48話
和明達や警備員が海賊達を捕らえ縄で縛った。その時船体はボロボロで穴が開いたりしていて塗装も剥げた不気味な船が近寄って来た。ロープで縛られた一人の海賊が怪しい船を見て叫んだ。
「伝説の幽霊船、ストレッチャー号だ! 早く逃げろ!」
しかし幽霊船は旅客船の左舷に軽くぶつかった。ストレッチャー号から破れた衣服に腐食した体のゾンビ達がわらわらと乗り移って来た。和明達と警備員達は攻勢に打って出た。和明は身近にいた両手を上げ「アー、ウー」と声に出すゾンビの首を切り落とした。しかしゾンビの体は首無しで和明に迫って来た。和明はジャンプし縦切りでゾンビを両断した。警備員達もゾンビ達の生命力に苦戦を強いられていた。そんな中、幽霊船からキャプテンハットを被り昔は豪華であったろう服を着た目が落ち窪んだゾンビが出現した。右手は金属製のフックになっていたが所々錆びている。左手には両刃の剣を握っている。キャプテンハットのゾンビは言った。
「我ナルハと一騎打ちをする者は居ないか? もし勝ったなら手を退いてやろう」
「その勝負買った!」
そう和明は言うと海がしけていて船同士がぶつかり揺れる中、猛スピード駆けてナルハの足を狙い斬撃する。旅客船の上でナルハと和明は剣舞を舞うように戦闘した。二人の力は拮抗していた。ほんの少しの油断が命取りになる。和明は賭にでた。
「あ、あそこで美人の女性が全裸で踊ってる!」
「え、どこどこ!?」
ナルハは興味深々で和明が右手で指差した方を見た。そこには股間部分の服が破れたゾンビが「てへ」と照れながら立っていた。ナルハは激怒し和明の方に視線をやった。
「う!」
呻くナルハ。それもそのはずナルハの首筋に黒い剣が突き付けられていたからだ。和明は笑みをこぼしながら
「俺が勝ったならどうするんだったかな?」
「く、くそ! 全員撤退だ!」
ナルハと生き残っていたゾンビ達は不承不承にストレッチャー号に帰って行った。そして姿を消した。
{つづく}