六歳だろうが胸の成長度合いが半端ない。まるでメロンを服の中に入れているようだ。走るメイドさんは胸が弾んで服を上下にさせている。そして鉄柵の前に来るとメイドさんは聞いた。
「ご用件はなんでしょうか?」
和明はメイドさんの胸を凝視しながら
「そのメロンの味をみたいんだけど……」
「は?」
メロンという言葉に馴染みがないようで反応はいまいちだったが、ルナとミルキーは察したようで一人片方の頬を抓った。
「痛たた! 嘘です。ムーフラさんにお話があって来ました」
メイドさんは「分かりました少々お待ちください」と言うと館内に戻って行った。
{つづく}